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 ◆「財務アナリストの雑感」 2024◆

会計士兼アナリストによる屈指の歴史だけがウリの会計・財務・株式・金融ブログ。異常な経済金融環境を一刀両断!できるかな?

威張る「企業価値評価」

2016-02-01 | 会計・株式・財務

たまには、財務アナリスト的なことを書かないマズイと思い、週末はブックオフで買ったこの本を読んでおりました。

企業価値評価 ―eValによる財務分析と評価
ランドホルム/スローン
日本経済新聞出版社


企業価値評価に関する書籍は数多くの教科書が出ておりますが、この本では
・優れた予測財務諸表の作成に重点を置く、
・実際のデータをどのように入手し、分析するかに関して詳細かつ実践的な指針を提供する。
・企業価値評価技法を明らかにする。
という方針の下、eVALというexcelのスプレッドシートが用意されてておりまして、無料で誰でもこのファイルをダウンロードすることが可能となっております。太っ腹です。
もっとも、日本語版がなく、分析したい対象企業の財務データはハンドで入力しないといけません。でもこの本を手引きに実際に手を動かしてみると、計算式なども含めて最新の分析手法の考え方が理解できると思います。

<リンク先>
■eVal ホームページ

■eVal スプレッドシート

リンク先のexcelファイルにはこの本で分析対象とした百貨店コールズの実際のデータがセットされておりまして、複数のシートで多角的な分析をしているのですが、私が注目したのは「cashflow analysis」のシートの最下部(118行目以下)にある「Analysis of Earnings Quality」、つまり「利益の質」の分析ができるという点です。

ここでは修正後正味営業資産※の前年比の数値を「営業発生高」として測定しており、異常値の場合は網掛け表示されるというもの。因みに、ワールドコムのケースでは、合理性を欠く多額の営業発生高があり、これが会計上の歪みを示す痕跡であったとしております。

  ※修正後賞味営業資産(NOA)=総資産-現預金及び市場性のある有価証券-(負債総額-長・短期有利子負債)


もちろんこのスプレッドシートには将来予測値を入力して企業価値を計算することができますが、利益の質も検証できる点でなかなかの良い着眼点かと。



えっ?ところでなぜ表題に「威張る」って付けたかって?

もうおわかりですよね。ソフト名を見れば・・・・。


おあとがよろしいようで。

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