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ちっちゃなマンション管理業者のあれこれ

分譲マンションの管理業務の周辺で起こったり、思ったりしたことを取り留めもなく、あれこれつづってみます。

隣の住戸と戸境壁が貫通しているとの報告が

2017-11-14 10:43:05 | マンション管理
 古い話で10年ほど前に、私が担当していたマンションの11階のお部屋が売りに出され、オープンハウスを実施していた。役員の方が興味本位で見学していたところ、隣の住戸との戸境壁が大きく開口され、行き来できるようになっていたとの連絡を受けた。
 その住戸は、隣接している2住戸を同じ人が所有されていて、長い間居住されていたが、貫通して行き来できるようにいつからなっていたか全くわからなかった。
 事情を知る為に、外部に引っ越された所有者に連絡を取ろうとしたが、連絡が取れなかった。
 30年前にこの建物建築した建築会社に問合わせてみたが事情は分からなかった。
 どちらにしてもその部分は共用部分であり、構造上の強度の問題もあるかもしれないので埋め戻して復旧してもらわなければならないと思い、所有者に書面にて埋め戻し復旧の申し出をした。
 当物件は1年以上の長い間買い手が付かなかったようで、その理由は貫通しているが為に2住戸一括で売却するしかなかったからだと思われる。所有者も壁を埋め戻して本来の姿に戻し、2住戸別々に売却したいと思っていたようで、埋め戻しについては承諾してくれて、早速工事業者から工事申請が来た。
 その頃、少し前に構造計算偽造事件があり、建物の強度に敏感になっていたので、埋め戻し復旧の方法が問題となりそうだったので、改めて建築した会社に壁復旧の方法を指南して頂くように依頼した。建築会社の方ではもうすでに当マンションの図面が残ってないとのことだった。幸い当マンション管理室には図面があり、又現在その住戸は専有部分の工事中なので貫通部分も見て頂けること伝えた。翌日早速、現場を見て頂き、埋め戻し施工業者と打ち合わせして頂いた。
 続いて、施工中の状況を管理組合理事長、営繕担当理事、及び当件を申し出て頂いた組合員の方が、確認したいとのことで所有者に申し入れると、プライバシーがあるので、管理会社担当者以外は認めないとのことだった。
 現在、住戸内は空室であり、プライバシーに触れるようなものはないことと、役員による確認は組合指摘工事を実施していただいた事の証拠ともなるとのことで再度申し入れをして承諾をもらった。
 その後、工事が実施されて私を含む役員も立ち会いをし、無事工事が完了した。
 助言頂いた建築会社担当者には、組合に掛け合ってビール券を送らせて頂いた。
 管理会社担当者としては検討や交渉に十分に手間取った。本来なら組合が建築士等のコンサルを雇って交渉に当たるのだろうが、高額な費用が発生するだろう。又そのような専門家を雇った場合でも、連絡や交渉は管理会社担当者にやらされるのだろう。当事案に当って特に組合に費用を請求したわけではない。担当者としての技量アップへの挑戦と少しの有難うを期待してした事だ。
 このような案件は稀なことであろう。決められた仕事以外しない大手の管理会社と異なって当社の管理の仕事は割に合わない。管理の仕事は本来の仕事以外の事案の方が手間がかかる。みなさんが思っているほど簡単な仕事ではない。



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