えんじゃけん

『ALWAYS~三丁目の夕日~』

今日は朝の『春の雪』に引き続き、
夜に『ALWAYS~三丁目の夕日~』を見てきた。
噂どおりにいい映画だった。
ジーンときたし、泣けた。
笑うところ、泣くところとあり、あったかいいい邦画だった。

恋愛というと、閉ざされた感じがして、短くはかないものという
イメージが私の中では強いんだけど、恋愛とは違う家族愛だとか、
人間愛っていうのかな?そういうものって永久的で強いもののように思う。
そういう永久的な愛に包まれた映画だった。
人々が愛で結ばれている感じ。

この映画は戦後の昭和の東京は舞台となっている。
東京タワーが建設中のころ。
人々は未来に明るい希望を持って生きている。
21世紀にとても期待を抱いている。
三種の神器の登場も未来生活への希望の象徴だったのだろう。
しかし、今の時代はどうだろう。
未来に夢を抱くよりも過去へ憧れをもっているんではないだろうか?

最近、沢山の映画を見ているんだけど、
そうしていくなかで、それぞれに監督が違い、脚本が違い、
役者が違うんだけど、それでもおおよその共通点が見えてくる。
それは、今の人たちが求めているものでもある。
携帯電話、ネット、・・・昔よりもはるかに情報交換がスムーズに
行えるようになった今なのに、そうすることで、もっと便利な
生活を夢見ていたはずなのに、その求めた便利さは、逆に虚しさも生んだ。
そういった便利さは面倒な手間を省くため、バーチャルな部分が
どうしても多くなってしまうのだ。
面倒をどんどん取り払うことで、便利さは増すのだが、
面倒を省くことで生きている人としてどんどん壊れて
しまう気がしてならない。
私自身も昔の人から見れば壊れているんだろうけど。

私が小さいころはまだ、東京タワーがもてはやされていたなぁと思った。
どの家にも東京タワーの置物があったような時代だった。
東京タワーは日本の期待や夢を背負ったタワーだったのだろう。
小さな頃、私はなんだかとっても東京タワーに憧れていた記憶だけある。
今は大きなビルに囲まれ、小さな存在だけど、
建設された当時は世界一大きなタワーだった東京タワー。
きっと日本人の誇りだったんだろうなぁ。

いい映画だっただけに、今の時代を考えさせられる映画だった。
きっと監督の思うツボな観客なんだろうな、自分。
便利さは人との協力を必要としなくなるシステム。
我慢のいらなくなるシステム。
ただ便利さばかりを追求するのではなく、これからは便利さと
不便さの調和を考えることが大切なのかもしれない。
謎がすべて明かされると面白くないのと同じように、
人生には不便さも必要だと思うから。
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