ビクター・ニーダーホッファー

Victor Niederhoffer
ビクター・ニーダーホッファー

[ 2009年3月14日17時00分 ]

2009年03月15日 11時39分36秒 | Weblog
アイフル重大異変…野村“大損”必至も株大量売却の怪 (夕刊フジ)
 消費者金融大手、アイフル(京都市)の周辺で重大異変が起きている。同社は昨年2月、証券大手の野村グループに支援を求め、財務体質の強化を図ったが、その野村がアイフル株を大量売却するなど奇妙な動きをみせているのだ。「野村はアイフルから手を引きたがっているようにみえる」(市場関係者)との観測も浮上するなか、アイフルは健全性のアピールに躍起だが、投資家は固唾をのんで両社の動きを見守っている。

 アイフルは昨年2月、財務体質を強化するため「2010年満期A号乃至G号ユーロ円建取得条項付転換社債型新株予約権付社債」(転換社債)を700億円分発行。野村グループが全額引き受けた。


 野村グループが引き受けた背景について、大手銀行関係者は次のように指摘する。


 「当時の消費者金融業界は、今ほどは苦境に陥っていなかった。野村グループはこの転換社債をアイフルの普通株に転換したうえで他社に売却。業界再編を仕掛けて、利益を稼ぐつもりだったのだろう」


 ところがここにきて、野村グループが奇妙な動きをみせ始める。今年3月に入ると、先を急ぐかのように転換社債をアイフル株に転換しだしたのである。


 「この転換社債は10年2月になると、転換価額983円で自動的に普通株に転換されるようになっている。このため野村グループは現時点で普通株に転換しても、10年2月に転換しても得られる株数は同じ。にもかかわらず普通株への転換を急ぐのは、なんらかの重大な異変が起きているからとしか思えない」と証券関係者は語る。


【転換社債引き受け、支援のはずが…】 


 野村グループが提出した大量保有報告書などによると、野村グループは3月3日に転換社債244億円分を約2441万株、4日にも93億円分を約935万株の普通株に転換した。さらに、11日にも199億円分を1993万株の普通株に転換している。一連の普通株転換により増加したアイフル株は、発行済み株式数の24%に相当するというから驚きだ。


 実は、野村グループは昨年来、アイフルの支援に乗り出しながら、同社株を市場で大量売却するなど、これまた奇妙な動きをみせている。


 グループの中核会社、野村証券が提出した大量保有報告書をみると、野村証券は昨年2月29日に転換社債を引き受けて以降、同3月から8月まで毎月、アイフル株を100万-240万株程度、売り越している。そのあたりを市場関係者はこう解説する。


 「野村証券はアイフル創業者の福田吉孝社長などからアイフル株を合計4000万株借り受け、市場で売却してきた。これは株価水準をもとに修正される(転換社債の)普通株式への転換価額を引き下げ、転換時になるべく多くの普通株を手に入れられるようにするためだろう」


 野村証券は昨年9-10月になると、アイフル株を買い越しているが、これは「株価水準が転換価額の下限である983円を十分に下回ったため、野村証券がそれ以上の株価下落を嫌って、買い戻したようだ」(先の市場関係者)。


【野村は「手を引きたがっている」?】


 その野村証券が今度は昨年11月~今年2月にかけて、毎月85万-910万株を売り越し、市場でのアイフル株売却を加速させているのだ。驚いたことに、転換社債を引き受けた昨年2月以降、市場でのアイフル株の売り越しは合計約3000万株に達している。


 先の市場関係者は「野村グループが転換社債や普通株を他社に転売することを想定しているのなら、アイフルの企業価値を損なうような市場での売り越しはまず考えられない。野村グループはアイフルから手を引きたがっているようにみえる」と分析する。


 野村グループは現時点で、転換社債の分も含めアイフルの普通株を合計最大6800万株保有しているとみられる。アイフルの福田社長らから借りた約4000万株を返却しなければいけないものの、それでも2800万株ほどの売却可能なアイフル株を保有している可能性がある。


 アイフルの株価は12日の終値で81円。転換社債発行時の1875円とは比べようもない水準にある。金融危機以降、金融機関はどこも株価を下げているが、アイフルの場合、野村グループの一連の動きが株価下落の一因になっていることは間違いないだろう。


 そこでアイフルを直撃したところ、「(野村グループの)市場での株式の取引については認識していない」(広報部)との返答だった。


 上場企業が自社株の大きな動きを認識していないとは、にわかには信じがたいが、いずれにしろアイフル株は当面、下落圧力にさらされることになりそうだ。


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