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「北極海」資源バトル過熱 カナダが軍事施設建設

2007-08-13 00:34:37 | 検証用(表面ノ夢検証資料)
露を追え「北極海」資源バトル過熱 カナダが軍事施設建設

8月12日20時57分配信 産経新聞

 北極海に眠る豊富な資源をめぐって、各国の争奪戦が加熱している。ロシアが今月初めに海底調査隊を派遣したのに続き、カナダは10日、北極海域に新たに2カ所の軍事施設を建設すると発表した。米国も調査船を派遣、デンマークも12日、調査チームを送る予定だ。地球温暖化で氷が縮小していることや、資源開発の権利を主張するための国連機関への資料提出期限が迫っていることなどが争奪戦に拍車をかけているとみられる。(杉浦美香)
 AP通信などによると、カナダ軍は北部ヌナブット準州に属するコーンウォリス島に100人規模の軍事訓練センターを、同準州バフィン島には官民共用の港湾施設を建設する。
 3日間にわたり北部を視察していたハーパー首相は最終日の10日、コーンウォリス島を訪れた際、この建設計画を明らかにした。記者団に「北極の主権を守るもっとも大事な原則は『利用しろ、さもなければ失う』ということだ。これで、北極海でのカナダの存在を示すことになった」と述べた。
 北極海のロモノソフ海嶺とその周辺はシベリア沿岸から続く大陸棚で、資源の開発権があると主張するロシアの海底調査隊は今月2日、北極点直下の海底に到達、チタン製のロシアの国旗を打ち込んだ。この行為自体で開発権が認められるわけではないが、ロシアは調査で大陸棚と認められるだけのデータが集まったとしている。
 北極には、各国の領有権の主張を凍結している南極条約のような取り決めがなく、資源の利用開発は国連海洋法条約のもとで行われ、沿岸から200カイリの排他的経済水域(EEZ)の外でも、国連大陸棚限界委員会(CLCS)に海底が陸地からの延長である「大陸棚」と認められれば開発権が与えられる。ロシアはCLCSに大陸棚の拡張を申請しており、データの提出期限が2009年に迫っている。
 ロモノソフ海嶺については、カナダやデンマークも自国の大陸棚であると主張している。ロシアの調査に対抗する形で、デンマークは12日、40人の科学者らで作るチームを送り込み、同海嶺の海底地図を作製する。米国も今月10日、沿岸警備隊の砕氷船を探査のため派遣した。探査チームの科学者は「政治的意図はない」としているが、ロシアのメディアは米国が資源競争に参加しようとしていると報じているという。
 北極海の資源争いでは05年、当時のカナダの国防相がカナダ・エルズミア島とグリーンランド(デンマーク領)の間にあるハンズ島にカナダの国旗を立て、デンマークとの関係が悪化したことがある。
 北極海には地球の未発見資源の4分の1があると推定されている。米航空宇宙局(NASA)は北極海を覆う氷が1978年以来の観測史上最小を記録したと報告しており、地球温暖化も“資源争奪戦”の背景にある。


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