鞦韆院落

北京で過ごすインディペンデント映画な日常

配音再び

2010-08-20 11:07:47 | 其他
またアフレコの仕事を頼まれて、街までバイトに行ってきました。
場所は学院南路にある中国農業科学院。
片道2時間半の道のりです。
12時からの仕事で、1時間で終わると聞いていたのだけど、中国で時間通りに終わることはまず無いので、きっと3時間くらいかかるのだろうなと思いつつ行きました。

なぜ農業科学院でアフレコなのかと思ったら、農業科学院は広大な面積があって、その中のビルにテナントとしてスタジオが入っているのです。
わりと新しい、設備の充実したスタジオです。

今回の仕事はテレビドラマで、役どころは日本鬼子ではなく漢奸。
中国では漢奸は鬼子より悪いことになっています。
私もとことんまで悪い役をするようになったものです。

この漢奸は、日本軍の翻訳官をしています。
比較的穏やかな性格なのだけど、やはり軍人なので怒鳴ったり叫んだりする場面が多々あるのです。
どうも私はそういう役には向いてなくて、何度も録り直しさせられてしまいます。
ただ、それは大した問題ではないのです。
アフレコの仕事で何が厄介かというと、日本語の台本が用意されていないのです。
撮影のときも日本語の台本はなくて、どうせアフレコで日本語を入れるのだからと、いい加減に話しています。
中国語で台詞を読んでいればまだいいのですが、今回録音したものはただ知ってる日本語の単語(“バカヤロウ”とか“カワイイ”とか)を並べて、かつ感情を込めて話していています。
しかも、どれもそこそこの長台詞。
私はそれを日本語に訳したうえで葺き替えないといけないのだけど、どう考えても明らかに口数が足りないし、区切られているところが変に多いし、感情を込めているところにそれなりの単語を持ってこないといけないので、非常に難しいのです。
録音ブースに入りながら訳していると、皆が「適当でいいんだから早くしてくれ」と急かします。
ドラマを作ってる人なんて皆こんなもので、日本語らしく聞こえれば何でもいいのでしょう。
そんな仕事は請けたくありません。

結局、そんなこんなで6時間もかかってしまいました。
事前に聞いていたギャラの倍をもらえたものの、割のいい仕事とは言えませんでした。

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