2010年12月16日24:00~ WOWOW
大して観る気もなしに観始めたら最後まで観ちゃった作品。
とにかく主役のペ・ドゥナが本当に人形なんじゃないかと思えるほど人形に徹していることが最大の勝因。
たどたどしい(とも思えないけれど)日本語も言葉をしゃべり始めた人形ならではだし
圧巻なのは空気を注入してもらって脹らむ演技。満タンになって抱きつく仕草がカワイイ。
人間の言葉のひとつひとつをきちんと頭に刻んで、何気ない行動や言葉がすべて後のシーンに絡んでくる脚本の出来の良さ。
人形から人間に変化したときに目にした窓辺の物干し竿の雫も
後半に自分のルーツである人形工場で目にする「本当のルーツ」に繋がる。
人形は燃えないゴミで、人間は燃えるゴミとの言葉どおりに彼を生ゴミとして捨てる。
鬱陶しいほど登場人物の行動には意味があって、やっぱり是枝監督の作品なんだと思わざるを得ない。
窓辺のオールヌードの後ろ姿は代役ではなくペ・ドゥナ本人が演じたのだろうか。
あの裸体は芸術作品としか思えないほど美しい。一見の価値有り。