黒猫は、ニット坊やの帽子の下からスルスルっと登ってくると
しばらく細い体をブルブルと震わせながらじっとしておりましたが
カラダが温まり震えが止まると、陽気に話を始めました。
「いや～、あんたからは助けられたニャ～。あんたがあそこを通らなければ
今頃わたしはカチンコチンに凍り付いていたところだったニャ～。外の空気に
比べて、本当にあんたの帽子の中は温かくて素敵な帽子だニャ～。」
ニット坊やは、大きな帽子を褒められて恥ずかしい様な誇らしいような
嬉しい気分になりました。
帽子を褒められ気分が良くなったニット坊やは、
「黒猫さんの行く会議の場所はどこなんですか？せっかく温まっても
またこの寒い雪空の下を歩けばまた同じこと、良ければその場所まで
ボクが送って行きましょう。」
と黒猫に言いました。
黒猫は、それを聞いて益々元気が出て
「それはありがたいニャ～！そんなに遠くではないから
お願いするニャ～♪」
と急に、無理ムリと帽子窓に登ってきて身を乗り出し
先導を始めました。
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