柴五郎の遺文を薦めたのは、櫻井よしこ氏だ。
新書本で、さして厚くはないのだが、読み終わるまで相当の時間を費やした。
何故かというと、少なくとも わたしが思っていたあの明治維新の裏に、本書の内容のような
一藩をあげての流罪にも等しい、史上まれにみる過酷な処罰事件があったことを
今日まで具体的に伝えられず隠されていたこと自体に強い衝撃を受けたからに他ならない。
幕末から維新にかけて権力者が交代し、 . . . 本文を読む
故宮の文化遺産は、柴五郎がいなければ残っていなかったといわれる。
柴五郎は北清事変(義和団の乱、1900年)で活躍し、国際社会で「日本に柴五郎あり」と評価された人物だ。
日清戦争に負けた中国は日本に台湾をとられる。
中国を弱いとみた外国は国を貸してくれと、次々に中国に入ってきては領土を借りるのであった。
そこに愛国の「義和団」という団体が立ち上がり、わがままな外国を追い出す運動が起こる。
義 . . . 本文を読む