さて、この朝まず果物を食べて時間をあけるという方法は、私の思いつきでも何でもありません。産地から直接りんごを売りに来るお兄さんが話してくれたのです。一日一個のりんごで医者いらず。というのはイギリスでよく言われるとか。もともとはどこからきたか知りませんが、その人はりんごを売るために説得にかかるのです。彼が言うには、Trennkost(分離摂取)とでも訳すのでしょうか。これにはすでに、様々な学説、研究がありますが、彼のはSummさんという人の本に出ていると紹介してくれました。しかしSummさんのTrennkostの本には、その果物と時間をあけるという点は特に強調されていないようです。この部分はお兄さんの説なのかもしれません。分離摂取というのは、平たくいうと、一回の食事でたんぱく質と炭水化物を同時に取らないというものです。Summさんの本には、まず食品をたんぱく質と炭水化物と中性(ニュートラルでどちらと一緒に摂取しても、問題のない食品)に分類してあり、あとは簡単に分離摂取を実行できるレシピが出ています。これを読んでみると、世界中どこでも、我々のメニューがいかにたんぱく質と炭水化物を同時に食べるとおいしいという風にできているかを知り、愕然とします。つまりこのTrennkostという摂取方法はかなり実践するのが難しいのです。例えば、ステーキのつけあわせには、ご飯もジャガイモもとうもろこしも適さず、せいぜいグリーンサラダと冷やっこ。またご飯や麺類を食べるときは、肉、魚介を摂らないというのは、食事の楽しみをねこそぎ奪われるような、実行する気になれない方法に思われます。少し試してみても、食事会や飲み会があったりすると、その日は全く実行できずねをあげたのは、仕方のないことと思います。ただ、胃腸にとっては、分泌する酵素の関係で、分離摂取すると消化がしやすくなり親切なようです。体をいたわるという意味では、少しずつ試してみて自分の胃腸と対話してみるのも良いかもしれません。そこで気づいたのが、峠の釜飯。和食の中には、炭水化物の中にほんの少し、もうしわけ程度にたんぱく質が入っている料理があります。炭水化物をおいしく食べるために少量の、味を濃い目につけたたんぱく質を摂る。これが和食が体に良いといわれる理由かなと。現在は、不満のない程度に峠の釜飯的な料理で、胃腸との対話を試みています。たんぱく質と炭水化物を同時に同量摂取することが、かなり胃腸の負担が大きく、消化を悪くする原因だそうです。
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