親友である崔順実被告への機密流出疑惑に端を発した一連のスキャンダルで、ついに朴槿恵大統領が辞意を表明した。退陣を求めて100万人を超えるデモが頻発するなど、1か月以上にわたって続いた混乱がようやくこれで一段落するのかと思いきや、事態はそう簡単ではない。韓国在住ジャーナリストの藤原修平氏が言う。
「日本では朴氏が今すぐ辞任するかのような論調が目立ちますが、韓国では見方が違う。野党の弾劾要求に与党からも同調する動きが出てきたため、進退を先延ばしにするために機先を制したと見られているのです。
実は会見の中で朴氏は明確な辞意を表明しているわけではない。周りがそんなに辞めろというならば、私が辞めた後の韓国政治をスムーズに進めるための体制を作りなさい。ちゃんとできる状態になったら私はそれを受け入れますよということであって、いつ辞めるとも言っていません。
そうしたことから、朴氏の表明に韓国では『まだ言い逃れするのか』と怒りの声が多く、火に油を注いでいる。とはいえ、野党側も『辞めろ』の一点張りで明確な主義主張があるわけではないため、ますます韓国国内は混乱しています」