「初めての再会」

影劇　　「初めての再会」


　部屋の扉を開けると、すぐ目の前に金色の長い髪の毛を後ろで二つに分けた
　ツインテールで、丸い縁の眼鏡をかけた女性が一人立っていた。
　この城の騎士なのだろうか胸と肩に銀の十字架と
　その左右に白い翼をあしらったマークがついた鎧を着ている。
　その女性はロードを見るとニッコリと微笑み。

　　　　　「おはようございます。　ロード様…ですね？
　　　　　　　今日一日短い間ですが、皆様のお世話のさせて頂きます。
　　　　　　　アウルアイと言う者です。　以後お見知りおきを…」

　そう言い終ると女性は、ロードに向かって軽く会釈をする。
　ロードは女性の顔を見て、何処かで会った様な気がしたが、
　珍しいモノ…眼鏡にその気を盗られてしまい、慌てて朝の挨拶と自己紹介をした。

ロード　「あ…っと、おはようございます。　知っていると思いますけど
　　　　　　僕の名前はロード。　で、後ろでまだ寝ぼけている女の子がイーズ。
　　　　　　それを起こそうとしているのがワン兄ぃ、じゃなくてワンアイと言う人です。
　　　　　　ロード様って言うのはちょっと気恥ずかしいのでやめてもらえますか？」

アウル　「わかりました。　では、ロードさんとお呼び致しますね」

ロード　「はい、そうして下さい」

　ロードはそう言うと後ろを振り返った。　アウルも身体を少し横に傾け
　ロードの後ろの様子を探った。　そこにはベッドから身体を起こして
　半目をしながらまだ寝ぼけている女の子と全身真っ黒の服と緑色の眼帯をした男性がいた。
　女の子は横にいた男性にすぐに気づき。

イーズ　「ふぇ、あ、ワンアイ…おはようございます」

ワンアイ「うん、おはよう」

ロード　「いや、寝ぼけてないでさ。　そろそろ起きてよイーズ…」

イーズ　「あ、ロードもおはようございます。　……そちらの女性は？」

　まだ起きたばかりで眠いのかイーズは両目を半目にしながら言った。

ロード　「………おはよう。　こちらはアウルアイさん。
　　　　　　今日一日、僕達のお世話をしてくれる人」

アウル　「宜しくお願い致します。　（あら、あの方は確か…）」

　アウルはベッドの上にいるイーズとその横に立っているワンアイに向かって会釈をした。
　ワンアイの姿を見たアウルは会釈をした後に少しだけ、考えを自分の頭に巡らせた。

アウル　　（確か昨日の夜、お会いした時は”ゼロ”と名乗っていましたのに…
　　　　　　　きっとクリスマスの夜、ぎりぎりでプレゼントを買った事を知られたく
　　　　　　　なかったのでしょうね。　ここは一つ、助けて頂いたご恩もありますし
　　　　　　　秘密にしておきましょう。　それにしても、真夜中にあんなに必死になって
　　　　　　　プレゼントを探すなんて…）

ロード　「すみません、まだイーズが起きてないみたい、で…」

　ロードがアウルの方を向き直すと、アウルはなぜか一人で
　”うんうん”と頷きながら納得している様子だった。
　ロードが何の事なのだろうと考える間もなく、アウルと目が合い。

アウル　「ワンアイ様はとっても素敵な方なのですね」

　ニコッと会った時と同じ笑顔で、アウルはロードにそう言ったのである。

ロード　「…え？　（そ、それってまさかアウルアイさん、ワン兄ぃの事が？
　　　　　　た、確かに僕から見てもかっこいいから一目惚れってやつかな？）
　　　　　　えぇと、あ…」

アウル　「…あのいいんですか？　ロードさん。」

　言葉を先に盗られたロードは、アウルの目線の先を追う。
　ロードにもすぐにアウルが言いたい事が解った。

ロード　「…あ、すみません、イーズは僕達の妹なので、僕達は慣れてるんですけど……
　　　　　　本当にすみません。　少しの間だけ廊下で待ってて下さい！」

アウル　「はい、わかりました」

　アウルもロードの願いを聞き、少し疑問に思いながらも廊下に出て行った。

アウル　　（あら、男性の二人が部屋に残って、私が…？）

　だがその思考は、ロードの朝に聞くには大きな声によってかき消されたのであった。











あとがき
見てる人なら、ふつーにわかるだろー的な展開。　アウルアイ登場。
リースに似ている所は顔だけです。　髪型を変えて眼鏡をかければ気づきません！
い、いや、ロードさんは別にリースさんの事を何とも（？）思っていなかったしね。
ワンアイもイーズを起こしている最中（？）でアウルさんの顔見てないからね。
イーズはイーズでまだ半分夢の中だから！　だから気づかなかったんだよ！！

作中では書いてませんが、イーズが寝る時は基本、ラです。
シャドウゼロですからね。　いつもの鎧姿からパジャマなどに変えたりもしますが
寝ている間にでも生まれた時の名残で自然となくなるんでしょう。

他の二人？　ラです。