たまには会計ネタをやりましょうかね。
会計士協会は11月20日にこんな研究資料を発表しています。
業種別委員会研究資料第2号Web3.0 関連企業における監査受嘱上の課題に関する研究資料
ここに至るまでの経緯はざっとこんな感じ。
2017 年4月1日に施行された改正後の資金決済に関する法律(平成 21年法律第 59 号。以下「資金決済法」)に基づき、他国に先駆けて暗号資産交換業者の財務諸表監査が開始。
2018年3月に企業会計基準委員会(ASBJ)から実務対応報告第 38 号「資金決済法における暗号資産の会計処理等に関する当面の取扱い」(以下「実務対応報告第 38 号」)が公表され、暗号資産交換業者及び暗号資産利用者が保有する暗号資産並びに暗号資産の売却に関連する会計処理及び開示に関する当面の取扱いとして実務上の取扱いが明確化。ただし、暗号資産の発行に係る会計処理や自己発行暗号資産を保有した場合の会計処理は定められていない。
監査の実務指針として、日本公認会計士協会は、2018 年6月に業種別委員会実務指針第 61 号「暗号資産交換業者の財務諸表監査に関する実務指針」(最終改正 2022 年3月)(以下「業種別委員会実務指針第 61 号」)を公表。
実務対応報告第 38 号及び業種別委員会実務指針第 61 号が公表されてから現在までの間に、ブロックチェーン技術のビジネスでの活用は、暗号資産交換業者における暗号資産の取引にとどまらず、国内外の大企業からスタートアップ企業まで広がりを見せている。とりわけ、パブリック型ブロックチェーンを基盤として、暗号資産や NFT(NonFungible Token)などのトークン(電子的な記録・記号)を、金銭的なインセンティブ、財又はサービスの利用の対価、財産権を表章する手段などとして活用するいわゆるWeb3.0 ビジネスが、文化経済(ゲーム・アート・スポーツ等)や金融領域(暗号資産による分散型金融・資産形成)を中心に成長してきている。
企業会計基準委員会は、2022 年3月 15日に「資金決済法上の暗号資産又は金融商品取引法上の電子記録移転権利に該当するICO(Initial Coin Offering)トークンの発行及び保有に係る会計処理に関する論点の整理」(以下「論点整理」)を公表したが、会計基準等の公表には至っていな
い。論点整理では、観察できる少数の取引事例だけでは対象取引の経済的実態を捉えることが難しく、また暗号資産の私法上の取扱いが明らかではなく、国際的な基準開発が行われていないこと等、基準開発の困難さに言及している(第 25 項)。
Web3.0関連企業における監査受嘱にあたり、取引の経済合理性の理解、会計処理を実施するための前提となる発行者及び保有者との間の権利及び義務の特定、関連法令等の理解及び内部統制の構築等、検討すべき事項は多岐にわたっている。本研究資料は、これらの監査上の課題について調査し、また、会計監査に関する企業側と監査人側の相互の理解の促進等のための企業関係者、弁護士、監査人が実施した「Web3.0関連企業の会計監査に関する勉強会」における議論も踏まえ、現時点における考えを取りまとめたものとなっている。
要するに、Web3.0関連企業における監査受嘱が進まない具体的に理由を明かにして、受嘱を進めるためにはどうすればいいかと検討しているペーパーととらえばいいのだろうか。
確かに、急速に進歩するIT技術等に会計・監査が追い付かなければ、革新的なビジネスモデル、新しい産業の勃興を促すことはできない。会計が進歩の足枷になってはいけない。一般論として。
しかし、たとえば、本源的な価値に疑問を遺す仮想通貨(暗号資産)について性急に会計基準等を整備しなくてはならないのか?
そういった私に「我が意を得たり」と思わせてくれる恰好のネタが飛び込んできた。
30日の日経、「オマハの賢人」盟友の遺訓にあった米投資会社バークシャー・ハザウエィ社でウォーレン・バフェットとタッグを組んでいたチャーリー・マンガー氏の言葉に注目した。
仮想通貨=詐欺と妄想の悪い組み合わせだ
日本は他国に先駆けて暗号資産交換業者の財務諸表監査が開始したらしいが、会計基準まで先駆ける必要はないのではないだろうか。
その他マンガー氏の人生訓が素晴らしい。
・自分が買おうと思わないものは売らない。
・尊敬しない人のために働かない
・いっしょに仕事をして楽しい人とだけと働く
拝金主義が蔓延している現在、ふと我に返ることのできる金言だと思う。
会計士協会は11月20日にこんな研究資料を発表しています。
業種別委員会研究資料第2号Web3.0 関連企業における監査受嘱上の課題に関する研究資料
ここに至るまでの経緯はざっとこんな感じ。
2017 年4月1日に施行された改正後の資金決済に関する法律(平成 21年法律第 59 号。以下「資金決済法」)に基づき、他国に先駆けて暗号資産交換業者の財務諸表監査が開始。
2018年3月に企業会計基準委員会(ASBJ)から実務対応報告第 38 号「資金決済法における暗号資産の会計処理等に関する当面の取扱い」(以下「実務対応報告第 38 号」)が公表され、暗号資産交換業者及び暗号資産利用者が保有する暗号資産並びに暗号資産の売却に関連する会計処理及び開示に関する当面の取扱いとして実務上の取扱いが明確化。ただし、暗号資産の発行に係る会計処理や自己発行暗号資産を保有した場合の会計処理は定められていない。
監査の実務指針として、日本公認会計士協会は、2018 年6月に業種別委員会実務指針第 61 号「暗号資産交換業者の財務諸表監査に関する実務指針」(最終改正 2022 年3月)(以下「業種別委員会実務指針第 61 号」)を公表。
実務対応報告第 38 号及び業種別委員会実務指針第 61 号が公表されてから現在までの間に、ブロックチェーン技術のビジネスでの活用は、暗号資産交換業者における暗号資産の取引にとどまらず、国内外の大企業からスタートアップ企業まで広がりを見せている。とりわけ、パブリック型ブロックチェーンを基盤として、暗号資産や NFT(NonFungible Token)などのトークン(電子的な記録・記号)を、金銭的なインセンティブ、財又はサービスの利用の対価、財産権を表章する手段などとして活用するいわゆるWeb3.0 ビジネスが、文化経済(ゲーム・アート・スポーツ等)や金融領域(暗号資産による分散型金融・資産形成)を中心に成長してきている。
企業会計基準委員会は、2022 年3月 15日に「資金決済法上の暗号資産又は金融商品取引法上の電子記録移転権利に該当するICO(Initial Coin Offering)トークンの発行及び保有に係る会計処理に関する論点の整理」(以下「論点整理」)を公表したが、会計基準等の公表には至っていな
い。論点整理では、観察できる少数の取引事例だけでは対象取引の経済的実態を捉えることが難しく、また暗号資産の私法上の取扱いが明らかではなく、国際的な基準開発が行われていないこと等、基準開発の困難さに言及している(第 25 項)。
Web3.0関連企業における監査受嘱にあたり、取引の経済合理性の理解、会計処理を実施するための前提となる発行者及び保有者との間の権利及び義務の特定、関連法令等の理解及び内部統制の構築等、検討すべき事項は多岐にわたっている。本研究資料は、これらの監査上の課題について調査し、また、会計監査に関する企業側と監査人側の相互の理解の促進等のための企業関係者、弁護士、監査人が実施した「Web3.0関連企業の会計監査に関する勉強会」における議論も踏まえ、現時点における考えを取りまとめたものとなっている。
要するに、Web3.0関連企業における監査受嘱が進まない具体的に理由を明かにして、受嘱を進めるためにはどうすればいいかと検討しているペーパーととらえばいいのだろうか。
確かに、急速に進歩するIT技術等に会計・監査が追い付かなければ、革新的なビジネスモデル、新しい産業の勃興を促すことはできない。会計が進歩の足枷になってはいけない。一般論として。
しかし、たとえば、本源的な価値に疑問を遺す仮想通貨(暗号資産)について性急に会計基準等を整備しなくてはならないのか?
そういった私に「我が意を得たり」と思わせてくれる恰好のネタが飛び込んできた。
30日の日経、「オマハの賢人」盟友の遺訓にあった米投資会社バークシャー・ハザウエィ社でウォーレン・バフェットとタッグを組んでいたチャーリー・マンガー氏の言葉に注目した。
仮想通貨=詐欺と妄想の悪い組み合わせだ
日本は他国に先駆けて暗号資産交換業者の財務諸表監査が開始したらしいが、会計基準まで先駆ける必要はないのではないだろうか。
その他マンガー氏の人生訓が素晴らしい。
・自分が買おうと思わないものは売らない。
・尊敬しない人のために働かない
・いっしょに仕事をして楽しい人とだけと働く
拝金主義が蔓延している現在、ふと我に返ることのできる金言だと思う。