久しぶりに朝の通勤時間帯の電車に乗った。
過去何千回と見てきた沿線の風景。
かつて窓に新聞紙を貼った部屋があった。
目で追っていたが見つけられなかった。
どんな人が住んでたんだろう。
なぜカーテン代りに新聞紙だったのだろう。
当時はあまり考えなかった。
今日は文庫本を鞄の中に入れてきた。
しかし手に取ろうという気がしない。
本を開けるよりも周りを見る方が面白い。
乗客の半数以上はスマホをいじってる。
隣の男子を見るとゲームに夢中だ。
ゲームはやがて彼の通学の記憶になるのか。
イヤホンをしてる人も多い。
目を閉じてる人は音楽を聴いてるのか。
彼女が通勤時に聴くのはどんな曲だろう。
自分が通勤してた時には殆ど考えんかった。
当時は周りへの感覚を遮断してたんやな。
要らんこと考えるヒマは無いってなもんや。
そうか、今はヒマやし余裕があるんや。
ええこっちゃ。