◆「財務アナリストの雑感」 2024◆

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山口市、NYタイムズ「世界で行くべき52か所」第3位選出に思う

2024-01-14 | 会計・株式・財務

いつもご覧下さり誠に有難うございます。
暗いニュースが続く中、昨年に続いて快挙と言っていいでしょう

まずは日経記事から。
・米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)は旅行先として「2024年に行くべき52カ所」を選定した。日本からはリストの3番目に山口市が選ばれた。同市の「西の京都」という呼称に触れ、「それ以上に興味深い」と評価した。
・「瀬戸内海と日本海に挟まれた人口19万人のコンパクトな山口市では様々な体験ができる」と紹介。国宝五重塔で有名な瑠璃光寺のほか、洞春寺境内の陶芸工房やしゃれた喫茶店、おでんや鍋料理を提供するカウンターだけの飲食店を魅力として挙げた。7月に開かれる山口祇園祭については「小規模だが、観光客でごった返す京都の祇園祭に引けを取らない」と指摘した。
・2023年は盛岡市が2番目に選ばれ、外国人観光客が増加して注目を浴びた。



昨年2番目に取り上げられた盛岡市は観光客が8倍になったようですね。オーバーツーリズムも多少緩和するでしょうし、他の地域も3匹目のどじょうを狙って、埋もれた観光資源の磨き上げにつとめることでしょう。
しかし私が外国人旅行客なら、山口には行かず、昨年2位の盛岡市に行きますね。山口は10倍くらい観光客が増えてしまいそうですし、盛岡なら前年の特需の反動で多少空いてくるでしょうから。

それはそれとして、このニュースを聴いて感じたのは、「機関投資家などバイサイドのアナリストはかくあるべきだな」ということです。
どういうことかと言いますと、私が昔、某アセットマネジメント会社で国内株式の(バイサイド)アナリストをしていた時、優秀な同僚から次のようなことを言われたからです。法規制の強化から経営者への取材規制は強まったと聞いており、下記①の部分は今ではNGかも知れませんが、後段の②に注目下さい。
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〇バイサイドアナリストとしての.経営者への接し方

①相手から重要な情報を引き出す為には、こちらが経営者にとって価値ある情報を提供できる状態になっているのが重要であるのではないか。ライバル企業の極秘の情報を流すのは信義則に悖るが、こちらから価値ある情報・提言を提供できれば、相応に評価してくれるというのが実感。やはり、取材とは言えギブ&テイクの部分が無ければ長期的な関係は築けないのでは無いか。

②但し、
アナリストはコンサルタントでは無いし、業界の事に関しては先方の方が詳しいのは当然だから余り偉そうな事を言うのはどうかと思う。
「観光客として、そこに住んでいる人が見逃しているかも知れない情報を提供する」スタンスが丁度良いと思う

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アクティビストの台頭に象徴されるように、海外投資家などから経営に口出しする輩が激増しております。投資スタンスはそれぞれで私がどうこう言う筋合いではないことは重々承知はしているものの、本当にその企業、業界に精通しているの?と首を傾げるケースも散見されます。
「観光客スタンス」は今見ても納得的であり、今回のニュースで言えば、NYタイムスがまさにその役回りを演じたということです。

日本株爆騰で浮かれムードが蔓延している現状ですが、それでもまだまだ埋もれている「山口市」のような銘柄はあるはずです。それを探すのも投資の醍醐味でしょう。


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