なぜなんだ。
なぜ、
小さな虫というのは突然力尽きて、
落下してくるんだ。
さっきまで空中高く
ブーンだかふぁーとか
とりあえずそんな佇まいで
飛んでいたハズではないか。
いや、
今私の手元で大往生のポーズを
キメてるこヤツに至っては
もはや小さすぎてか細い奴で
むしろ実は幻かと思ってつい先ほど、
思わず二度見した奴ではないか
しっかり見ていたんだぞ。お前。
なぜ空中でいきなり力尽きるんだ。
なぜそこで寿命が尽きるんだ。
ちきしょう。羨ましいじゃないか。
燃え尽きたのか?華々しく散ったのか?
最後の最後まで飛ぶ虫であり続けたのか?
なんて生き様なんだ。
これが虫の生き様なのか。
ああ、さて。
秋ですね。
虫たちも大喜びではしゃぎ回っていますね。
先日。
地域行事に参加していた旦那さんから
そんな虫のお話を聞きました。
その日は一日中御嶽(うたき←地域のお祈りなどをする神聖な場所)で線香をあげ続ける役目を
仰せつかった旦那さんでしたが、
ふと視線を下に向けたとき、そこに
でっぷりと太ったバッタがいて
それはそれは奇妙な動きをしていたそうです。
なんというか、
踊っていたそうです。
お尻をプリプリと動かして
旦那さんを挑発していたそうです。
旦那さんはそれをふーんってな感じで
スルーしたそうですが、
その場にいた感受性豊かで
標準型の地域のマダムたちは
その姿になんらかの
メッセージを受けたらしく
「あなたは誰の生まれ変わりですか?」
「もしかして先月亡くなった◎◎さんか?」
とかキャッキャと話しかけていたそうな。
90過ぎで亡くなった◎◎さんが
お尻フリフリなんてシュールすぎる。
聞いた私はそう思いましたが、
地域のマダムたちに逆らっては
生きていけないと
第六感がピンピンに働きましたので、
旦那さんのお話にはへーそうなんだと
さも慎重に頷いてみせました。
そうして、そのバッタは
いつのまにか居なくなったそうですが
後日談として、
その日参加していた
あるマダムのバックに
引っ付いていたそうな。
きっと連れて帰って欲しかったのよー
ただ今その話が
地域マダムたちのちょっとした
トピックだそうです。
うん。
秋ですね。
直前までブンブン飛んでやるわ
そしてマダムたちの最近のトピックになってるバッタさん。和みまくり平和で憧れる!!
いいなぁ、そのマダムたちの輪の中にそっと小さくなって混ざりたい(笑)
言葉が分かるという前提でね
本当に素敵な所に住んでいるのね
私もいきなりぽっくりと逝きたいものです。