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花咲かブログ

おたく女ののんびり生活

嘘喰い第260話「驚倒の櫓」:ネタバレ感想

2011年11月13日 10時21分11秒 | 嘘喰い

ネタバレしてます





決定ボタンが押され、捨隈の入力は動かぬ事実に。
そんな捨隈が見据えるのは、モニタではなく、目の前に現れたヘリの中の斑目貘でしょうか……。

この時の捨隈の表情から読み取れるものは。
顔半分に陰影が現れているし、表情も神妙。警戒しているようにも思えます。が、彼は自分の勝利を疑ってはいないはず。むしろ、入力後、無防備になった自分がなんらかの危害を加えられることを警戒しているのでしょうか。
何しろ、たったいま味方である蘭子らを撃ち殺してますから。ほかに捨隈の味方の伏兵がいなかったとしたら、彼は丸腰同然です。


貘さんは口内カリ梅を食む視点で登場。
貘さんの視線の先には捨隈がいるはずなので、これは入力機の階にいる捨隈を「喰らった」イメージも意識されているのだろうか。それはちと行きすぎか。

そして見開きにて、貘様登場。
カリ梅も出ているし、扉とこの見開きの図は、とうとうの勝利宣言ですよ。
潰された左目も真っ赤な血の中から自己主張。おおおお、おそろしや……。
(前回の種明かしから、なんとなく雹吾の「8」がブラフかな、というのはなんとなく意識にありましたが。でも、貘さん逆転の秘密はまだわからないし)

ただ、扉では捨隈を勝利笑顔で強烈に挑発している貘さんですが、梶くんやカールさんと話すときの貘さんの顔は、まだまだ冷静に張り詰めている感が。お、怒っておられる……。ですよね……。

さて、ヘリは集英テレビの報道用航空車両なんすね。
キャスターはヘリの操縦もできないとダメなんだ。これは売れっ子のオッシーだからこそ身に着けていた技能、なのかな。いや、久々登場の弥鱈さんのサポートで飛んでいるのかしら。
てか、弥鱈さんの趣味のために、弥鱈さんが職権乱用(?)で航空管制を抑えようとしてくれているとしか。なるほど、このメンバーは、弥鱈さんの趣味で成立しているのですね。

タワーに行きたいと口に出したのは梶くんだろうけど、貘さんが大怪我して負けそうになって屈辱に震えていると情報を得た弥鱈さんが「見たい見たい」になって、梶くんにー「梶様、お手伝いしますー。緒島様もご心配なくー」と、重傷を押して出てきた~、のかな、と。弥鱈さんもタフだ。さすが『嘘喰い』のキャラだ! 面白い~。

そして貘さんの勝利宣言の根拠は、いつもの。いつもの……、「思い込みの罠」を諭すところから。おお、貘様、しびれます……。ですよねですよね!


さて、捨隈の策略種明かし。
「ドティではありえない数の選択は不可」
「しかし入力端末にはおいてその限りではない」

盲点!

なるほど。

捨隈の僅差必勝の謎や、「顔が見える」といった特殊能力と思われるものの中身も謎のまま。ですが、手段はともかく、捨隈の策と思考は概ね明らかになった模様です。

前回の分身して落下する捨隈さんのイメージ図の意味も明かされました。

私、なんとなく、鞍馬組の切り離しの意味も、「8」入力に含まれていたんじゃないかな、と今となっては考えてしまう。雹吾の入力権をダメにすることで、鞍馬組と密な人員の手足をもぐような意味で。雹吾の蘭子への執着やレオとの絆からすると、雹吾が鞍馬組及び蘭子を裏切ることはなさそうだし。捨隈と蘭子(あるいは鞍馬組)だったら、蘭子(及び鞍馬組)を選ぶことに躊躇がなさそうですものね、雹吾は。

しかし。

だとすると、「私の仲間はそういうやつ」という、かつての捨隈の熱いセリフはなんだったのか、誰を指していたのかと。ただの貘さんへの殊勝人アピール策だったのだろうか。

う~~~~ん。

沈着冷静を装い続けた捨隈さんが、前回「雹吾は死んだ」と聞かされたときの、一滴の額汗、は……。何か意味があるのだろうか。それとも、蘭子に対する「盟友の死を悼んでいる」フリに過ぎないのかな。


そんな逡巡の内に、貘さんの語りは急展開。
「(貘さんの珠の数は)6・7ではない」。

なんと!!

13は貘さんが捨隈に自分の珠数を「6あるいは7」と思い込ませるための策!

私は「13ハズレ」のときのリアクションがオスカー賞演技かなと想像しましたけど、むしろ13宣言から捨隈を脅迫する過程が迫真の演技。何の根拠もないし、死ぬわけないと確信しながら「お前は死んだ」て。こっちは完全な嘘。
それに対し、「13ハズレ」は、彼自身の「もしかしたら」という不安な心の後押しがあるから、こっちはむしろ心を解放すればいいだけの態度だし……。嘘と本音が混じってるのはこっちか。おおお、さすが貘様、いやむしろ迫先生! 


すみません……、私、ゲームの推理苦手なので、珠の数の読み合いトリックは雰囲気で読んでおるのですが……。
一方でこの、作中の展開の「何が演技」「何が本音」の構成の「読み」はかなり楽しみに読んでまして。先生見事に、素人の読みを覆して下さいました。そんな簡単に読める筋書きでは終わらせない、進ませない。ずっとずっと一歩も百歩も先だなー。

いやいや、読者のスケールをうんと上回った力量で、本当に読者冥利。ありがたい面白さ。
これは読者と作者の間にものすごい力量差がないとできないんじゃないかと思うのですよ。ただでさえ、読む側のほうが簡単だし、見通しも立てやすいから。


そして今度は捨隈様が最高のお顔に(弥鱈視点)。
人生有数のいい一日。今日は誰得て弥鱈様の一人勝ちな気もしてきましたですよ。






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