第一話 犬は飼わないと言っていたのに・・・・（５）

　犬を飼おうと決めた時のことを、思い出しているお父さん。
思い起こしてみると、余り深く悩むことなくすんなりと決めたようだ。
　何年も「犬は飼わない」と頑なに強く決めていたはずなのに。

　不思議ですね。人の心。「決める」ということ。
頑なに「飼わない」と言っていても、やはりどこかに「犬好き」の気持ちが
脈々と流れていたんでしょうね。
　そこに、Fさんの話と家族皆との話、そしておねぇちゃんの一言で
簡単に、スムーズに「決めた」となったのでしょう。

　「犬を飼うとなると、やはり何かと大変だよなー」
　「毎日の世話や、外出の時の心配やっぱり大変だ~」

おねぇちゃん
　「今犬を飼わなかったら、これからずっーと飼うことはないよ」

この一言で「よし、飼ってみようか」とお父さん。

　確かに、何かにつけて決め時があるものですね。
それも、何かのきっかけで意外と簡単に決めてしまうもですね。

　「よし、飼ってみよう」
　「本当に!!」
　あまりにも簡単なお父さんの決定に、皆信じられない顔。

　昼食の時にFさんからを聞いて、その日の決定まであっという間でした。
　時間にして、6時間。
　飼わないと言い続けた時間。25年間。(=21,9000時間）