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人生は1度きり後悔しているヒマはない ?

忘れたいことも 忘れたくないことも 忘れないように

空気人形

2010-12-18 | 映画館以外(TV・DVD等)

2010年12月16日24:00~ WOWOW

大して観る気もなしに観始めたら最後まで観ちゃった作品。

とにかく主役のペ・ドゥナが本当に人形なんじゃないかと思えるほど人形に徹していることが最大の勝因。

たどたどしい(とも思えないけれど)日本語も言葉をしゃべり始めた人形ならではだし

圧巻なのは空気を注入してもらって脹らむ演技。満タンになって抱きつく仕草がカワイイ。

人間の言葉のひとつひとつをきちんと頭に刻んで、何気ない行動や言葉がすべて後のシーンに絡んでくる脚本の出来の良さ。

人形から人間に変化したときに目にした窓辺の物干し竿の雫も

後半に自分のルーツである人形工場で目にする「本当のルーツ」に繋がる。

人形は燃えないゴミで、人間は燃えるゴミとの言葉どおりに彼を生ゴミとして捨てる。

鬱陶しいほど登場人物の行動には意味があって、やっぱり是枝監督の作品なんだと思わざるを得ない。

窓辺のオールヌードの後ろ姿は代役ではなくペ・ドゥナ本人が演じたのだろうか。

あの裸体は芸術作品としか思えないほど美しい。一見の価値有り。

 

 

 

 


ボーンシリーズ

2010-11-12 | 映画館以外(TV・DVD等)

The Cinemaでマットデイモン演ずるジェイソンボーンの3作を立て続けに放送中。

これ、もんのすごく面白い映画じゃないか!

なぜリアルタイムに映画館で見なかったのか不思議。

2200からWOWOWでイングロリアス・バスターズ見るつもりだったのにチャンネル代えられない・・・

 

 


チェンジリング

2010-03-11 | 映画館以外(TV・DVD等)

 

30分遅れでたまたまチャンネルが合った。

予てより観たいと思っていたので30分のロスが悔やまれる。

イーストウッドの監督作品を鑑賞するのはミリンオンダラーベイビーに続いて2作目。

本作品も結局のところ救いが無かった。そんなラストなのにアンジェリーナの最後のセリフが「Hope」とは!

結局1日のうちに3回観直したノーカントリーもわけわからず。図書館で原作本を借りることにした。(インターネット予約済み)

次に目にする映画はハッピーエンドであって欲しいものである。

 

 

 


ノーカントリー

2010-03-10 | 映画館以外(TV・DVD等)

録画しておいたこれを観た。

映画館で観なくて本当に良かったと思う。
周りに迷惑を掛けるくらいヒャッヒャと声が出ていたに決まっているから。

さて、内容だが
ラストはトミーリージョーンズの語る夢を含めて全てが夢だった
という着地点だろうと思っていたのだがそうではないようだ。

こんな風に着地点が見いだせない映画がアカデミー作品賞を獲ったなんて
にわかには信じられない。見いだせない私がバカなんだろうか。

ファーゴといい、バーンアフターリーディングといい、コーエン兄弟の作る映画は
血みどろになっても口角があがってしまう瞬間がある。
が、このノーカントリーにはそれがない。それが信じられない。

いい悪いはそこら辺に放り投げておいて、もう一度見直したくなる映画なんである。
ええ、今からもう一度観るつもりです。

 

 

 


マトリックス・リローデッド

2006-04-16 | 映画館以外(TV・DVD等)

「失楽園の向こう側」の第一章「“赤い薬”を飲むと」は難解である映画マトリックスがとても解りやすく説明されている。いつものことながらここでも思いっきり橋本治の考察力と文章力に敬意を表してしまう。私は1度観ただけではマトリックスの意味するところが到底理解できず、単にアクションものなの?でもなんだかとっても引っかかる、と消化不良になって機会があるごとに観て、そしてようやく橋本治が書いていた80%くらいのことを理解していたつもりだ。私が出した答えは究極のラブストーリーであり、愛は地球(=人類)を救うってことだったのだけれど、橋本治の文章に照らせばそれはとても陳腐な感想でしかない。そして、今夜第2作目であるマトリックスリローデッドを放送していてもちろん観た。それに先駆けて昨深夜マトリックスリビジデッドをやっていてこんなメイキングが作られていたのも知らず寝ながら初めて観た。純粋にカンドーした。あのキアヌのアクションがなんという努力の末に手にしたものだったか!感動を通り越して、今HMVで三部作とこのメイキングを全部買っちゃおうとカートの中に入れてきた。折しも4月14日に期間限定盤が発売になったようで、2枚買うと20%オフのおまけつき!キルビルは好きだけれど、哲学がないからその場楽しいだけでOK。TVでやっていても録画さえしない。だって観直すはずがないから。映画に哲学を求めはしないけれどマトリックスはいつもいつも新しい何かを感じさせてくれて、この壮大なストーリーを考え出したこの兄弟はやっぱりすごいと思う。バウンドのときからすごい!と思っていたけれど、あれとは全く違った枠組みの中で作られたマトリックスの構想はとんでもなく宇宙的で、ある意味恐ろしくて、どんな世の中になってもコンピューターに支配された世界に住みたくはない、という私は青派だ。キアヌが赤を飲まなきゃそこで映画はTHE ENDだから青の選択はキアヌには最初から許されていないけれど、一般ピーポーの私は今を生きるのが精一杯で冒険はできないし、抱えていることが重すぎてこれ以上ヘヴィになることは避けたくてできることならやっかいなことは目をつぶっている間に通り過ぎていって欲しいと願うばかりの毎日だから私は赤を飲みたいところを100歩譲って神聖な気持ちで青をあおることにする。終わりがあるから我慢できるけれど(いや我慢には限界がある)、その終わりの予想のつかない悲しい時間をコマ送りに進んでいく私の毎日に明るい未来はない。なんのこっちゃ、こっちの話だ。もし赤を飲んで改善されたり夢を見られるのならば一瞬“飲んじゃおっかな”って迷いそうだけど、うまい話にロクなことはないはずでダマされないで青を飲みますって言って、虚構の世界でアップアップするはず。はぁはぁはぁ御託を並べたらワケわかんない文章になっちゃった。話を変えて、パルプフィクションはあまりに面白いっ!と私が映画館で1度以上観た数少ない作品だけれど、このマトリックスは映画館を出るといつも頭の中が???でいっぱいになっちゃって何とも不思議な後味の映画だった。しかしながら観るたびに違ういい味が出てきて、自分の理解度もUPされてフン詰まりが解消されてすっきりする。そして今夜のマトリックスリローテッドのラストは世にも美しいキスシーンがある。あのキス、本当にとろけそうで、そんなとろけちゃいそうなキスができるキアヌはなぜ結婚しないのだろう、やっぱりゲイなのだろうか。そしてモニカ・ベルッチの2つの“お椀”が白いお洋服から飛び出しちゃいそうでいつもヒヤヒヤする。3作目ではそのお椀がさらに一回り大きくなっているように思うのは気のせいだろうか。

[写真のキアヌ、美しい横顔]

ただ今130位
誰もクリックしてくれない日が続く
。これが現実か?いや、これこそが仮想空間なのだ!


ミリオンダラー・ベイビー

2006-03-06 | 映画館以外(TV・DVD等)

[Million Dollar Baby/2004米国] WOWOWメガヒット劇場 March 5 20:00-22:15
第77回(2005年)アカデミー賞4部門受賞(作品賞・監督賞・主演女優賞・助演男優賞)

まさかこういうストーリーだとは思わなかった。ボクサーを目指す女を、ダーティーハリーがしごきまくって、そばで見守るモーガン・フリーマンが助け船を出し、最後に女がチャンピオンになるという物語だと思い込んでいた。

WBCとかいう野球の日韓戦があるということで、20時まではチャンネル権はお譲りし、19:59からはPCで、しかもイヤホン着用でご覧いただくことにして、私はひとり29型のTVで鑑賞した。最初からそのテンポが良く、登場人物の少ないストーリーにグイグイ引き込まれていった。

ヒラリー・スワンク扮するマギーがどんどん勝ち進んでいくところまでに私が思っていたことは「強い女になりたい!!」ということであった。31歳で4年ボクシングを続けてなんとかっていうボンボンをまともに打つことさえできもしないのに、夢を諦めない女。それは田舎で刑務所入りしている弟を待ちながら、乳飲み子を抱えたその嫁とビンボー暮らしをする母に少しでも裕福な暮らしをさせたいから。それなのに、賞金を貯めて買った家に母を案内しても感謝させるどころか心を踏みにじられるマギー。この帰り道、ガソリンスタンドでダーティーハリーがマギーが乗ったままの車に放水する場面があったのだが、そこでマギーは座席から隣りでガソリンを入れている車の中で犬をなでている少女に笑顔を見せるのだ。そんな何でもないようなシーンで泣いてしまう。「強くて優しい女」が脆い笑顔を見せる時、胸が締め付けられた。自分がマギーになってしまったのだ。この時のヒラリー・スワンクの笑顔は、その後の泣かない人はいないのではないかと思える半身不随になったあとのストーリーの悲しみよりも私は悲しかったし、忘れられない場面である。

母と娘の関係は千差万別で、本当に語り尽くすことができないほどいろんな関係があろう。私だっていろいろある。そしてマギーに共感できることが沢山あるのだ。だったら、私もあんな風に強くて優しい女になれるのだろうか。いや、なれない。私には世界で一番尊敬できて、優しくて、私を守ってくれる人がいるから、その人が自分より先に逝くなんてことは考えたくもなくて、でも日本では女性の方が男性より8年くらいは長生きする(んだったろうか?)から、私よりも年上のその人は厚生労働省が発表する統計からすると絶対に私より早く逝くはずで、だから私は少しでも寿命が縮まればいいとヘビースモーカーになってやる、なんていう罰当たりなこともできないから、絶対に私の方を早く逝かせてくださいと毎年の初詣時に神様に願うという手しか考えられない気持ちが小さいクルミ脳の女である。ってことは何を言いたいかっていうと弱虫なのだ。自分の舌を噛みきってまで自己清算しようなんてことも絶対にできないし、打たれても打たれてもへこたれない強靱な精神など米粒1つほども持っていない。

最後に注射を鞄に詰めるシーンは、光と影の画家・レンブランドの絵画みたいな撮り方で、クリント・イーストウッド監督ってすごい、って思った。そしてC・イーストウッドのしわ加減がリック・スプリングフィールドのなれの果てって感じで(っていいかたはネガティブに聞こえるかも知れないが、ここはポジティブな意味で。この横顔なんか、どうだろう、リックーって言ってしまいそうなほど似ている)、これまた胸にしみた。そして、フランキーみたいなリック(リックみたいなフランキーか?)だったら、たとえ加齢臭がしても、ひと晩くらいだったらアレしてもいいかも、なんて思ったりもしたのだった。

昨晩たまたまチャンネルが合ってしまった「Do The Right Thing」でいつも決まって泣いてしまうラジオ・ラヒームが警官に窒息死させられてしまう場面でやっぱり泣いてしまい「これが今週の映画泣きか」と思ったが違った。今週のそれは初観のミリオンダラー・ベイビーであった。

と、また脇道に逸れてしまった。とにかく、初めてダーティーハリーが撮った映画を観たし、アカデミー賞を獲った作品うんぬんでなくとも、これだけ心に残る映画だったし再放送を楽しみにしている。


午前0時現在、59位です