東京都 脳腫瘍・頭痛・偏頭痛・腰痛・下肢痛・神経ブロックのペインクリニックの山本クリニック 世田谷 

このブログでは山本クリニック脳神経外科・神経内科相談掲示板から御参考になる過去の御相談と御回答を掲載致します。

左の肩、首と頭の境辺りが凝って痛むと顎も違和感 

2006年03月30日 15時37分13秒 | Weblog
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御相談者の御相談内容要旨御記載を熟読ささせて頂きました。

御相談者の御相談内容要旨御記載からは
典型的な
「「緊張型頭痛」或は「「緊張型」及び「緊張型に伴う複合病態」」
である。
「緊張型喉化け(あだ名です)」「胃ばけ(あだ名です)」を御持ちであり。

また
「緊張型頭痛」或は「「緊張型」及び「緊張型に伴う複合病態」」
特有の「背中バリバリ症候群」(あだ名です)
「肩・背中にわたり激痛・鈍痛の塊と思えるような痛み」
の「前への押し寄せの「症状・症候」」もお持ちの様です。

典型的な
「「緊張型頭痛」或は「「緊張型」及び「緊張型に伴う複合病態」」
の「症状・症候」です。

「頭痛系の「病態」」ですが「肩こり・頸こり・背中こり」」でくる・
「仮性眩暈(ふわふわ感)症候群」でくる・という特徴がある。

実際に現実的には正診断率の大変低い
「疼痛系の「症状・症候」」でございます。

治療法ですが筋肉を柔らかくする
即効性・持続性のお薬を内服、外用薬も用いて
場合により神経ブロックを施行いたします。
(「神経ブロック」といっても
「星状神経節ブロック(SGB)」は全く「効果」がありません)

下記に順を追って御回答致します。
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#1
##1
「はじめまして。
35歳主婦、3歳と6歳の子供がいます。



帝王切開で出産しています。
1年前に下の前歯1本をインプラント治療しました。

1年前に喉の違和感、胃の不快、めまい、肩こり、頭痛、動悸があり、
胃カメラ、腹部エコー、胸部レントゲン、心電図、心エコー、
血液検査をしましたが心室性期外収縮が認められた以外は
なんの異常もありませんでした。

心室性期外収縮も治療の必要はなしとの事でした。

結果、自律神経失調症ではとの事でした。
排卵の時期、生理前後にも不調を伴うので月経前緊張症とも言われました。

身体の不調で精神的にまいっていたので、
セルシン、メイラックス、ミオナール、ロキソニンなどを
処方されましたが逆に眠気が強く
小さい子がいるので生活に支障をきたすため服用を中止しました。

半年前から左肩甲骨の辺りの凝りがひどく、
背中から首に向かって痛みがこみ上げてきたり、
夜中から明け方に痛みが走ることがあります。

二ヶ月前から左肩、左肩甲骨、左あばら骨が痛みだし、
肩、首と頭の境辺りが凝って痛むと
顎の下のリンパ腺がある部分を
指で押さえられているような違和感と痛みが走ります。
左わき腹の不快感もあります。
今現在も続いています。

去年12月に胃カメラ、胸部レントゲン、腹部エコー、
血液検査はしたのですが何の異常もありませんでした。

痛みは全て左側に偏り、
朝起きると左あばら骨から胃のあたりにかけて手で押されているような
不快感があります。
この不快感と喉に走る痛み、全て左に痛みが偏っている事がとても心配です。

心配性ということもあるのですが、
子供が小さいため癌だったら。。。
とついつい考えてしまいます。

この左わき腹の不快感や左顎下の痛みは何なのか。。。
知りたいのですが
病院にいっても
自律神経失調症か月経前緊張症、帝王切開での出産にともなう癒着
と言われ処方される薬はミオナールか胃薬です。

実際、痛みや不快感に悩まされているのに気の持ちよう、
病は気から、神経質になりすぎだといわれます。

お忙しいと思いますが、アドバイスいただけますでしょうか。
よろしくお願いいたします。」
との事です。








#2
##1
御相談者の御相談内容要旨御記載の
「半年前から左肩甲骨の辺りの凝りがひどく、
背中から首に向かって痛みがこみ上げてきたり、
夜中から明け方に痛みが走ることがあります。

二ヶ月前から左肩、左肩甲骨、左あばら骨が痛みだし、
肩、首と頭の境辺りが凝って痛むと・略・」
の「症状・症候」からは。

##2
典型的な
「「緊張型頭痛」或は「「緊張型」及び「緊張型に伴う複合病態」」
の「症状・症候」で御座います。

##3
実際に現実的には正診断率の大変低い
「疼痛系の「症状・症候」」でございます。

##4
意味も無く
「疲労ですね」或いは「ストレスですね」等と
医師より図らずともいわれてしまう病態で御座います。

##4
「耳鼻科疾患」「自律神経失調症」「メニエル症候群」
「更年期障害」「頚椎の疾患」「うつ状態・うつ病」・「心療内科の疾患」
「月経前症候群:premenstrual syndrome:PMS」等ととよく間違えられます。

##5
ストレスには弱くなります。
「因果関係」を逆転すればストレスから
「発生」するようにみえるが間違いなのです。

##6
また
「緊張型頭痛」或は「「緊張型」及び「緊張型に伴う複合病態」」
の患者さんは「収束性のない思考過程」=「逆ピラミッド型でない「思考過程」」
になり問題解決ができずに至る事が多いものです。
=>##7・##8

##7
##6の結果
行き先「困ることがおきる」と不安だから今の内に」
「精一杯心配」して先の苦労を減らそうという「矛盾ブレーキ」を踏まれたり。

##8
「新皮質フリーズ現象(neocortical supression)」
で情緒不安定にもなられていらっしゃいます。






#3
##1
「緊張型頭痛」或は「「緊張型」及び「緊張型に伴う複合病態」」
の治療法ですが
筋肉を柔らかくする即効性・持続性のお薬を内服、
外用薬も用いて場合により神経ブロックを施行いたします。
(「神経ブロック」といっても
「星状神経節ブロック(SGB)」は全く「効果」がありません)

##2
御相談者に「ミオナール」が御投与されたようですが
「ミオナール」は「効果」はありません。

##3
「身体の不調で精神的にまいっていたので、
セルシン、メイラックス、ミオナール、ロキソニンなどを
処方されました・略・」
との事です。

##4
##3の御処方のなかには
「緊張型頭痛」或は「「緊張型」及び「緊張型に伴う複合病態」」
の「治療戦略」に有効な薬剤はない。

##5
「1年前に喉の違和感、胃の不快、めまい、肩こり、頭痛、動悸があり、
胃カメラ、腹部エコー、胸部レントゲン、心電図、心エコー、
血液検査をしましたが心室性期外収縮が認められた以外は
なんの異常もありませんでした。」
との事です。

##6
「緊張型」の患者さんの「症状・症候」は
「反復性上気道感染」を伴ったり全身に及ぶので
「頭痛系の「病態」」に「得意な先生」=「上手な先生」でないと
「「検査」=「「異常所見」無し」=
「心療内科専門医先生」
という経路を辿られるかたが多いものです。








#4
##1
「緊張型」は
2月・6-7月、9月・11月に症状が悪化・発症
(feb/june/7fal crisis)することが多いです。

##2
早朝に「症状・症候」が発作的に出現する事も特徴です。

##3
口腔内細菌感染・或いは「上気道感染」
(「咽頭炎」・「喉頭炎」・「副鼻腔炎」など)」
の「反復性上気道感染」を伴うことも特徴です。

##4
「背中バリバリ症候群」(あだ名です)=
「肩・背中にわたり激痛・鈍痛の塊と思えるような痛み」
が基本ですが
「前への押し寄せの「症状・症候」」で「循環器疾患の「胸痛」」と
間違われることもある。

##5
「左のお顔」或いは「左側」に「症状・症候」は
集中する特徴もあります。

##6
実際に現実的には正診断率の大変低い「疼痛系の「症状・症候」」。
しっかり治されるためには「頭痛」「機能性末梢神経障害」にお強い
「脳神経外科専門医先生」「ペインクリニック専門医先生」
を御受診されるのが宜しいと考えます。

##7
「緊張型頭痛」或は「「緊張型」及び「緊張型に伴う複合病態」」
特徴につき「補足1」に。
「緊張型頭痛」或は「「緊張型」及び「緊張型に伴う複合病態」」
「症状・症候」発生の時間依存性につき「補足2」に。
「緊張型頭痛」或は「「緊張型」及び「緊張型に伴う複合病態」」
の患者さんの「喉化け(あだ名です)」について「補足3」に。
「緊張型頭痛」或は「「緊張型」及び「緊張型に伴う複合病態」」
「胃ばけ(あだ名です)」の「症状・症候」について「補足4」に。
「緊張型頭痛」或は「「緊張型」及び「緊張型に伴う複合病態」」
の患者さんの「前への押し寄せの「症状・症候」」について「補足5」に。
「緊張型頭痛」或は「「緊張型」及び「緊張型に伴う複合病態」」
の患者さんの「思考過程」につき「補足6」に。

御記載致します。御参考になれば何よりです。








#5結論:
##1
御相談者の御相談内容要旨御記載を熟読ささせて頂きました。

##2
典型的な
「「緊張型頭痛」或は「「緊張型」及び「緊張型に伴う複合病態」」
です。

##3
治療法ですが筋肉を柔らかくする即効性・持続性のお薬を内服、
外用薬も用いて場合により神経ブロックを施行いたします。
(「神経ブロック」といっても
「星状神経節ブロック(SGB)」は全く「効果」がありません)

##4
「緊張型頭痛」或は「「緊張型」及び「緊張型に伴う複合病態」」
の「症状・症候」は。
「緊張型」の「症状・症候」とは
一重に「ただひたすら辛い」「症状・症候」であると御考え下さい。

##5
「緊張型」の「病態」とは両肩に
「外す事の出来ない重たいの重荷を背負ったような状態」とご理解下さい。

##6
しっかり治されるためには「頭痛」「機能性末梢神経障害」にお強い
「脳神経外科専門医先生」「ペインクリニック専門医先生」
を御受診されるのが宜しいと考えます。

##7
但し「脳神経外科専門医先生」或は「ペインクリニック専門医先生」でも
「頭痛」「機能性末梢神経障害」に苦手な先生もいらっいます。
このことは肝に銘じて何卒に御銘記下さいませ。

##8
大学病院の頭痛専門外来の「中枢神経系専門医」でも
「偏頭痛」の患者さんは宜しいのだが「緊張型」の患者さんは
苦手な先生が多いものです。

##9
一刻も早く御相談者の「症状・症候」が寛解される日の来られる事を・
一刻も早いご回復を心より御祈り申し上げます。

##10
何卒にお大事にお健やかにされてくださいませ。