介助を極める

高齢者ケアについて綴ってみた

食事介助が重要な理由

2023-07-12 00:40:25 | 誤嚥

三大介助のひとつである食事介助。なぜ、食事介助は重要なのでしょうか。

高齢になるにつれて、味覚や嗅覚が衰えてきます。まず味覚が衰えることで塩けを感じなくなってしまい、濃い味を好むようになる人が多いです。塩分の高い食事は生活習慣病を悪化させる要因となるので、管理が必要となります。

また嗅覚が衰えることで食事の匂いだけでなく、味の感じ方も鈍くなってしまいます。そうなると食事を摂る楽しみが減ってしまい、食欲が減退し食べる量が減ってしまう人もいます。食事の量が減ると、栄養が足りない状態になったり脱水になるやすくなるため、食欲が減っても食べやすいような食事を工夫したり管理したりする必要が出てきます。

噛む力も衰えます。そのため硬いものをあまり噛まずに飲み込んでしまい、喉に引っかかってしまうことも。噛む力を観察して一人一人に合った形状の食事にする必要があります。

飲み込む力も衰えます。食事を噛むことができても飲み込む力が弱いと、誤嚥して肺に入ってしまったり喉に引っかかってしまうことがあります。食べ物が肺に入ってしまうと誤嚥性肺炎を起こし、重篤化すると命に関わってくることもあります。こちらも食べ物にとろみをつけて飲み込みやすくするなどの工夫が必要になってくるため、介護者の観察眼が求められます。

また、食事はその人のQOLを構成する大事な要因です。安全に、そして楽しく食事をとってもらうことがその人の生活を彩ることにつながります。


覚えておきたい食事介助のコツ

2023-06-16 00:40:25 | 高齢者

高齢者の食事介助をする上で、スムーズに進められて楽しい時間にするためにも注意すべきポイントがあります。

まず1つ目として挙げられるのは、高齢者の姿勢です。上半身が90度とまっすぐに近いほど、誤嚥のリスクは少なくなります。可能であれば、椅子や車椅子とテーブルを使用し、ベッドの場合は30度から90度にギャッジアップします。クッション挟むなどして、体に負担をかけずに姿勢を安定させることを忘れないようにしましょう。

2つ目は、介護者からの声掛けです。例えば食前の声掛けには、「食事の時間ですよ」「今日の献立は、以前好きだとおっしゃっていた○○にしました」など、食事のことを意識させると同時に、楽しみにしてもらうなど、興味や意欲を持ってもらう役割があります。食事中にも適度な声掛けは大切ですが、咀嚼中や嚥下中は誤嚥の可能性が高くなってしまうので避けましょう。

3つ目は、バランスの良さです。介助する際には、主食と副食と水分をバランスよく交互に食べてもらうことがポイントとなります。同じものばかり食べていると飽きやすくなりますし、飲み込みやすくするためには水分が必要なためです。また、一口の量にも気をつけましょう。高齢者の一口の量の目安は、ティースプーン1杯分です。

最後の4つ目には、食後のケアが挙げられます。入れ歯を外して手入れをしたり、うがいや歯磨きをするなど、高齢者の状態に合わせて口腔ケアを忘れずに行いましょう。また、食後すぐに横になることは飲み込んだ食べ物の逆流を招く可能性があるので、しばらくは座ったままでいてもらうと安心です。⇒食事介助の詳細はコチラ