竹林亭白房

「愛のしるし」★ロック

毎週、MonTVのJ-POP『カウントダウン50』を視聴している。したところ、先週はスピッツの曲が二十位以上に三曲も入っていた。今、何かスピッツが流行っているのだろうか。彼らがデビューしたときは、Mr.チルドレンと何か似たようなバンドのイメージをもっていたけれど(世間的にそう見られていたかどうかは知らないが)、結果的に、ミスチルよりも息が長く持続的な活動をしているのはスピッツのほうなのだろうか。

その三曲のなかに「愛のしるし」があった。1998年にリリースされたPUFFYのヒット曲である。そして、この曲がスピッツの草野マサムネによる作詞・作曲だったというのも、今回初めて知った。だから、これはセルフカヴァーだ。ちょっと調べてみると、このセルフカヴァーは、PUFFYがヒットさせた翌1999年にスピッツのアルバム『花鳥風月』というのにすでに入っているらしい。さて、今回MonTVで視聴したものも1999年当時のものだろうか。そういう目で見ると、ちょっとレトロ感のあるMVという感じがしなくもない。

そういった新たな事実を知ったこと以外に、おもしろいなと思ったのは、ベースで入るイントロが、QUEENとDavid Bowieがコラボした「Under Pressure」(1981)のパロディーになっていたことだ。これはすでに指摘があるのかとネット検索すると、J-POPのパクリ(盗作)一覧みたいなサイトで、さまざまな曲が並んでいるところにこれが出てきた。

そのリストには、そういった類(パクリ)かもしれないというのもあるようだけれど、この「愛のしるし」に関して、その指弾はたぶんあたらないと思う。「愛のしるし」のイントロは、まったくそのままのフレーズを使っているのでなく、すこし音をずらしてこれは「Under Pressure」を使ったなと、ニヤリとさせる類の遊びだ。

J-POP(昔はそうは言わなかったが)でも、1970年代あたりだと、わりと確信犯的に洋楽のフレーズをそのまま頂戴してきてちゃっかり使ってしまうというようなこともあったげに記憶しているが、1980~90年代に入ると、洋楽をじゅうぶん咀嚼して遊び心で曲のなかに取りこむようなことができるくらいに、J-POPは成熟したのではないだろうか。

また、このスピッツの「愛のしるし」では、オブリガートにT.Rexの「20th Century Boy」も使われている。さらに、あと二箇所ほどどこかで聞いたことがあるなあというフレーズが出てくるのだが、ちょっと思い出せない。一つは、もしかして、T.REXつながりで「Telegram Sam」の一部かなとも思ってみたが、どうも自信がない。たぶんちがう。

あらためて、PUFFYの「愛のしるし」も聞いてみると、こちらは終盤でBay City Rollersの「Saturday Night」を使ったかなと思うフレーズが出てきた。PUFFYのほうは、奥田民生がアレンジしているから、これは奥田による遊びだろう。奥田はPUFFYの曲でThe Beatlesのフレーズパロディーをたまにやっているから、さもありなん。

□本日落語二席。
◆笑福亭羽光「ペラペラ王国」(BS日テレ『笑点』特大号第386回)。
日テレ麹町スタジオ、令和3(2021)年9月29日OA。

◆『笑点』若手大喜利:林家たい平(司会)/春風亭昇也・昔昔亭喜太郎・桂宮治・立川晴の輔・柳家わさび・鈴々舎馬るこ※三遊亭好青年(座布団運び)(BS日テレ『笑点』特大号第386回)。
日テレ麹町スタジオ、令和3(2021)年9月29日OA。
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