goo blog サービス終了のお知らせ 
見出し画像

えんじゃけん

60 (rokujuu) ひびのこづえ展

ただいま、ひびのこづえ展が千葉県市原で行われているのはご存知でしょうか?

 

2018.4.6. Fri. – 6.24. Sun.

60 (rokujuu) ひびのこづえ展

市原湖畔美術館

 

ひびのこづえ?という人もいるかも知れません。

演劇の好きな方なら野田秀樹さんの野田地図はご存知かと思うのですが、その衣装をてがけているのがひびのこづえさんです。

あとはテレビでNHK教育テレビ「にほんごであそぼ」衣装セット担当もしています。「ちいさな生きもの研究所」ワークショップを毎月、渋谷LOFT 6 階で開催中。2018 年はダンス「サーカス」(5月、新国立劇場)、ダンス「不思議の国のアリス」(7月、KAAT )にて衣装を担当するほか、大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2018 7/29-9/17 )に参加。

 

簡単にプロフィールを

1958年静岡県生まれ。

1982年 東京芸術大学美術学部デザイン科視覚伝達デザイン卒業。

1988年のデビュー以来、雑誌、ポスター、テレビコマーシャル、演劇、ダンス、バレ エ、映画など幅広い分野で、ファッション・デザイナーと異なる視点で独自のコスチュームをつくり続ける。

1984年、日本グラフィック展・奨励賞受賞。

1989年、日本グラフィック展・年間作家新人賞受賞。

1995年、毎日ファッション大賞・新人賞、資生堂奨励賞受賞。

1997年に作家名を内藤こづえより、ひびのこづえに改める。

 

こづえさん、今年60歳らしく、それで展覧会の名前に「60 (rokujuu)」というのがついているんだそうです。

さて、そんなこづえさんなわけですが、なんと48日(日)に展覧会をやっている市原湖畔美術館でアーティストトークを行いました。これは見に行かなければならないでしょう!ということで見に行きました。野田地図の舞台を見て、ひびのさんの衣装は面白いなぁと思ったけれどもそこまで強く興味を持っていなかったのですが、昨年の奥能登芸術祭の宣伝を見て、ひびのこづえさんの作品の写真にひかれ行くことにしました。その作品は衣装なんだけど、ブルーやグリーンの丸い透き通った風船がいっぱい重なったよう衣装で、それだけでもきれいなのに、それを着てダンサーが踊るとあって、いったいその衣装はどんな風に着て、どんな風に動くのだろうと気になって是非見に行きたいと思いました。奥能登、遠かったけど、行ったかいはあり、ひびのさんのダンスパフォーマンスの世界にはまってしまいました。その時のダンスを今回の市原湖畔美術館でも再演してくれるというのです。

さて、アーティストトークが始まる1時間半前ほどに美術館につきました。ざっと作品を見ました。そして、一か所、ワークショップができるところがあるのですが、そこに女の人が一人、ひたすら布の端切れをパッチワークのように縫い合わせていました。ボランティアの方かな?スタッフの方かな?と思ったのですが、なんとひびのこづえさんでした。ひびのさんはお客さんに「どこから来たんですか?」と優しく声をかけて、ワークショップに参加しませんか?と声をかけたり、こんどのダンスパフォーマンスをおすすめしたりしていました。どきどきしながら、自分もそのワークショップに参加しました。縫い物はそんなに好きではないのですが、やってみると結構楽しかったです。そうすると、私にもこづえさんは話しかけてくれました。ダンスパフォーマンスがあるのを知っているか質問されたので、「知っています。能登の芸術祭で見てそれでまた見たくてチケット買いました」という話をしました。私が見た回は引間文佳さんの回だったのですが、それがすごくよかったという話をすると、「珠洲、感動したよね」と答えてくださいました。こづえさんの衣装あっての引間さんのパフォーマンスだったので、こづえさんのことも話したかったのに、そこまで話せず引間さんのことを言うだけで精いっぱいでした。ワークショップが思ったよりも楽しく、たくさん縫い付けたい気持ちになったものの、たくさんのお客さんが集まっていたので、譲ることにしてほかの部屋の作品を見ていました。そして、最後の部屋の作品が大きな作品でクモの糸にいろいろな衣装がからまっている作品なのですが、椅子に座って外の風景と合わせて見られていいなぁと思って座ってみていると、なんとこづえさんがやってきて、その部屋の出入り口あたりで取材が始まりました。こんなところに自分はいていいのかと思いながらも、ぎりぎり写真には入らない位置かなと思い、しばらくそこにいてインタビューに答えるこづえさんの話に耳を傾けていました。すると、珠洲(奥能登国際芸術祭)のお話がよくされていて、こづえさんにとって大きかったんだなと思いました。ダンスパフォーマンスはこづえさん自身、お客が入らないのではないかと心配だったそうです。しかし、ふたを開ければほとんどが完売状態でほっとしたそうです。

さて、3時になりアーティストトークの開始時間となりました。今回は、アーティストトークとあらたまってするのではなく、ギャラリートークのような形式で、作品をこづえさんと一緒に回っていく形となりました。

まずは入り口の作品。

これは着ていいそうでただし、係員がいるときのみで、ちゃんと係員の方に声をかけてから着てくださいとのことでした。

大きい人用、小さい人用のふたつがあります。

次にかえる。

これも衣装なんだそうで、またの下を頭に乗っけるんだそうで、バルーンには窒素が入っているので軽いんだそうです。

ばかでかいんですけど、衣装なんだとみんな驚いていました。

↑これらもすべて衣装。

↑そしてこれは、この美術館のために作ったパフォーマンスの新作「FLY FLY FLY」の衣装。家や家族がテーマらしく、60歳になって、家族がどんどん亡くなって一人になっていくのを最近強く感じるらしく、それで家族をテーマにしたそうです。とにかくおすすめってことでこづえさんが熱く語られていました。この場所は天窓があって自然光が入ってくるのですが、そこに魅かれたんだそうです。観る予定に入れていなかったのですが観ることにしました。美術館でチケットを買うと、1200円のところ1000円になるようですよ。お得ですね。
 またこの部屋には、こづえさんの一番最初の作品も飾られていました。どの作品か探してみてください。色は赤です。小さな作品なのでお見逃しなく。こづえさんのサインの中にも登場するものなんだそうですよ。

 さて、中央には大きな人形が。建物の柱に目や鼻や口をつけているのですが・・・。この下でワークショップが行われていて、この人形にスカートをはかせようということで、そのスカートを小さな切れ端を繋ぎ合わせて縫っていました。会期が終わるころには出来上がっているはず・・・終わっていてほしい!是非、みなさん、参加をしてください!とのことでした。あと、お得情報で、会期中、美術館の半券があれば何度も入場できるんだそうですよ。毎週末、スカートづくりのために湖畔美術館っていうのも楽しそうですよね。

 織物は大変だけど、そんな雰囲気のものが作りたいと思った時に思いついたのが、この作品なんだそうです。模様を縫い付けることで織物感を出しているのだとか。写真だとわかりにくいですね。是非、実物を見て確認してください。

これもテープ等を縫い付けてます。

拡大するとこんな感じ。

そして絵をよくみると赤い線が入っているのが分かります。この通り切ると、服ができるんだそうです。驚きです。

 これは作品の中に入れる作品です。中に入って取った様子です。こづえさん曰く、この中で寝っ転がってみてほしいとのことでした。心臓音が鳴り響く少しくらい会場、しばらくみんなで静かに聞き入っていました。

 下の回に降りるとダンスパフォーマンスの衣装がたくさんつられています。私が能登の芸術祭で気になった衣装が右に写っている衣装です。全体に青いのは、能登の海の中をイメージしてだそうです。こづえさん、奥能登芸術祭が初の芸術祭参加だったそうです。芸術祭の作品はその土地からインスピレーションを受けて作るものがほとんどなんですが、こづえさんは能登の海に潜ってアイデアが思いついたそうです。能登の海の中は海藻がびっしりと生えて揺れいるらしく、その浮遊感を表したいと思ったんだそうです。あとは舞台で使われた服もたくさんつってあり、それをつかってダンスパフォーマンスをするという話もしてくださいました。PVや舞台が終わると衣装たちは倉庫に眠ってしまうことが多く、しっかりと作っているのにそれはもったいないということで、それでダンスパフォーマンスを始めたとのことでした。プラス、若いダンサーさんの活躍の場が少ないので、その場の提供という意味もあるんだそうです。このプラスはインタビューで答えていた中にあったお話です。

 これら衣装は引間さんが着て踊ったものです。
 そして、こづけさんの話を聞いてびっくり!舞台の衣装を再利用しているとのことで、見た舞台の衣装などもありました。例えば、

野田地図の「MIWA」の古田新太さんの衣装。

東京キャラバンの松たか子さんの衣装。

同じく東京キャラバンの宮沢りえさんの衣装

松さんと宮沢さんの衣装は、1度しか使われなかったそうで、それがダンスで再び命が注がれたってわけです。1回きりはもたいないですよね。

この階の壁にたくさんの布が貼られていたのですが、これもすべて衣装なのだそうです。野田地図の「カノン」の衣装。実際よく見てみると、それぞれにそでっぽいところやら、首を通すっぽいところやらあります。

こちらは松任谷由実さんの衣装。

そしてこちらは今年夏に公演予定の「不思議の国のアリス」の衣装。この衣装が人が着てどのように動くか、ぜひ見てほしいとのことでした。

そしてこれはとても暗いのですが、野田地図の「パイパー」の衣装。かなり重いのだそうです。

これが最後の部屋。こづえさんがインタビューを受けていた部屋です。たくさんの糸には裏話があって、この美術館にたくさんあった糸なんだそうです。外の風景が素敵だなと思って、この土地に合う展示の仕方をと思って思いついたものなんだそうですよ。これらの糸の元は、

クモになっています。今までの過去の衣装が糸につながっている感じになっています。

 

 このように展示作品だけでも見ごたえあるのですが、こづえさん曰く、展示だけでなく、それを実際に着て動くとどうなるかを見てほしいとのことでした。
 「みなさん、トークよりもパフォーマンスを見に来てほしい」と何度も言っていましたが、トークはトークでこづえさんの考えやら作品の裏話やら聞けたのはよかったなと思いました。一緒に作品づくりもできたし、一対一のお話もできたし。

 こづえさんの話で考え方が同じだなと思ったのは、「自然は先生」ということ。こづえさんの作品は自然が入っているんだそうですよ。学校の先生はきらだったとのこと。あとは、芸大に行ったものの、周りにたくさん絵が上手な人がいて、自分はそんな人たちに太刀打ちできないと感じたというお話をしてくれました。そして、今の道を選んだことも。誰もやっていないことでならと思ったそうです。服の勉強は専門にしたことはなく、自力で試行錯誤をしながらやっているという話も。順調に進んで今があるわけではないんだなと、そんな話も聞けてより「ひびのこづえ」って人が好きだなと思いました。誰もやっていないことを思いつくってことがまずは才能と思います。道なき道を作るのは前例がない分、大変ですよね。創造的な頭がないとなかなかできないことだなと思います。

 作品を見た後は、美術館にあるカフェでお茶をするのがおすすめです。湖を眺めながらお茶ができます。

前回来た時にお茶をしてこの上なく幸せ気分に浸れたカフェ。その時は友達と来たのですが、今回は一人で立ち寄りました。一人でもゆっくりできるカフェでおすすめです。

千葉の名産をつかったメニューが多く、これは落花生の入ったティラミスです。美味しいですよ。

こづえさんが是非見てほしいと思っているダンスパフォーマンスを紹介します。

~市原湖畔美術館HPより~

本展の目玉は、会期中10回行われるパフォーマンスプログラムです!ひびのこづえの手がけた衣装をダンサーたちが身にまとい、展示室内のステージでパフォーマンスを行います。
4/21. 22. 5/12. 13 15:00〜
「FLY、FLY、FLY」

×島地保武×川瀬浩介
※4/21公演のみチケットが完売しました。
5/5.6 13:00〜
「WONDER WATER」

×ホワイトアスパラガス×川瀬浩介
5/5.6. 6/2.3 15:00〜
「Humanoid LADY 市原湖畔美術館ver.」

×引間文佳×川瀬浩介

チケット料金:一律 1,200円
peatix (http://hibinokodue60.peatix.com)にて販売中!

peatixでの購入を希望されない方は、美術館までお電話(0436-98-1525)でお問い合わせください。
美術館では、割引価格の1,000円で店頭販売しております。

 完売の日も出てきているようですね。今ならまだチケットに余裕があるようですので、是非。会場自体は狭いので、ものすごく間近でダンスを見ることができると思います。奥能登で見たときもすごく近く、こんなにもダンサーさんの動きを近くで見れる機会は少ないですし、間近にいるお客さんの反応によってダンサーさんの動きが変わったりもして、ただ見るだけでなく、そこに参加しているという意識で見ることができて楽しかったです。ああ、うまく説明できなのですが、とにかく一見は百閒にしかずです。おすすです!衣装い対する価値観が変わると思います!

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。

※ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

最近の「ダンス・パフォーマンス」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事