最近モリカワの中で旬な野中先生とリクルート組織行動研究所の共著。
依然読んだ「最も賞賛すべき組織」みたいな本に近い。気付きも近いしね。
本書では日本で永続的に成長を続けている組織にフォーカスを当て、そこにある共通の「なにか」をあぶりだす。
そして当たり前だが会社は組織なので環境変化によってどう組織に変化を加えているか。
そしてその組織を構成する社員育成に自然と話しが集中している。
大事な能力は3つ。
■実行・変革力
■知の総出力
■ビジョン共有力
これをテーマにいろいろ掘り下げているのだが、正直耳が痛い。殆どの仕事が人事の仕事であり、マネージャーの仕事だから。
もちろん人事は決して主役じゃないけれど、組織を動かすにあたっては人事の存在は無視できない。
現場がもっていないさまざまな知識や手法をもちいて、人材育成のフレームワークを作り出さないといけない。
もちろん実際人を育成するのは現場のマネージャーだが、その仕組みを作り、ロールアウトし、検証し、改善する。
そのすべてに人事は絡まないといけないとモリカワは思っています。
よく成果主義の人事制度があかんとか、いや、終身雇用があかんとか言われますが、正直会社にマッチしていればどっちでもいいと思う。
問題なのはその制度を全員がその目的を理解し共有しているか?これがなければどんなにすばらしい制度も骨抜きになる。
だって100点満点の制度なんてないし、実際納得し働くことにこそ意味がある。
そこに人事もマネージャーもパワーを掛けないといけない。
評価のために評価しているのではない。育成のために評価がある。
こう考えることができているマネージャーは本当に少ない。
それと、印象的なのはやはり『長期的視野』と『ビジョン・理念の共有』
短期的にはPLに傷がついてでもしなければいけないことはしないといけない、とこの数年本当に痛感。
そして理念についても、要は行動規範になりうるものでなければ意味がない。
こういう行動がVALUEなのだ、の定義ができていればそれがそのまま評価制度に繋がって一体感が生まれる。
評価のためだけにものさしを作っても意味がないし、組織とって何がVALUABLEなのか?を突き詰めないといけない。
事例自体はすごく分かりやすいのでさくさく読めます。
併せて「世界でもっとも賞賛される人事」とか
http://blog.goo.ne.jp/curry_morimori/e/f04c291d8fff962d9d1998f759f58f70
金井先生の本など
http://blog.goo.ne.jp/curry_morimori/e/19a68a003c8587828d67f8ec4ca68368
も併せて読むと理解が深まると思います。