鞦韆院落

北京で過ごすインディペンデント映画な日常

第五回BiFF その1

2010-10-28 19:57:33 | 映画祭報告


少し時間が経ってしまいましたが、10月1日から7日間にわたって開催された第五回北京独立電影展についてご報告します。

今回がこれまでと大きく違うところは、まず学生部門が独立して国際学生短片節という単独の映画祭を名乗っていること。
実は、本当は8月に単独で行う予定があったのですが、色々難しいのでやはり10月にまとめてやろうという事になったのです。
そういう消極的な話は隠して、今後もしかすると単独でやるかもしれないよと期待させつつ、国際映画祭などと大風呂敷を広げたのであります。
運良く、宣伝もしていないのに台湾や香港、マレーシアからも応募があったのですが、それでも中華圏ばかり。
マレーシアに至っては、選考ですべて落ちる始末。
やはり日本や韓国からも作品が欲しいということで、知り合いに頼んで日本の作品を集めてもらったり、韓国もツテを頼ってみたり。
結局韓国はダメだったものの、日本からは良い作品が4本が集まり、上映することになったのでした。
これがなかったら、台湾と中国だけで“国際”と名乗り“独立”電影を上映することになり、当局から中止させられていたことでしょう。

本祭の北京独立電影展はというと、長編フィクションが8本、長編ドキュメンタリーが8本、短編が8本、実験映画が6本、アイ・ウェイウェイ特集が3本、外国映画としてはベルギーの監督が昔の中国を撮ったドキュメンタリーが2本ありました。
また、今回は目玉としてアニメショーン特集があり、中国初のインディペンデント長編アニメが1本、短編アニメが24本、そして日本のアニメが6本上映されました。

会場は、おなじみの現象工作室の地下ホールに加え、今回は隣にある王我の家の地下室も臨時の上映ホールとして改装し、隣り合う2ヶ所での上映です。
以前使っていた美術館は少し歩かなければならないし、宋荘鎮政府の管理下にあることもあって、いろいろと面倒なのです。
一ヶ所にまとまっていれば、何かと便利なうえ、人員も少なくて済みます。

とはいえ、王我の地下室を使うことになったのは映画祭のわずか数日前。
直前になってもどんどん作品を追加するものだから、1ヶ所では上映しきれなくなり、やむなく別会場を設けざるを得なくなりました。
あわててプロジェクターや音響設備を設置したり、荷物を搬出したり搬入したり、それを3人くらいでやるんですからたまりません。
もう少し前に決めようよ。



ここはメイン会場じゃないので、観客もあまり来ません。
たぶん、メイン会場のほうが重要な作品をやるものと大方の人が考えるからでしょう。
酷いときには3人しか観客がいないときもあったそうで、「ちゃんと客を分散させよう」と老朱は言うけど、それは無理というものです。

このホールの上は、うちの学校が教室として利用している空間で、今回はここで午前中にパネルディスカッションを4回ほど行いました。
テーマはインディペンデント上映について、ドキュメンタリーとフィクションについて、創作と学術について、アニメについてです。
初回には私もパネラーとして参加しました。
午前中から誰もこんなものを聞きに来ないだろうと思っていたら、これが案外多くの人がきて賑わうのです。
みんな、けっこう暇なんですね。
張献民をはじめ、いろんな人がディスカッションのために来てくれました。



また、今回新たにビデオ・ライブラリーが設けられました。
この映画祭で上映中の作品のみならず、過去の映画祭(紀録片交流週を含む)で上映したものや、うちの資料館で収蔵している作品などが見られるようになっています。
最初のうちは誰も存在を知らなかったのでガラガラでしたが、3日目くらいから満員で入れないくらいになりました。



上映は連日午後1時から始まり、夜は遅くとも11時過ぎには終わります。
深夜3時ごろまでやっていた前回とは違い、ちょっと良心的になりました。
食事はたいてい現象珈琲館で済ませます。
現象珈琲館は普段暇なくせに、従業員を大量雇用して、今6人くらいスタッフがいるのです。
なので、映画祭のときは普通にレストランとして営業していました。
これも前回まではなかったことです。
いろんなところが、少しずつ変化しているのです。

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2 コメント

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なるほどなるほど (にいや)
2010-10-28 23:28:36
そういう事でしたか。
いやはや、ご苦労さまです。
こちらもまたリポート徐々にアップッして行きます。
ではまた。
Unknown (だーしゅー)
2010-10-29 10:55:09
今回参加された方々のレポートはどれも詳しいですね。
おかげで少し知名度が上がるのではと期待しています。

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