三代目権太楼「無精床」★落語

□本日落語三席。
◆三代目柳家権太楼「無精床」(NHK総合『立川志らくの演芸図鑑』)。
東京渋谷NHK放送センター、令和3(2021)年10月3日OA。
親方がしくじって、客の頭を剃刀で切ってしまったあとの「縫うほどじゃない」という落げを権太楼はつけていなかった。落げはなしで、いくつかの落語でしばしば使われる、わあわあ言っております的な終りかたである。「縫う」などというワードが出てくると生々しい印象を唄えるからだろうか。ちょっとよくわからなかったけれど、最近はこの型で演る向きが多いのだろうか。

……と思って書きながら、このごろあまり「無精床」を聞いていないような気がする。最近は、カットするだけでも美容室のようなところへ行くというスタイルが流行ってきたからだろうか。そういえば、所謂町の散髪屋といった店は、どんどんつぶれてなくなっている。たぶんあとを継ぐ者がいないのだろう。
最近の若者は、理容・美容の資格を取ると、やはり美容室のようなところで働くか、自分の店をもつというのがトレンドなのか。

たとえば、遊廓はなくなっても、廓噺で描かれているのは男女の機微だから、落語として現代でも語り継がれるのだが、床屋には描かれるべき普遍的な人情などがないのだとしたら、「無精床」「浮世床」のような落語は廃れてしまうだろうか。

◆『笑点』女流大喜利：林家三平(司会)/春風亭一花・春風亭ぴっかり☆・林家あずみ・一龍斎貞鏡・林家つる子・三遊亭遊かり※金原亭乃々香(座布団運び)(BS日テレ『笑点』特大号第386回)。
日テレ麹町スタジオ、令和3(2021)年9月29日OA。

◆『笑点』大喜利：春風亭昇太(司会)/三遊亭小遊三・三遊亭好楽・林家木久扇・二代目林家三平・六代目三遊亭円楽・林家たい平(日本テレビ『笑点』第2779回)。
日テレ麹町スタジオ、令和3(2021)年10月3日OA。