えいがのひ

映画の感想をつらつらと書いてます。

さあ、あと1時間半

2006-12-31 22:33:22 | Weblog
1年終わってしまえばあっという間…

現在進行形で来年1月末近くまで、
個人的な映画黄金月間なので、
期間中、上映映画全てを制覇!
と、景気よくいきたいところなんだけど、
問題は上映時間までに仕事から帰れるかどうかなんだよなぁ。

普段見ないタイプの映画も観られるし、
それにそれがまたすごく気に入ることもあるしね。
是非とも映画三昧したいんですが。

あ。
あと映画感想ちゃんと書くことを年頭の目標としよう。
とかいいつつも、実は既に現在5本分溜めてしまっているんだけど…
正月休みに消化しようっと。

更に個人的な謝罪の件が。
年賀状…
今日出しました。
おまけに時間が時間で集配は明日午前11時…
駄目駄目すぎる。
かつてないほど遅くなってしまった。
どうやら勤勉さは一生のうちで容量が決まっているようだ。
自分の容量は既に使い果たしてしまったらしい…
それも今までで一番手抜な年賀状だし。ごめんよ~
ってここで言ってもしょうがないんだけど。
とりあえず現在、海より深く反省中。


エラゴン 遺志を継ぐ者

2006-12-25 22:43:18 | 映画感想
映画『エラゴン 遺志を継ぐ者』

正統派ファンタジー、という感じ。
なので展開もどこかで見たような…という運びですが、なかなか楽しめました。
107分とわりと短めなんですが、定石どおりの運びのせいか思ったよりも内容が詰まっていて、すっきり観終わったという感じ。
ただ、ヒロインの解毒後の復帰の早さとか、直接ストーリーに関わるところじゃない部分をあまりに端折ってる気はしましたが…
ここら辺の流れは微妙に『指輪物語』をつぎはぎした感じ。
肝心のドラゴンとライダーの関係もアン・マキャフリーの『パーンの竜騎士』と妙に被ってるし…
まぁ作者のクリストファー・パオリーニ君が15歳の時に書いた小説ということではしょうがないのかな。
でも若いならもっと飛びぬけた新しい発想があってもいいとは思うんだけど。
あまりにもどこかで見たような設定に、ファンタジー定石通りな展開なもんだから、
知らないうちは児童文学用ファンタジーの古典作品かと思っていました。

まぁとにかく。
ドラゴンの立ち姿はとても美しかったです。
『ゲド戦記』とポージングは同じですが、あちらの単なるオブジェ的なものと違い、背景含めしっくりと嵌っていて、
引きの画の美しさにちょっと感激。
いかにも西洋ドラゴンの見本というべき立ち姿です。
ここはもっと長く観ていたかったなぁ。

このドラゴンが女の子ということにちょっとびっくり。
予告を見た時から男の子だとずっと思っていたから。
でもアップのちょっとした可愛らしそうな目つきは自分的にはあんまりかな。
ラストに出てきた敵王のドラゴンの顔つきの凶悪さの方が好きだなぁ。
やっぱりドラゴンは近寄り難い雰囲気でないと。

三部作の第一部とあって、主人公の青臭さや世界や登場人物の紹介的話でしたが、
まぁなかなか見飽きないし、素直に楽しめると思います。
個人的には第二部以降に期待としておきます。


しかし、巻き込まれ型主人公はファンタジーの定番ではありますが、自分でもあきれるくらいこのパターンに飽きない…
相変わらず分かりきっている展開にワクワクしてしまう。
このパターンを上手くストーリーに昇華させてくれるとすごく嬉しいんですよね。
ちょっと『エラゴン』はパターン過ぎて、どのシーンも予定調和っぽく感じてしまうんだけれど、最後に大化けしてくれることを祈ろう…
原作はなるべく読まない方向で、映画として楽しもうっと。
でも映画三部作が終わるまであと何年かかるんだろ?

王の男

2006-12-17 21:41:13 | 映画感想
映画『王の男』

イ・ジュンイク監督。韓国映画。

予告を観たときにかなり色物風の話かなと思ったのですが、本編はそんな感じでもなくすんなりと観られました。
強い力を持つ立場の者が無能ということは、それだけで罪なんだ、と個人的には断言したいくらいなのですが、この王のあまりのいたいけなまでの無邪気さにちょっとほだされたりして…
それなりに嫌な奴も沢山いるんだけれど、底には愛情が流れているようでどうにも憎めない感じ。
特に寵姫はそれを感じますね。
己の地位の固持するためではなく、王の事を思うあまりっていうのが最後のシーンでも表れてたし。
王の喜ぶ顔を眺め共に喜び、逃げようとしない姿勢にちょっとほろりときたかも。やってることは酷かったけど。
ただ実際の王、朝鮮王朝第10代ヨンサングン(燕山君・1494~1506年)はかなり酷い王だったらしいです。
映画の原作は「爾」という舞台劇だそうですが、映画では主演達含め、王のキャラクターも人間味豊かに演出されているのでは。

ラストシーンの止め絵状態も良かったです。
終わってから、あれどうなるわけ?みたいな事を言っていた人が多かったけど、そもそも道を誤らせた張本人とか思われてるから、どうみても悲劇しか読み取れない。
でも、あそこで終わったからこそ情緒的余韻を残せたんじゃないかな。
もしかしたらこの後もなんとか2人で…のような未来の余地も誰かには感じさせることが出来たと思うし…
まぁ自分には悲劇しか考え付きませんが。
しかしこの主演2人のことは何故か薄い…何故だろう?
いい友人(ここはあくまでも友情を押します。その方が話が生きるし)、親友関係で、全てがこの2人を中心に動いているんだけれど。
チャンセン役のカム・ウソンは粗野ながらも大胆さと信義の厚さとかをいい演技でみせていたし、美貌の青年コンギルのイ・ジュンギはさすがに綺麗な顔をしてるし…
でも狂王ヨンサングン(チョン・ジニョン)や寵妃ノクス(カン・ソンヨン)の方が琴線に触れるらしい…
少なくとも映画中の王は全く子供なんだな。感情表現とか行動とか全てが。
粗暴さや突発的な怒りに嫌悪しつつも、どうもそこに憐れさを感じてしまって、蔑むことも憎むことも出来ない感じ。
腹黒そうな側近も、絶対裏があるって思ってたのに、最終的には忠義に厚いいい人だったのか、で終わってしまったし。

あ、劇中のお触れ等で出てくる文字がハングルなのにちょっと疑問に思ったんですが、
「1446年に李氏朝鮮第四代国王である世宗が『訓民正音』の名で公布した」
とのことなので、時代的におかしいことはなかったんですね。
ちょっと勘違いしてました。
いえ、ハングルってもっと時代的に新しい言語かと思っていたので。

なんかこの映画のBGMがドラクエのゲーム音楽を思い出させる…
それもスーファミ時代の。ちょっとしたノストラジー含めワクワクできました。
でも副題の「それより奥は見てはならない」ってあまり話と合っていないような…
予告編も含めて、てっきり後宮的色物系かと思ってしまった。
そちらの雰囲気で敬遠してる方がいましたら、その心配は杞憂ですので安心してご鑑賞ください。






おまけの予告編。
『ハリーポッターと不死鳥の騎士団』
2007年7月公開ですが、早速予告編が始まりました。
最近新作早いなぁと思う。でもそうしないと役者が年齢的に無理が出てくることも確か。
特にハリー役のダニエル・ラドクリフ君は来年18歳とあって、かなり成長しています。
前々作から観るたびに大人になっていくなぁと思ってたんだけど、今回は更に男っぽくなってるし。
でも今更、役者を変えるにはイメージが定着してるし…
挙句に原作はまだまだ完結してないし…
どちらを向いても厳しいところです。

007 カジノ・ロワイヤル

2006-12-10 23:14:46 | 映画感想
映画『007 カジノ・ロワイヤル』

マーティン・キャンベル監督。007シリーズ21作目。
新ボンドとしてダニエル・クレイグ。ボンドガールはエヴァ・グリーン。

007シリーズですが、初めて映画で観ました。
理由は新ボンドがわりと好みだったから。
今までのボンドって優男っぽいというか、もっと酷薄そうなキャラクターがスパイにはいいのに…とか思ってたんで。
それに出てくる女なら敵味方関係なく気持ちもなく手を出してるってのがうんざりだったし。
それが007シリーズのオシャレ(?)な売りになってるから尚更ね。

で。結果は…
うん、結構好きですね、このボンド。
但し、やってることは若くてやんちゃ、どころではなく、ものすごく無茶苦茶だけど。
大体、マダガスカルで大使館爆破してその様子をカメラに撮られて全世界のニュースに流されるって…どこのスパイだ~
ちょっと爆笑モノ過ぎるよコレ。
青臭いボンドは面白いし、あまりにも考えなしな過激さになんか笑える。
スパイのくせに命令なしで勝手に動いてるし。
タイトルのカジノでのゲームも、敵の癖は読めた、絶対勝てる、なんて偉そうなこと言ってるけど、本当にお前に任せて大丈夫なのか??と不審の苦笑が。

007シリーズの映画の楽しみ方としては、かなり間違ってるような気もするけど…
往年の007シリーズファンからは多分…というか、大方評価が悪くても不思議じゃないな。
自分はこの滅茶苦茶さが気に入ったけれど。
まぁラストは、筋的にもボンドガール的にも、今までのパターンを外れることはなかったのが残念だったけどね。

そうそう、最初の方のマダガスカルでの追跡劇。
テロリスト、モロカ役の男性の身体能力の素晴らしさにため息…
ボンドがただの引き立て役になるほど、華麗な動きでした。
一見大柄でもっさりしてそうなのにあの動く姿の美しさには呆然としてしまいます。
駆ける飛ぶ這い上がる、全てのシルエットが美しい。
彼と比べると、ボンドの動きがただの力任せですごく無骨に見えてしまうくらい。うーん…彼の動き、もう一度堪能したいなぁ。
えっと、役者はセバスチャン・フォーカンさんね。
「友人デビッド・ベルと共にエクストリーム・スポーツとして知られるようになったバルクールを考案」
「バルクール(フリーランニング):移動における究極を目指すスポーツで、速く美しく移動する事が基本となる。道具は一切使用せず、必要なのは己の体のみ」
なるほど。
美しい動きなわけだ。ちなみに俳優デビューはこの作品。
うーん…バルクールかぁ。彼の動作をもっと見て見たいなぁ。
ホント惚れ惚れします。
このシーンが、主人公そっちのけで映画中もっともエキサイトした部分だったりして。
一番の見所でお薦めです…っていうまでもなく、誰でも目を奪われること間違いナシです。

そういえば、007シリーズの時間軸的には一番最初の話に相当する今回。
でもやっぱり設定はバリバリ現代。
そりゃ昔の時代背景にしちゃったら、ハイテク的にも国関係にしても、現代では成立しなくなってしまうからしょうがないんだけど。
どんなストーリーにしようとも、公開時現在の時代背景。
永遠に続けられるシリーズだなぁ。
MI6自体もかなり昔に変ってるけど、さすがにこれは現代版としては変更できないな、根本的なものだけに…

ついでに007シリーズのオープニングはいつもあんな風だけど、このボンドにはあんまり似合わないと思う。
もっと素っ気なくシンプルなほうがいい。
この映画では荒っぽさ無骨さはあっても、おしゃれ感はないから、結果的に妙に浮いちゃってるような。
最後にボンドスタイルになるのもどっか浮いてるし。
悪いけど彼はもっと崩したラフな格好が似合うと思う。
って、ボンドシリーズ的には駄目じゃん。