えいがのひ

映画の感想をつらつらと書いてます。

エラゴン 遺志を継ぐ者

2006-12-25 22:43:18 | 映画感想
映画『エラゴン 遺志を継ぐ者』

正統派ファンタジー、という感じ。
なので展開もどこかで見たような…という運びですが、なかなか楽しめました。
107分とわりと短めなんですが、定石どおりの運びのせいか思ったよりも内容が詰まっていて、すっきり観終わったという感じ。
ただ、ヒロインの解毒後の復帰の早さとか、直接ストーリーに関わるところじゃない部分をあまりに端折ってる気はしましたが…
ここら辺の流れは微妙に『指輪物語』をつぎはぎした感じ。
肝心のドラゴンとライダーの関係もアン・マキャフリーの『パーンの竜騎士』と妙に被ってるし…
まぁ作者のクリストファー・パオリーニ君が15歳の時に書いた小説ということではしょうがないのかな。
でも若いならもっと飛びぬけた新しい発想があってもいいとは思うんだけど。
あまりにもどこかで見たような設定に、ファンタジー定石通りな展開なもんだから、
知らないうちは児童文学用ファンタジーの古典作品かと思っていました。

まぁとにかく。
ドラゴンの立ち姿はとても美しかったです。
『ゲド戦記』とポージングは同じですが、あちらの単なるオブジェ的なものと違い、背景含めしっくりと嵌っていて、
引きの画の美しさにちょっと感激。
いかにも西洋ドラゴンの見本というべき立ち姿です。
ここはもっと長く観ていたかったなぁ。

このドラゴンが女の子ということにちょっとびっくり。
予告を見た時から男の子だとずっと思っていたから。
でもアップのちょっとした可愛らしそうな目つきは自分的にはあんまりかな。
ラストに出てきた敵王のドラゴンの顔つきの凶悪さの方が好きだなぁ。
やっぱりドラゴンは近寄り難い雰囲気でないと。

三部作の第一部とあって、主人公の青臭さや世界や登場人物の紹介的話でしたが、
まぁなかなか見飽きないし、素直に楽しめると思います。
個人的には第二部以降に期待としておきます。


しかし、巻き込まれ型主人公はファンタジーの定番ではありますが、自分でもあきれるくらいこのパターンに飽きない…
相変わらず分かりきっている展開にワクワクしてしまう。
このパターンを上手くストーリーに昇華させてくれるとすごく嬉しいんですよね。
ちょっと『エラゴン』はパターン過ぎて、どのシーンも予定調和っぽく感じてしまうんだけれど、最後に大化けしてくれることを祈ろう…
原作はなるべく読まない方向で、映画として楽しもうっと。
でも映画三部作が終わるまであと何年かかるんだろ?