今日はふつーに日記。
前々回の日記を更新した翌朝、イスタンブールを発った。
ハイダルパシャ駅からの列車の発車時刻は午前8時35分。
朝7時に宿を出れば楽勝の時間。
しかしいつもの如く寝坊する。
目が覚めたら7時18分。
ドミの他の旅行者にわざわざその醜態を見せることもなかろうと、悠然とパッキングし、宿をチェックアウト。
その時点で7時30分。目覚めてから出立までで、過去最速記録をこんなところではじき出す。
のんびりと朝のイスタンブール市街を歩くこともできず、ちょうど来たトラムに飛び乗る。
むしろ新しい旅立ちに感傷はいらない。散文的なくらいがちょうどいい。
そう自分に言い聞かせる。
エミノニュの港に着き、行き先を確認する余裕もないままフェリーへ。
幸い5分もしないうちに船は岸を離れた。
ここでようやく一息。
朝のマルマラ海はまだ寒く、乗客のトルコ人は皆船内のカフェでチャイをすすっている。
お陰でデッキを独り占め。
デッキは禁煙と表記されているが、例によって灰皿もたくさん並んでいる。これはトルコ流のジョークということにする。
タバコに火をつける。
頬にあたる風はかなり冷たい。
慌しかったイスタンブール滞在に想いを馳せる。
遠ざかるヨーロッパのほうから、カモメが飛んできた。
デッキと並走し、アジアへと向かう。
アジア側の陸地が近づいてきた。
丘陵の市街地を背に、海に向かって建つのはハイダルパシャ駅。
ややレトロで威圧的な外観。
かつてここからシリア・ヨルダンを抜けてメッカまでの直通列車が走っていたことは、ちょっとした豆知識だ。
ああ、いよいよ新たなるアジアの旅が始まる。
そしてありがちなことに、そんな高揚感を軽くあざ笑うかのようにフェリーはハイダルパシャ駅の前を通過していった。
その後必死になって駅にたどり着いたのが8時30分。
出立の気概も感傷もへったくれもなく、列車はすぐに出た。
エルズルムで降りてバスに乗り換え、ドゥバヤジットに着いたのは約46時間後。
久々にAさんとも再会した。
そしてイスタンブールからここまで直接バスで来れば21時間しかかからないことを教えられる。
まあいい。過去のことは忘れることにする。
ドゥバヤジット。トルコとイランの国境の町。
ここまで来ると、物価がイスタンブールの1.5から3分の1くらいにまで下がる。
町の人ものどかで、歩いているだけであちこちでチャイを振舞われたりする。
毎日停電も起きる。
ここはアジアだ。
なかなか居心地のいい町だったので、トルコでの疲れをここで癒し、しばらくできなかったメールの返信を大量に送る。
ずっと書きたかったカレーの日記も書けた。
あとはカッパドキアでの贅沢な日々を忘れないうちに書いておきたいところ。
この次はいよいよイラン。
ビザ取得三度目にしてようやくじっくり旅ができる。
さんざん焦らせやがって。
本当に楽しみ。
イランに入れば、この狂乱物価から解放されるとはいえ、今度はまたビザとの戦いが始まる。
行きたいところも本当に多い。
この数日、やっとゆっくり時間を取って、多くの友人の日記を読み、メールで近況を聞いた。
アフリカにいたはずなのに、いつの間にかクロアチアにいる人。
今度ドイツで働こうとしている人。
ラオスにいたはずなのに今オーストラリアで働いている人。
とっくに日本に帰ったと思いきや、旅を延長しようとしている人。
世界一周を終え、今新しく東京でヨガの講師を始めた人。
日本で自然農法の勉強を始めようとしている人。
金欠で毎日自炊を余儀なくされている人。
就職活動が始まった人。
鉤編みに最近はまっている人。
日本で再び働き出した人。
再び旅に出ようとしている人。
。
。
。
みんな動いている。
一つの所に留まらない。留まれない。
次へ。
もっと新しい場所へ。
もっとおもしろい場所へ。
もっともっと楽しいところへ。
もっともっと笑えるところへ。
近くても、遠くても、急いでも、ゆっくりでも。
前へ。
それでは、次はイランでお会いしましょう。
前々回の日記を更新した翌朝、イスタンブールを発った。
ハイダルパシャ駅からの列車の発車時刻は午前8時35分。
朝7時に宿を出れば楽勝の時間。
しかしいつもの如く寝坊する。
目が覚めたら7時18分。
ドミの他の旅行者にわざわざその醜態を見せることもなかろうと、悠然とパッキングし、宿をチェックアウト。
その時点で7時30分。目覚めてから出立までで、過去最速記録をこんなところではじき出す。
のんびりと朝のイスタンブール市街を歩くこともできず、ちょうど来たトラムに飛び乗る。
むしろ新しい旅立ちに感傷はいらない。散文的なくらいがちょうどいい。
そう自分に言い聞かせる。
エミノニュの港に着き、行き先を確認する余裕もないままフェリーへ。
幸い5分もしないうちに船は岸を離れた。
ここでようやく一息。
朝のマルマラ海はまだ寒く、乗客のトルコ人は皆船内のカフェでチャイをすすっている。
お陰でデッキを独り占め。
デッキは禁煙と表記されているが、例によって灰皿もたくさん並んでいる。これはトルコ流のジョークということにする。
タバコに火をつける。
頬にあたる風はかなり冷たい。
慌しかったイスタンブール滞在に想いを馳せる。
遠ざかるヨーロッパのほうから、カモメが飛んできた。
デッキと並走し、アジアへと向かう。
アジア側の陸地が近づいてきた。
丘陵の市街地を背に、海に向かって建つのはハイダルパシャ駅。
ややレトロで威圧的な外観。
かつてここからシリア・ヨルダンを抜けてメッカまでの直通列車が走っていたことは、ちょっとした豆知識だ。
ああ、いよいよ新たなるアジアの旅が始まる。
そしてありがちなことに、そんな高揚感を軽くあざ笑うかのようにフェリーはハイダルパシャ駅の前を通過していった。
その後必死になって駅にたどり着いたのが8時30分。
出立の気概も感傷もへったくれもなく、列車はすぐに出た。
エルズルムで降りてバスに乗り換え、ドゥバヤジットに着いたのは約46時間後。
久々にAさんとも再会した。
そしてイスタンブールからここまで直接バスで来れば21時間しかかからないことを教えられる。
まあいい。過去のことは忘れることにする。
ドゥバヤジット。トルコとイランの国境の町。
ここまで来ると、物価がイスタンブールの1.5から3分の1くらいにまで下がる。
町の人ものどかで、歩いているだけであちこちでチャイを振舞われたりする。
毎日停電も起きる。
ここはアジアだ。
なかなか居心地のいい町だったので、トルコでの疲れをここで癒し、しばらくできなかったメールの返信を大量に送る。
ずっと書きたかったカレーの日記も書けた。
あとはカッパドキアでの贅沢な日々を忘れないうちに書いておきたいところ。
この次はいよいよイラン。
ビザ取得三度目にしてようやくじっくり旅ができる。
さんざん焦らせやがって。
本当に楽しみ。
イランに入れば、この狂乱物価から解放されるとはいえ、今度はまたビザとの戦いが始まる。
行きたいところも本当に多い。
この数日、やっとゆっくり時間を取って、多くの友人の日記を読み、メールで近況を聞いた。
アフリカにいたはずなのに、いつの間にかクロアチアにいる人。
今度ドイツで働こうとしている人。
ラオスにいたはずなのに今オーストラリアで働いている人。
とっくに日本に帰ったと思いきや、旅を延長しようとしている人。
世界一周を終え、今新しく東京でヨガの講師を始めた人。
日本で自然農法の勉強を始めようとしている人。
金欠で毎日自炊を余儀なくされている人。
就職活動が始まった人。
鉤編みに最近はまっている人。
日本で再び働き出した人。
再び旅に出ようとしている人。
。
。
。
みんな動いている。
一つの所に留まらない。留まれない。
次へ。
もっと新しい場所へ。
もっとおもしろい場所へ。
もっともっと楽しいところへ。
もっともっと笑えるところへ。
近くても、遠くても、急いでも、ゆっくりでも。
前へ。
それでは、次はイランでお会いしましょう。