好決算受け輸出に買い、ディフェンシブは民主マニフェスト効果薄く伸び悩み
09/07/30 14:26
2009年4―6月期の業績発表を受け、ホンダ <7267.T> や日産自動車 <7201.T> など業績の底打ち感が出ている自動車関連をはじめ輸出銘柄が上値を追う展開となっている。対照的に、食料品や小売などディフェンシブ銘柄の伸び悩みが目立つ。ディフェンシブはもともと業績変化率が小さいことに加え、民主党が政権公約として掲げる子ども手当てなどの政策インパクイトも実際には薄いとみられているからだ。
ホンダと日産自動車が29日発表した2009年4─6月期の連結業績は、コスト削減が想定以上に進んだことなどが奏功し、営業損益がそろって黒字転換した。ホンダの場合、4─6月期営業利益(米国会計基準)は251億円だった。事業環境が堅調だった前年同期からは88.0%の減益になったものの、2800億円の赤字を計上した1─3月期からは大きく回復した。
これを受け、30日の東京株式市場で、ホンダは8%超、日産は10%超の上昇となっている。東洋証券情報部長の大塚竜太氏は、「自動車大手決算はポジティブ・サプライズ」とし、足元での自動車メーカーや同部品株の上昇につながっていると指摘。また、東芝 <6502.T> も予想より赤字幅が縮小するなどハイテク株にも好決算期待が強まっているという。株式市場全体では出来高が少なく方向感が乏しい展開だが、海外勢が自動車関連銘柄に大きな買いを入れ、指数を支えているようだ。
大塚氏は「まだ決算発表の序盤だが市場予想を上回る決算が出始めており上値余地は広がっている。決算発表が一巡すれば現在様子見の国内外の機関投資家が動き始めると期待されよう」との見方を示す。ただ、大和住銀投信投資顧問チーフストラテジストの門司総一郎氏は、「決算を受けてニューマネーが流入しているのではなく、業種間、銘柄間での資金シフトにとどまっているのがわかる」と述べている。
伸び悩みが目立つのはディフェンシブ銘柄だ。医薬品や食料品、小売などは足元で軟調地合い。JR東日本 <9020.T> 、JR西日本 <9021.T> も弱含んでいる。不況による出張抑制や高速道路料金の休日割引制度などで、新幹線や在来線特急の乗客数低迷で4―6月期が減収減益となったほか、民主党が政権公約として掲げる「高速道路の原則無料化」も株価を押し下げているとの見方もある。
市場関係者の間では民主党のマニフェストは株価への効果が薄いとの指摘もある。日興コーディアル証券シニアエコノミストの河田剛氏は「国内経済の活性化に向け手を打っているのはわかるが、なかなか銘柄に結び付けられない」と述べている。実際、主要な政権公約の1つである「子ども手当て」に関連する銘柄とみられる西松屋チェーン <7545.T> 、ベネッセコーポレーション <9783.OS> などは軒並み軟調な地合いだ。
輸出関連銘柄については、為替レートの変動などにより業績変化率が大きいため、その分株価にも反映しやすいようだ。「日本は輸出依存という産業構造のため、やはり輸出企業の業績が回復しないと全体の株価指数も上昇しない」と河田氏は述べる。
09/07/30 14:26
2009年4―6月期の業績発表を受け、ホンダ <7267.T> や日産自動車 <7201.T> など業績の底打ち感が出ている自動車関連をはじめ輸出銘柄が上値を追う展開となっている。対照的に、食料品や小売などディフェンシブ銘柄の伸び悩みが目立つ。ディフェンシブはもともと業績変化率が小さいことに加え、民主党が政権公約として掲げる子ども手当てなどの政策インパクイトも実際には薄いとみられているからだ。
ホンダと日産自動車が29日発表した2009年4─6月期の連結業績は、コスト削減が想定以上に進んだことなどが奏功し、営業損益がそろって黒字転換した。ホンダの場合、4─6月期営業利益(米国会計基準)は251億円だった。事業環境が堅調だった前年同期からは88.0%の減益になったものの、2800億円の赤字を計上した1─3月期からは大きく回復した。
これを受け、30日の東京株式市場で、ホンダは8%超、日産は10%超の上昇となっている。東洋証券情報部長の大塚竜太氏は、「自動車大手決算はポジティブ・サプライズ」とし、足元での自動車メーカーや同部品株の上昇につながっていると指摘。また、東芝 <6502.T> も予想より赤字幅が縮小するなどハイテク株にも好決算期待が強まっているという。株式市場全体では出来高が少なく方向感が乏しい展開だが、海外勢が自動車関連銘柄に大きな買いを入れ、指数を支えているようだ。
大塚氏は「まだ決算発表の序盤だが市場予想を上回る決算が出始めており上値余地は広がっている。決算発表が一巡すれば現在様子見の国内外の機関投資家が動き始めると期待されよう」との見方を示す。ただ、大和住銀投信投資顧問チーフストラテジストの門司総一郎氏は、「決算を受けてニューマネーが流入しているのではなく、業種間、銘柄間での資金シフトにとどまっているのがわかる」と述べている。
伸び悩みが目立つのはディフェンシブ銘柄だ。医薬品や食料品、小売などは足元で軟調地合い。JR東日本 <9020.T> 、JR西日本 <9021.T> も弱含んでいる。不況による出張抑制や高速道路料金の休日割引制度などで、新幹線や在来線特急の乗客数低迷で4―6月期が減収減益となったほか、民主党が政権公約として掲げる「高速道路の原則無料化」も株価を押し下げているとの見方もある。
市場関係者の間では民主党のマニフェストは株価への効果が薄いとの指摘もある。日興コーディアル証券シニアエコノミストの河田剛氏は「国内経済の活性化に向け手を打っているのはわかるが、なかなか銘柄に結び付けられない」と述べている。実際、主要な政権公約の1つである「子ども手当て」に関連する銘柄とみられる西松屋チェーン <7545.T> 、ベネッセコーポレーション <9783.OS> などは軒並み軟調な地合いだ。
輸出関連銘柄については、為替レートの変動などにより業績変化率が大きいため、その分株価にも反映しやすいようだ。「日本は輸出依存という産業構造のため、やはり輸出企業の業績が回復しないと全体の株価指数も上昇しない」と河田氏は述べる。