「私さ呪戦 五条悟 コスプレ衣装、結婚するんだよね」
そう言い放って、女は酒で潤んだ目を伏せながら微笑んだ。
高専に入学した頃から、こいつが思い悩んでいるのはなんとなく知っていた。
日々呪霊を相手に容赦なく刃を振るう生活に、耐え切れる人間はそうそういない。
初めのうち使命に燃えていたその瞳も、任務を重ねるごとにどんどん暗く澱んでいった。呪戦 両面宿儺 コス衣装
俺ほどではないにしてもそこそこやれる女だったから、二級や一級と戦う場面も相当にあったが、呪霊を祓う瞬間のこいつは、いつも眉間に皺を寄せていて、まるで自分が祓われるかのように、心底苦しそうだった。
“才能があっても嫌悪と恐怖に打ち勝てず挫折した呪術師“ こいつはまさしくその類だった。
二年に上がる前日、廊下ですれ違いざまに、退学届を出してきた、となんでもないように告げられ、カッと頭に血が上った。
お前には才能があるのに、
俺には何の相談もなしに、
どす黒い気持ちがぐるぐる胃の中に滞留して、だけどカッコ悪く引き止めるだけの素直さもなくて。
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「呪い祓うことしか能がないくせに辞めるわけ?」
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