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興味有る事、限り無し。

ただ今、家庭教師ヒットマンREBORN!に激萌え中!
そしてニューカテゴリ、ゲーム「トモコレ日記」が熱いぞ♪♪

プリズム-----第3話

2008-05-27 09:40:42 | 小説風読み物(BL)
「うーん・・・ ナオが言う事はわかったけど、さ。はっきり言うよ、食費とかの生活費は気にしないで良い。俺としては高校にでも通って欲しい所なんだけど、どうかな?未成年は勉強が仕事、という事で」
 俯いてしまったナオに健は言葉を重ねた。
「ナオは、勉強は嫌いか?嫌いじゃなかったら、高校の事考えてみないか?」
「・・・嫌いじゃないけど、必要性を感じないから」
 普段は素直な子なのに、どうしてこんなに抵抗するのだろうか?と健は不思議に思う。
「ごめんなさい健さん、勉強は好きだけど、学校は嫌いなんだ」
「うーん・・・」
 どうにもナオはかたくなで、健は考えこんでしまう。
 学校が嫌いという事は「イジメ」にでもあったのか?と、思い至ったのだけれども、健はもうそれ以上言うのは止めた。
「そっか、じゃ、学校の話はナシで、バイトは少し考えさせてくれるか?」
「はい・・・」
 不承不承、頷いたナオに、健は「少し不機嫌なナオ」の顔を見て、随分と慣れてきたもんだ、と思い嬉しくなる。
 こうやって、もっと色々話していけるようになると良いな、と。


プリズムーーー第2話

2007-10-28 23:45:28 | 小説風読み物(BL)
 それからのナオの生活は至って平和なものだった。
 健の仕事は、どんな職業なのかはまだよく解らないけれど、会社員で無い事は確からしい。
 きまった時間に出勤する事が無く、帰宅時間もまちまちで、深夜を越える事や明け方に帰宅する事も多々あった。
 そして、そんな日々が続いたかと思えば、丸3日ほど休みが続く事もあったりと、とても変則的な毎日だった。
 朝は早かったり遅かったりするが、夜は健を待つ事無く寝るように言いつけられているので、ナオは12時にはベッドに入るようにしている。
 家に電話はあるものの、連絡はもっぱら携帯の電話とメールで取り合っている。
 今日は何時に帰るとか夕御飯を用意して欲しいとか。
 まるで新婚夫婦のようだ、と思わないでもないのだが。
 メールを送るという行為に、健は珍しさも伴って、すっかり夢中なのだ。
 健は電話で話すより、メールの方が好きなようだ。
 メールなら自分の空いた時間に送れるし、好きな時に届いたメールを見る事も出来る。
 電話と違う、束縛感の無さを健は気に入っているようなのだ。
 今日は早く帰る、というメールが届いている。
 夕飯の用意をして、アノコト、を話そうとナオは決心した。
 家事費用の入った財布を手に、スーパーへ向かう。
 今日はきっと疲れて帰って来るだろうから、健の好きな献立にしよう。
 けれど苦手な野菜もとれるような献立に。



 かき揚げ丼に肉じゃが、タラのホイル焼きに具沢山のお味噌汁。
 もう帰るよ、というメールが来てからかき揚げを揚げはじめる。
 揚げたてを食べてもらえるように、ナオは時間を見ながら調理していると健が帰ってきた。
「ただいまーっっ!!!」
 声をあげながら、二日ぶりの健はエプロン姿のナオを眇めた目で見て、いいこいいこ、というように頭をくしゃくしゃかき混ぜる。
「おかえりなさい、お疲れ様です。もうすぐご飯が出来ますから、座って待っててください」
「おっけ!美味そうだなぁ・・・」
 テーブルの上の料理を見て、健は嬉しそうに手を洗いに行く。
 部屋着に着替えてテーブルにつく頃にはかき揚げ丼も出来ていた。
「いただきまーす!!!」
 食事の間はよほどお腹が空いていたのか、口を開く事無く健は一気にご飯をかき込んで、気持ちがよいぐらいの食べっぷりを見せた。
 食事が終わって食後のコーヒーなぞを飲んでいると、何か言いたげな視線とぶつかる。
 食事の間も、意味ありげな視線を受けて、健はもうそろそろか?とソワソワしているナオに水を向ける。
「・・・何か、話があるんじゃないの?」
 びっくりして瞳を健に向けて、次にナオはふわっ、と笑う。
「わかっちゃうんだ、健さん。どうして?」
「それはね、ナオが子供で、俺が大人だからです」
 ナンチャッテ、と小声で付け加え、心の中で健は『素直な可愛い子だよ』と付け加える。言葉には出さず。
「うん、じゃ、言います。お願いがあります。バイト、したいんですけど・・・」
 ここに来て約一ヶ月、生活のリズムも掴めた頃だし、何か言って来るだろうと思っていたけれど、何か欲しい物でも出来たのか、予測していた自体に健は先を促した。
「どうして?」
「あの、えと、料理はまだまだですけれど、掃除に洗濯はなんとか出来てると思うんだけど、これが僕の仕事というのは少し違うと思って・・・」
 ちらりと健の様子を見て、ナオは続ける。
「こーいう家事って、ここに居れば当然する事だと思うんだ。わざわざ『これが仕事です』って決めるの、ヘンだと思う。ここに住んでいる以上、当然というか、なんというか・・・」
「俺は何も手伝ってないけど・・・」
 健の言葉に、ナオは抗議の声をあげた。
「えー、健さんはここの家主さんだから、別に何もしなくても・・・ っていうか、健さんは働いてるし、一杯、手伝ってくれてるし、僕の方がなんか全然、役に立ってないような気がするだよね。で、少しでも食費とか払いたいと思って・・・ダメ?」
 上目遣いでお願いされれば、なんでも『いいともー!』と言ってしまいそうになるのをぐっ、と堪えて健は口を開く。


プリズムーーー第1話

2007-06-29 00:39:17 | 小説風読み物(BL)
「これから、どうするの?」
 男が声をかけると、少年----ナオは首を傾げ、考えながら口を開く。
「住み込みで働けるような所を探します。働いて、住む所があれば、なんとかやっていけると思いますから・・・・・」
 保護施設の応接室で、「あしながおじさん」と少年は対面した。
 「おじさん」というにはまだ若い、けれど少年よりは確実に一回りは年上であろう。
 スーツで現れた彼は少し落ち着かない様子で。
 落ち着かないというよりは、着慣れないスーツに戸惑っている、そんな感じがした。
 そして『湯浅健(ユアサケン)』と名乗った男は意を決したように、言葉を発した。
「それなら、心当たりがあるよ」
 男はにっこりと笑う。笑顔になると、男は少し可愛く見えた。
「一人暮らしの男性、なんだけど、家に居る時の朝食の用意と、そうじとか洗濯とか、お手伝いさんと留守番を兼ねた人を探しているらしいんだ、どう、話だけでも聞いてみる?」
「行きますっ!今からだって、オッケイです。家事も掃除もそれなりに出来ますし、洗濯も好きです!!」
 勢い込んで身を乗り出すナオに気押されてか、健は少し面食らった顔をしている。
「あ、じゃあ、今から行ってみる?」
「はいっ!荷物まとめてきますんで、ちょっと待っててくださいっっ!!」
 待っててくださいっ、ともう一度、念を押すように言い残して、あっという間に走り去るナオの後ろ姿をみつめて、健はぽつりとつぶやいた。
「いいのかなぁ、こんなに簡単に決めちゃって・・・」
 そして1時間後にはナオが住み込みでお手伝いをする職場であるマンションに着いていた。
 そこはセキュリティのしっかりしたマンションで、そのマンションに入るのに暗証番号とカードキーが必要で。
 管理人も常駐というマンションだった。
 そこで健は挨拶をして、二重のガラス扉を抜けてエレベーターに乗り込む。
 最上階に着いた健は、突き当たりにあるドアを開けた。
 ごくごく普通の3LDK。けれど、とても上等なマンションだと、ナオでも解る。
 玄関は大理石でバリアフリー。廊下も広く、天井も高い。
 おずおずと入ったナオを左手のドアに導いて、健はそこを開け放った。
「ここがナオ君の部屋だよ」
「えっ、あのっ・・・」
 ベッドだけが置かれてあるその部屋は、何も無いせいか広く感じた。
「取りあえず、ベッドだけは用意したけど。あと必要な物は買いに行こう。服とかパソコンとかコンポとか」
 ナオの部屋の向かい側にある部屋は洋服とか靴で埋まっている。
 そして健は廊下を進み、サニタリーにバスルームにトイレと案内してキッチンの向かいにある引き戸を開けた。
「ここが俺の部屋。用がある時は声をかけてくれたら良いよ」
「え・・・・・、ここって健さんの・・・?」
 あっけにとられたナオの顔を楽しそうに見て、健は右手を差し出した。
「今日からよろしく、ナオ君」
 おずおずと健の手を握る。
 誰か、全然、知らない人のマンションだと思っていたから、スゴく緊張していたのだが、健の家と知って、ほんの少しだけその緊張が解けたような気がした。
 そして綻ぶように、にっこりと笑う。
「こちらこそ、至らない所もあると思いますが、どうぞよろしく」
 そうして、ふたりの同居生活が始まった。






プリズムーーープロローグーーー

2007-05-07 00:00:15 | 小説風読み物(BL)
 物心ついてから、こんな生活だった。
 多分、就学年齢に達していただろうけれど、父はかまう事なく僕を夜の町に連れ出した。
 僕が女の子であったなら、きっと身体を売ってお金を稼がなくてはいけなかっただろう。
 いや、違う。
 僕はそれに近い事をしていた。
 父が夜の町で話を付けた男達をセイコウイはしなかったものの、それに近い行為をしてお金を貰う。
 そうやって得た日々の糧で父は酒に溺れ、僕を酷く傷つけた。
 心も身体も。

 けれど、そんな日々は唐突に終わった。
 繁華街の路地裏で父に客の男との行為を強要されている所をケーサツに見つかり、父はケイムショに入れられたらしい。
 らしいというのは、僕はそこからホゴシセツとやらに連れて行かれ、そのままそこで暮らすようになったから。
 後で聞いた話によると、父はケイムショで亡くなったらしいとか。
 涙も零れなかった。
 『ああ、そう・・・』と言葉が洩れただけだった。
 そんな僕をホゴシセツのセンセイ達はなんとも言えない目で見てたっけ?
 普通は18歳までホゴシセツに居られるらしいのだけれど、僕は1日でも早くここから出たかったので中学卒業と同時にホゴシセツを出る事にした。
 別にあてはなかったけれど、今まで「あしながおじさん」から送られていたお金が結構な額になっていたので、当分困る事はないと思っていたから。
 どこの誰かは知らないんだけど、毎月、決まった金額ではなく、生活で余った金額目一杯という感じで送られてくる現金書留は、殆ど手をつける事なく貯金して、ここを出る時の為の資金になるようにと貯めていた。
 あとで返せって言われても困るなぁ、という気持ちもあったけれど、こんな話になるとは思ってもいなかった。
 正直、びっくりして声もでない。
 「あしながおじさん」が僕に会いたいと言って、訪ねて来てくれるとは。

 
 

BLはじめました♪

2007-05-06 23:57:28 | 小説風読み物(BL)
 はじめますよ。
 ずっとあたため続けていたBLはじめます。
 どこまで描けるかわからないのですけれど、取りあえず書かない事には始まりませんから。
 
 本当にずっとずっとあたため続けていた話なので、これを書き上げられたら、自分の中で何かが変わるような気がするんですよね。
 取りあえず、頑張ります♪
 

 気が向いたら、読んでください。