妹よ
今夜は雨が降っていて
おまえの木琴がきけない
おまえはいつも
大事に木琴を抱えて
学校へ通っていたね
暗い家の中でも
おまえは木琴と一緒に歌っていたね
そして よくこう言ったね
「早く町に 赤や青や黄色の電灯かつくといいな」
あんなにいやがっていた戦争が
おまえと木琴を焼いてしまった
妹よ
おまえが地上で木琴を鳴らさなくなり
星の中で鳴らし始めてから まもなく
町は明るくなったのだよ
私のほかに 誰も知らないけれど
妹よ
今夜は雨が降っていて
おまえの木琴がきけない
by 金井 直 「木琴」
中学校時代だろうか
この詩を学んだのは・・・・
今でも、この詩を読むと
胸が締めつけられる・・・・
けれど
この葉月に
思い出す詩である・・・・