まずは日経記事、続いてコメント。
ニュースを見た後、両社の決算短信と有報を見てひっくり返りました。
第一印象は、「こんなのアリ?」
とりあえず記事に出てくる出資額などの支援額にご注目ください。
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森電機、サクラダの経営再建を支援
森電機は20日、橋梁(きょうりょう)専業で経営不振のサクラダの
再建を支援することで基本合意したと発表した。
森電機が設立するファンドとともに最大55億円を出資。
サクラダは調達資金を活用して投資事業を始める。
事業の多角化を急ぐ森電機と早期再建を目指すサクラダの思惑が一致した。
2月末のサクラダの臨時株主総会を経て正式決定する。
森電機はサクラダの優先株を総額25億円で引き受けるほか、
新設する投資ファンドが30億円分の新株予約権の割り当てを受ける。
権利行使すると出資比率は最大6―7割程度になるが、
役員は派遣しない方針。
森電機は新たに新株予約権付社債などを発行して対応する。
サクラダは調達資金とみずほ銀行からの借り入れを組み合わせ、
ファンド形式により企業を買収・再生する投資事業に進出する。
産業用照明機器などを手掛ける森電機は受注獲得競争が
激しく赤字が続いており、多角化の一環として今回の投資を決めた。
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(コメント)
・記事を見る限り、森電機ってそれなりの規模の会社だと思いますよね。
とんでもない!
森電機の業績をご覧下さい。(単位:百万円)
(3月決算会社。前半の3列が中間決算、後半2列が通期決算です)
03/9 04/9 05/9 04/3通期 05/3通期
売上高 315 323 310 641 658
経常損失 ▲101 ▲124 ▲117 ▲151 ▲160
純損失 ▲420 ▲120 ▲170 ▲693 ▲250
スキマスイッチ風に言いますと
「ここんとこは赤字オンリー。笑えなくなっている」。
本業不振ゆえ、挙句の果てに事業再生投資にも手を出していました。
さらに財務面。株主資本240百万円、総資産507百万円。
順調な赤字計上で債務超過寸前です。
森電機自体が大ピンチにあることは容易に伺えます。
債務超過寸前、しかも総資産5億円の会社が、
総額55億円のファンドに一体いくら出資できるんや!!
資本注入が必要なのは森電機そのものではないの?
確かに今回新株予約権付社債10億円=総資産の2倍も発行するけどね。
サクラダ支援をダシにここでちゃっかりと増資、ってわけですか。
結局、「他社を支援するからカネをくれ。そうすれば自分はとりあえず
生き残れるし・・・・。」というのが本音ではないでしょうか。
なお、監査法人も凄い。私も余り聞かない東京国際監査法人から
明誠監査法人へ変更していました。
中小から中小へとババ抜きが進行しております。
・一方のサクラダ。監査人は公認会計士2名、やっぱり泥の舟です。
こちらはいろいろあって9月末の債務超過額が▲74億円。
11月には「私的整理ガイドライン」に基づき事業再生計画を策定。
取引金融機関に89億円の債権放棄を要請。
第三者割当増資により資本の増強を図るとして、
引受先(スポンサー)を探していて、それが森電機に決まった、
という訳です。
しかも驚くべきことは、支援を受けたサクラダが
投資事業に打って出るっていうから凄い。
まさにゾンビの世界。
・となると、投資ファンドとして蘇るサクラダがまず最初に投資するのは、
やっぱり森電機なのでしょうか?
・とりあえずまとめますと、この問題の面白さは、
「自らが事業再生が必要な会社(森精機)が、他社(サクラダ)の事業再生に
乗り出し、その他社に投資事業(おそらく事業再生も含む)をさせようと
している」ということだと思います。
・この問題、ちょっと気になりますので引き続きフォローしていきましょう。
ニュースを見た後、両社の決算短信と有報を見てひっくり返りました。
第一印象は、「こんなのアリ?」
とりあえず記事に出てくる出資額などの支援額にご注目ください。
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森電機、サクラダの経営再建を支援
森電機は20日、橋梁(きょうりょう)専業で経営不振のサクラダの
再建を支援することで基本合意したと発表した。
森電機が設立するファンドとともに最大55億円を出資。
サクラダは調達資金を活用して投資事業を始める。
事業の多角化を急ぐ森電機と早期再建を目指すサクラダの思惑が一致した。
2月末のサクラダの臨時株主総会を経て正式決定する。
森電機はサクラダの優先株を総額25億円で引き受けるほか、
新設する投資ファンドが30億円分の新株予約権の割り当てを受ける。
権利行使すると出資比率は最大6―7割程度になるが、
役員は派遣しない方針。
森電機は新たに新株予約権付社債などを発行して対応する。
サクラダは調達資金とみずほ銀行からの借り入れを組み合わせ、
ファンド形式により企業を買収・再生する投資事業に進出する。
産業用照明機器などを手掛ける森電機は受注獲得競争が
激しく赤字が続いており、多角化の一環として今回の投資を決めた。
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(コメント)
・記事を見る限り、森電機ってそれなりの規模の会社だと思いますよね。
とんでもない!
森電機の業績をご覧下さい。(単位:百万円)
(3月決算会社。前半の3列が中間決算、後半2列が通期決算です)
03/9 04/9 05/9 04/3通期 05/3通期
売上高 315 323 310 641 658
経常損失 ▲101 ▲124 ▲117 ▲151 ▲160
純損失 ▲420 ▲120 ▲170 ▲693 ▲250
スキマスイッチ風に言いますと
「ここんとこは赤字オンリー。笑えなくなっている」。
本業不振ゆえ、挙句の果てに事業再生投資にも手を出していました。
さらに財務面。株主資本240百万円、総資産507百万円。
順調な赤字計上で債務超過寸前です。
森電機自体が大ピンチにあることは容易に伺えます。
債務超過寸前、しかも総資産5億円の会社が、
総額55億円のファンドに一体いくら出資できるんや!!
資本注入が必要なのは森電機そのものではないの?
確かに今回新株予約権付社債10億円=総資産の2倍も発行するけどね。
サクラダ支援をダシにここでちゃっかりと増資、ってわけですか。
結局、「他社を支援するからカネをくれ。そうすれば自分はとりあえず
生き残れるし・・・・。」というのが本音ではないでしょうか。
なお、監査法人も凄い。私も余り聞かない東京国際監査法人から
明誠監査法人へ変更していました。
中小から中小へとババ抜きが進行しております。
・一方のサクラダ。監査人は公認会計士2名、やっぱり泥の舟です。
こちらはいろいろあって9月末の債務超過額が▲74億円。
11月には「私的整理ガイドライン」に基づき事業再生計画を策定。
取引金融機関に89億円の債権放棄を要請。
第三者割当増資により資本の増強を図るとして、
引受先(スポンサー)を探していて、それが森電機に決まった、
という訳です。
しかも驚くべきことは、支援を受けたサクラダが
投資事業に打って出るっていうから凄い。
まさにゾンビの世界。
・となると、投資ファンドとして蘇るサクラダがまず最初に投資するのは、
やっぱり森電機なのでしょうか?
・とりあえずまとめますと、この問題の面白さは、
「自らが事業再生が必要な会社(森精機)が、他社(サクラダ)の事業再生に
乗り出し、その他社に投資事業(おそらく事業再生も含む)をさせようと
している」ということだと思います。
・この問題、ちょっと気になりますので引き続きフォローしていきましょう。
ダシにするんでしょう。
なんといっても、名前が、サクラだ。
座布団10枚!
そういうことだったんでんすね!
これで謎が怪傑、じゃなくて、解決しました。