名もなき旅の記録

名もなき日本人の名もなき旅の記録。ささやかでありがち、だけどかけがえのない日々の記録、になる予定。

1年3ヶ月

2007-03-06 20:01:14 | インド
予定通り現在地はアムリトサル。
今日の午前中に着くつもりで昨日リシケシを出たまでは良かったが、まさか午前1時に着いてしまうとは。
インド、最後まで油断できない。



はい、いよいよインドも最後でございます。
ラホールで知り合ったGくんとUさんの3人でワガボーダーを越えてこの町に着いたのが、2005年11月26日。
あの日を思い出さずにはいられない。


ワガのボーダーには、その数日前に同じくラホールで会ったMさんと一緒に国境セレモニーを見に来ていたので、特に目新しくもなかったのに、いざ国境を越えてインド側に入った途端、体が興奮でぶるぶる震えたのを覚えている。
あんなにはっきりと武者震いを感じたのは人生であの瞬間が一番かもしれない。

今思えばインドのことなんてこれっぽっちも知らなかったのに。
でも体は確かに何かを感じとっていた。
これからなんだかすごくおもしろいことが始まるという予感を強烈に感じた。

初めて手にするインドの紙幣にまで心を奪われた。
デーヴァナーガリー文字の美しさに感動した。
アムリトサルの巡礼宿では、柱にヒンディ語で書かれた注意書きにまで興奮して思わずカメラに収めた。
そして今日それがヒンディじゃなくてパンジャブ文字だということに気づいた。

デリーでは大勢のおもしろい旅行者と知り合えた。
毎晩明け方までバカ話で大笑いした。

デリーだけじゃない。プシュカルでもゴアでもコルカタでもプリーでもジャイプルでも、ついでにカトマンやダッカででも、多くの人に出会うことができた。自分の知らない世界がそこには無数にあった。

国境を共に越えたGくんとはその後いろいろな町で再会した。
彼と会う度に、インド入国時のあの武者震いを思い出した。






あの予感は本物だった。

そしてだからこそ今自分は出るべきなのだろう。

インドにあまりに長く居すぎた。
そのためすべてが普通になりつつある今、あのマジックですら特別に感じられなくなる前に、この国を出るべきだと思う。





あと多分ヨガが原因だと思うけど、ここ数日間世界が美しく見えて仕方がない。
麦の青さ、空の高さ、川の清らかさ、風の柔らかさ。
何を見ても心にぐっときやがる。


明日は朝から一日かけて、途中でチャイ休憩100回くらい入れながら、ゆっくりインドを出て行くことにしよう。




やばい、今から泣きそう。





最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
泣け! (極楽)
2007-03-07 08:02:27
濃い時間を過ごしたな、国一つ出るくらい、国境一つ越えるくらい何の変哲もない事やけど、過ごした時間の中身で確かにグッ!とくる所あるわな。これから全く違う環境やろけど、オマンにとってのインド滞在は心の財産として、今後の旅にも帰国後の生活にも確りとした柱の一つになってくれそうやな。心の底から「あーええ国、ええー人々やった」と感じるなら、思いっ切り泣いてええよ。しかしいざ終わってみたら、1年ちょっとも短かったな、で、次以降の予定ルートは?
Unknown (さか)
2007-03-08 19:48:37
インドには参りました。何がどう良かったのか、どこがそれだけ好きなのか、いまだにうまく言葉では説明できませんが、確実に心を捕らわれてしまいました。
もうあの国に戻ることはないのか、またすぐにでも帰ってくるのか、さっぱりわかりませんが、あの国で感じたすべてのことをこれからも大事にしたいですね。

1年ちょっとは短かったですか? ぼくも今思えばもうちょっといても良かったような。。もっとも最後の方は時々その長さに心底嫌気したときもありましたが。

今後の予定は、5月上旬のクンジュラブ峠開通を待って中国、中央アジア、イランと考えています。
が、トルクメニスタンが昨年末以来ビザ発給を停止しているようなので、それがまだまだ続くようであればこのままイランですね。

イラン。人生で2番目に行きたかった国。
早く行ってしまいたいような、もっと勿体つけたいような、そんな感じです。

コメントを投稿