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『最高人事責任者が会社を変える』~金井壽宏~

2009年05月23日 21時05分02秒 | レビュー『人事制度』


CHOというあまり聞きなれない略称だが、いわゆる最高人事責任者(Chief Human Officer)のことである。CEOとかCOO、CIOの仲間だと思ってくれればいい。
ただ、金井先生はただの人事部長はこのCHOではないと本書で強調する。
何度も強調されている点。それは経営戦略を理解し、その戦略実現のために人事施策を繰り出す。時には人事の視点からCEOやCOOにアドバイスをし、経営の方向修正を行う。
同時に人事部門は「サーバントリーダー」であるべきだ、と。
サーバントということはそのホスピタリティを発揮する顧客がいるはずだが、人事にとっての顧客は「従業員」と「経営者」、そして社員の向こう側に存在する「顧客」である。

いままでの人事はどちらかというと管理畑だと見られている。
もちろん一部の人事部門(福利厚生とか採用・研修など)など表の人事部はサービス業だと言われるが、しかし管理っぽさもやはり残している。

企業が必死に生き残りをかけて変革しようとしているこの時期だからこそ、人事部の果たすべき役割は大きい。
それは戦略をサポートする立場として変革のリーダーにならなければいけない。
社員の力をいかに引き上げるか、そしていかに仕事の効率を上げるか。
それをラインに任せるのか、それとも人事部主導でやるのか。それは会社による。
本書の冒頭でHPの話が良く出てくる。
HPの創業者、パッカードさんは「社員が2000名を超えるまでは人事部は要らない」とし、本当に人事部なしで経営していた。
つまり評価や処遇を絡ませ、社員を育成するのはラインリーダーの役割であり、経営者に助言し、変革のリーダーになるのもラインのリーダーの役割だからこそ。
しかし、その代わりを人事がしようというのだから、前述の機能が求められるのは当然だろう。

金井先生のセミナーや本を読むととにかく戦略と変革のリーダー、と、サーバントリーダー、という2つの役割がとにかく強調されるが、モリカワもその点は同意してしまう。
プロフィットセンターになるためにはその2点は必要であり、また、必要性を認知してもらうためにもその2点にもっと必死になるべきだ。

御用聞き人事部長の時代は終わったのだ。


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