・・・・という記事が1日付けの日経金融新聞のスクランブル欄にありました。
国際会計基準の草案が日本の会計基準に適用されると、
連結決算では子会社株式の売却益の計上ができなくなると。
で、その会計基準の公開草案とは、
昨年6月に公表された「企業結合および連結財務諸表」に関するもの。
カンの鋭い方は、拙稿
2月16日 やはり株価分析では少数株主持分に注目!
-米国新会計基準公開草案の衝撃-
http://blog.goo.ne.jp/dancing-ufo/e/a7b2719865bba95e8efba133b1ebed71
3月3日 会計バトル 3.2頂上決戦
親会社説vs経済的単一体説、結果はいかに?
http://blog.goo.ne.jp/dancing-ufo/e/2cc61b6a95fdb6f8768908d9dd45494f
などを思いだされたかも。
これら拙稿でも触れたように、この公開草案では連結決算の考え方を
「親会社説」から「経済的単一体説」に変更しております。
で、経済的単一体説は、親会社の株主以外に、
子会社の少数株主も連結財務諸表の株主として含める。
このため、貸借対照表で少数株主持分は株主資本の一部となるってわけです。
で、この記事によると、子会社株式売却益にも影響すると。
すなわち、この説に立つと、親会社による子会社株式の売却というのは、
売却される子会社が連結範囲に留まる限り、株主間の資本取引と考えられる。
このため簿価と時価の差額は資本剰余金として処理され、
損益は発生しないことになる。
過去の拙稿でも触れましたが、この公開草案。
日本などから問題ありとして非難の嵐でして、実際に適用されるかは不透明。
でも仮にこれが採用されるとなれば、子会社上場が多く、
子会社株式売却益の計上が財務戦略上、重要なウエイトを占めている
日本企業に大きな影響を与えるかも知れませんね。
で、この新聞記事では少数株主持分が大きい企業の上位17社の
ランキングがありましたので、この中から株主資本に対するウエイトの高い会社を
ご参考までに掲げております。
もし経済的単一体説が採用されると、株主資本比率が増える企業と読み替えても
いいですね。
対象:少数株主持分 残高1,000億円以上の3月決算企業
企業名 株主資本に対する比率
ソフトバンク 41.7%
日立 41.3%
住友化学 31.2%
NTT 27.3%
アイシン精機 25.4%
NEC 22.6%
住友電工 19.5%
富士通 18.9%
松下 13.2%
三菱商事 11.3%
新日本石油 9.7%
日産自動車 9.3%
なんとなく住友系の会社が多いですね。
儲かっている連結子会社を多く抱えているってことですから、
いかにも財務の住友って感じがします。
それと、ソフトバンク。
ボーダフォン買収で多額の有利子負債が加わり財務バランスが
やや崩れているので、この会社はやっぱり、
経済的単一体説が適用されて名目の株主資本が増加することを
期待しているかも知れませんね。邪推ですけど。
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