えんじゃけん

「ロマンス」その3~再び松さんについて!

昨日、「ロマンス」へ行ってきました。

今回は松さんのソロの歌の部分に大満足でした。
椅子に座って歌うシーンから、椅子にただ座っているだけでなく、
ひじをかけたり、体を斜めにしてみたりと、兄について悩んでいる
感じがとってもでていてよかったです。
そこからの立って歌うシーンも、ただダラダラと歩くんでなくて、
舞台端っこにいったら立ち止まって、歌ったり、身震いを入れてみたり、
無駄な動きがなくなっていてとってもよかったです。
最後の椅子に座ってクルッて振り向くシーンも切れが合ってよかったし、
振り向いたあとの間が前よりもためがあって、それもよかったです。

次に注文をつけるとしたら、14等番官の手紙を読むシーン。
たんたんと読んで、感嘆符のところだけ声を大にして読むんだけど、
姿勢がそのままでは、声を大きくしてもあんまし変化を感じないんですよね。
あの感嘆符のところは手紙そっちのけに身振り手振りを入れて、
例えば生瀬さんを羽交い絞めにするくらいの勢いでやってもいいかと
思うんですよね・・・。
せっかく変化をつけたいと思ってやっているのなら、今は中途半端な
感じなので、もっと思い切ってやっていいように思います。

それともうひとつ注文というか疑問に感じたところ。
オリガと言い争いのシーンがありますよね。
チェーホフをシベリアに連れて行く件についての言い争い。
あのシーンはもっと松さんは激しくていいと思うんだけど、
ここが最初っから松さんがへっぴりごしな感じなので、あんまし
言い争いな感じがしないんですよね。
ここはまだ、マリヤがオリガを自分勝手な人だ、チェーホフの
事を考えてない!って思っているシーンだと思うんですよね。
自分の幸せを振ってまで、チェーホフのために尽くしてきたマリヤの
チェーホフへの思いって半端じゃないと思うんだけどなぁ。
それなのに、シベリアに行くことを反対しながら、
その台詞を言いながら体は後ずさりしている。
それに対してオリガはじっと立っていて話を聞いている。
どうみても、オリガが最初から勝ちでマリアの強さが感じられないんですよ。
ここがそういう演出ならそれでいいんだろうけど、
私だったら、大切な人の命が危ない状態になっていると思ったら、
あんなに引き気味にはいわないかなぁと思うんですよね。
だって、何が何でも相手を説得しないといけないシーンだと
思うんですよね。

ここは、マリヤ的なチェーホフへの愛情とオリガ的チェーホフへの
愛情の違いがはっきりするシーンだと思うので、松さんがもっと
遠慮よりは激しくなることで、その差が出るのかなぁと思うのですが。
普段、マリヤは冷静ですよね。
でも、ここは乱れてもいいんじゃないかなぁって。
かなわないと思った段階でのあとずさりはいいと思うんだけど、
最初っからあとづさりはここはちょっと見ていて不思議な気がしました。
マリヤは兄とずっといたわけだけど、オリガのように心の奥の部分まで
兄の気持ちや考えが分からないっていう嫉妬もオリガにあるんですよね。
この嫉妬はかなり根深いと思うんですよね。
その根深さが出てこそ、最後のチェーホフとオリガが二人で笑い転げて
いるシーンを見て、初めてその嫉妬から開放されるシーン、二人を
許す瞬間が引き立つと思うんですよね。
多分、この二人を見るまではマリヤはチェーホフの結婚に賛成はできて
なかったと思うから。
そのギャップが分かるためにももっとあそこは「私こそ、チェーホフの
ことを一番考えてるんだから!!」って感じに激しく演じていいと
思うのです。

あと、気づいたことは、大竹しのぶさんが笑いをとるときに、
叫び調子で台詞をいうんだけど、その台詞の言い方は多少ですが、
松さんにうつっているなぁってこと。
「あ、しのぶが乗り移ってる!」
と思いながら見ていました。

と、まぁ、今日は松さんを中心に見ました。
後ろのシルエット二人は松さんは不可能な速さだよね。
なんとなく私もシルエットが松さんっぽいなぁと思ってたんだけど・・・。
いったい誰のシルエットなんだろうね・・・。(左のシルエットね)
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