トーナメントにおけるプラクティスは不可欠なものだが、DDTは他都府県からの参加者が多いため、中にはプラクティスができないでぶっつけ本番で参戦する方が少なくない。しかし、今回の優勝者である加藤さん、伊藤さんペアは、東京からの参戦にも関わらずきっちりとプリプラクティスをこなし、この時期としては驚異的ともいえる7540グラムという超ハイウェイトでダントツ優勝を飾ることができたのである。
前日のプラクティス時、氏は東部承水路どん詰まり手前のエリアにて、50アップのスーパービッグを釣っている。しかし、それでも氏は当日そのエリアには一回も行くことはなく、他のエリアで競技時間のほとんどを費やすことになる。それは何故か。氏は準優勝者の方がラスト1時間でキッカーフィッシュ4連発を演じた「夏の水門パターン」を、プラクティスの段階で掴んでいたからである。
パターンを掴んでいたことに加えて当日はクジ運までもが氏に味方をし、フライト順で1番のクジを引いた氏は、誰よりも早くお目当ての水門の前へ到着する。この水門をファーストエリアに考えていた参加者は他にもいて、氏が釣りを開始して早々、数艇のボートが同エリアを訪れることになるのだが、ここではプラクティスを行いパターンを掴んでいた氏が圧倒的なイニシアチブを握ることにる。
このエリアは鯉釣り師にも人気のある場所で、当日は水門の両脇に鯉師が竿を立てていたのだが、これを見て多くの参加者がこのエリアを見切ったのに対し、氏は鯉釣りとはエリアがバッティングしない沖のブレイクで回遊を待つ戦略をとった。そうして、次々と同エリアを訪れる他の参加者が早々に見切りを付ける中、氏だけはヘビーダウンショットをメインに着々とビッグフィッシュを釣り重ね、3回にも及ぶ入れ替えを経てダントツのウェイトを築き上げた。
このように、今回の第3戦はプラクティスを元に当日は確信したことを実行し続けて結果を出すという、正にトーナメントの釣りを行った方が優勝、しかも超ハイウェイトという胸のすくような展開で幕を閉じる事ができた。正に「練習は裏切らない」といったところだろうか。
第4戦もこのようなウェイト、展開を期待したいところだ。
スタート前、目指すはあの水門前に一直線といったところでしょうか。
ウェイインした魚、全てがパンパンで見事なバスでした!