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セラミックフォーラム株式会社 ブログ 硝子溶融、SiC、 太陽電池

硝子溶融炉、泡分析、SiC、太陽電池、あなたの手に届くテクノロジーを。Ceramic Forum Co.,Ltd 

4月15日  中国出張(その2)

2012-04-15 10:03:36 | 硝子溶融技術

セラミックフォーラム加藤です。

 

4月3日からいよいよ、上海でのChina Glassに参加。 中国では4月2日~4日は日本で言うお盆のような祝日(清明節)で、多くの人が故郷へ帰り墓参りをするので、展示会への来客は激減するのでないか?と、出展各社は心配していたが、例年の賑わいであった。

 

何時ものように、先ず、CFパートナー企業であるチェコGlass Service社、独DYKO社、仏Bernard Bonnefond社のブースを回り、打ち合わせを済ませた。 今回、スウェーデンGedevelop社、ドイツSTG社は出展していなかった。 彼らのシステムがまだまだ、東南アジアで受け入れられるほど、同地区が技術的に成熟していないと判断したようである。

 

今回の展示会では3つの課題を念頭に会場を回り、色々なブースで情報交換ができた。

①新しい省エネ技術?

今後、化石燃料の高騰、国内での電力需給のひっ迫など硝子産業における省エネ技術は必須。 色々な欧米エンジニアリング会社と話し込んだが、酸素燃焼、カレットの予熱、断熱強化など余り画期的な話はなかった。 個人的には中高温排熱(150~300℃)の回収技術を期待したが無駄だった。

《HORN》

②中国電鋳煉瓦メーカー

世界トップ3の電鋳煉瓦メーカーであるSEFPRO、AGCセラミックス、RHI(モノフラックス)は相変わらずガンバっている。

《SEFPRO》

《RHI》

《AGCセラミックス》

それに勝るとも劣らないのが中国勢。 下記の3社が生産量、品質ともトップクラスとか。

《嶺南》

《SGS》

《Rutai》

特に嶺南は焼成品⇒デンス品⇒電鋳煉瓦⇒Pt材料と硝子溶解炉用材料を戦略的に拡大しているのには感嘆。

③日本からの出展

常連の井原築炉、AGCセラミックス、東洋ガラス機械、樋口鉄工所、坂東貿易、セキスイは地道に努力をしている点、立派! 必ずその努力が報われることを祈らずにおれない。 しかし、日本のガラス製造技術のレベルを考えれば、もっと多くの会社の出展があってもしかるべき。 どの産業にも言える日本独特の内弁慶か?残念である。

《井原築炉工業》

《東洋ガラス機械》

《樋口鉄工所》

④その他トピックス

・CTIEC(中国建材国際工程集団)

1200t/日の大型フロートや150t/日の酸素燃焼炉(ミニフフロート)など実績をドンドンあげている中国ナンバーワンのガラス炉エンジニアリング会社。

《150t/日の酸素燃焼炉スペック》

・東華大学ガラス・エナメル研究所

中国では全電気溶解炉、電気ブースティング技術のエンジニアリングコンサルタントで著名だが、日本にも顧客がいるとの紹介にビックリ仰天。

《東華大学ガラス・エナメル研究所》

 

今回も『犬も歩けば棒にあたる』か?何社から提携や代理店の提案があったが、“帯に短し襷に流し”で気が進まない。 老化現象か?と反省しきり。

 

最終日の4月5日はホテルでレポート書き、展示会はスキップ。 夕方、青島に移動し、翌日4月6日は定例のGlass Service社アジア地区営業会議。 青島ビールと地元海鮮料理を楽しみ、翌7日、無事帰国。 


五感不満足  2月6日

2012-02-05 16:43:12 | 硝子溶融技術

セラミックフォーラム加藤です。

 

昔、乙武著“五体不満足”という名著があったが、最近、五感不満足の実感がある。 五感は鼻(臭覚)、耳(聴覚)、目(視覚)、口(味覚)、皮膚(触覚)を言うが、最近、耳(耳鳴り、難聴)、目(乱視が混ざった近視、老眼)、口(歯槽膿漏)と三感が不満足。

<乙武著“五体不満足”>

 

先週、チェコGS社の若い技術者と、関西、名古屋地区の顧客回りをしたが、週末は伊勢志摩をレンタカーで回る観光を企画した。 土曜朝のホテルでの朝食、ちょっと噛んだ時、“ガリ”と音がし、上右の歯に突然、激痛が走った。 その後、噛むと激しい痛みとなり、運転中も気が気でなかった。 伊勢神宮のおかげ横丁での柔らかい伊勢うどんを皆で食べたが、痛みのあるところを避けながら食べたが、半分も食べられなかった。

<おかげ横丁“伊勢うどん”>

 

夕方の旅館は、予て楽しみにしていた伊勢エビ料理で有名な浜島温泉。 着くなり旅館に歯医者を紹介してもらおうと思ったが、土曜日で無理と断られ、バッファリンを飲みながらの伊勢海エビ宴会。 やはり、伊勢エビも硬くて駄目、豆腐料理とビールで何とか腹をなだめた。 翌朝も豪華な朝食のなか、バッファリンとみそ汁だけと情けなかった。

<浜島温泉鯨望荘と伊勢エビ料理>

 

帰りは浜島町⇒賢島(英虞湾)⇒的矢湾⇒パールロードの美しい景色を堪能しながら、鳥羽駅でレンタカーを戻し、帰宅した。 翌朝、会社近くの歯医者に早めに行き、予約なしで一番で診て貰えた。 歯が割れ、神経が丸出しとのこと。 割れた小さい方の歯を抜歯してもらい、神経を抜いて詰め物をして貰った。 ウソのように痛みは引き、歯医者からはアルコールは控えるように忠告されたが、その日の夕方は、お客とチェコの連中と焼き肉とビールのガブ飲みpartyで週末のうさを晴らした。 

 

高尿酸値、前立腺肥大、耳鳴り、難聴、難視と、医者からは、“順調に老化しています”とからかわれているが、今回の歯のトラブルだけには参った。 ただし、2日間ほど、食事を抜いたおかげで、腹がへこみ、ズボンがはき易くなったのはプラスだった。


1月30日  研究開発への税金投入

2012-02-01 16:11:45 | 硝子溶融技術

セラミックフォーラム加藤です。

 

先週、著名なオランダの半官半民研究機関TNOの硝子部門から、CelSian Glass & Solar B.V.という名前で民営化されたとの挨拶状を貰った。 弊社の大株主であるチェコGlass Service社と、このTNO硝子部門とは硝子溶解炉用シミュレーション、分析、測定などで、競合する面があるが、一方は官業、Glass Service社は完全な民間と、考え方、進め方が大きく異なっており、ある面、棲み分けが出来ていた。 しかし、今後、お互い切磋琢磨の厳しい関係になると予測される。

 

このTNO硝子部門は、昔からオランダ政府から手厚い保護を受けてきたが、今回、民営化に踏み切ったのは、オランダ政府として、成熟した硝子産業の研究開発を担うTNO硝子部門に、これ以上国民の税金を使うのは不合理との判断があったと聞く。 国民の税金を研究開発に投入するのは、民間会社が投資するにはリスクが多大すぎる先端分野にすべきとの意見も納得はできる。 別の見方をすれば、成熟した硝子産業などの研究開発は当該の民間会社がリスクを背負うべきとの考えだろう。

 

この考えからすると、日本はその先を行っているともいえる。 昔は盛んであった硝子の基礎研究や技術開発は国立研究機関、大学では、現在、ほとんど残っていない。

 

しかし、民間がやり難い硝子の高温物性、先進的な製造技術には、何らかの形で税金を投入するべきでないか?と思う。 特に今後、世界的な競争において、日本の先端素材産業は大きな武器になっていく。 日本の産業はスマートフォン、スマートグリッド、宇宙開発などシステム志向より、やはり地道な材料志向が向いていると考える。 そのための基礎研究では民間会社が主にリスクを負うべきであるが、ある程度の税金を投入するのは合理的と考える。 

 

現在、Glass Service社とともに、民間企業としてこうした基礎研究に少しでも貢献できればと、ビジネスを推進しているが、やはり、資金、人材を含め、民間企業としての大きな壁にぶち当たる。 

 

先週と今週にかけ、久しぶりにGlass Service社のシミュレーション技術者と顧客回りをしたが、TNOの民営化のニュースに刺激され、色々、考えさせられた週であった。


暴力団排除条例  1月23日

2012-01-23 05:58:57 | 硝子溶融技術

セラミックフォーラム加藤です。

 

今週の東洋経済(126日号)は、暴力団排除条例の特集を組んでいる。 たまたま、今年に入り、取引先から既に締結している“取引基本契約書”に加える形で、“反社会勢力排除に関する覚書”の締結依頼が来ており気になっていた。 早速読んだ。

 

人生68年間、幸せなことにこうした暴力団とのかかわりは無かった。 記事によると全国で78,600人が構成員として警察庁に把握されているとの事。 この条例は昨年10月に全国都道府県で導入され、例のタレント島田伸介の引退もこの条例の影響を受けているとのことで、その影響力は大きい。

 

読んでいる中で、興味ある記事があった。 最近、大企業は、暴力団対策で警察OBを役員に迎えるケースが多いとのこと。 大体が監査役だが、社長として迎えた会社として、弊社も取引のあるO硝子O 社長が載っていたのに驚いたが、考えてみれば、これは特殊ケース。 硝子業界では有名な話だが、15年も前の話、当時の同社社長が急死され、その長男が急遽、後任社長に就任された。 何と、その時、この長男は警察庁のキャリア。 その職を投げ打って後継者となられ、現在に至っている。 その後、この会社は順調に発展、現在 O社長は弊社も属するN工業会の会長。 さらに、先週末、開催された各硝子業界団体の上部組織の新年会(350人も集まった)において、O社長は、この上部組織の会長も兼務されるとの発表があった。

 

硝子業界全体としての暴力団対策だとしたら、ありがたい話。 何故か?尊敬する敏腕のO元専務理事の顔が浮かんで仕方がなかった。


都立産業技術研究センター  1月16日

2012-01-16 05:10:09 | 硝子溶融技術

ブログ116日  

 

セラミックフォーラム加藤です。

 

昨年10月に都立産業技術研究センターが赤羽からお台場に移転してきた。 弊社から近く、歩いて3分。 先週金曜日(113日)弊社メンバーと半導体、硝子関連の装置、施設を見学させてもらった。 最新の蛍光X線装置、飛行時間型マス、XCTスキャン装置、さらに電子部品、製品などの環境試験システムがずらりと並んだ実証試験センターなど圧巻。 移転を機に購入した新兵器が目白押し。

<都立産業技術研究センター TIRI>

 

<X線CTスキャン装置>

 

担当の研究者に聞くと、東京都だけでなく、日本全国からの技術相談が来ており、彼らの研究時間の8割はこうした技術相談、依頼研究に費やされ、自主研究の時間は2割程度とのこと。 また、それらの装置の各担当者からは、装置の説明とともに、装置、設備の利用料金表も手渡され、官の研究機関とは思えない親切な対応に感激。

 

こうした最先端の豪華な装置に圧倒されながら、見学終了後、弊社メンバーと“税金の無駄使いだ!大阪の橋下さんなら怒り狂うのでないか?”とか、“いやいや、技術支援を受ける中小企業としては有難い存在”と賛否両論。

 

個人的には、後者の意見。 大企業に伍して、これから世界に打って出なければならない中小企業の泣き所は研究開発、特に分析、評価装置の資金と人材。 弊社のように歩いて3分の会社にとって、中央研究所がそばにあるようなもの。 利用しない手はない。

 

今年は欧州のパートナーの来日が色々予定されている。 この研究センターを、彼らの見学コースに組み込みたい。 海外企業も利用できるか?どうか?分からないが、共同研究ができれば面白い。

 

また、数か月に1回開催している現役硝子溶解技術者と退職した元硝子溶解のベテランとの勉強会“CF硝子セミナー”を発展的に解消し、同センター硝子開発グループと新たな勉強会がstartできればと夢も膨らんできた。 これもお台場に移転してきたお蔭。 2012年が楽しくなってきた。

 


12月19日 チェコ出張(その2)

2011-12-19 23:00:53 | 硝子溶融技術

 

セラミックフォーラム㈱の加藤です。

11日(日)夕方、ウィーン到着、空港ホテルに直行、バスにつかり11時間の長旅の疲れを取った。 空港に戻り、何時ものバー風レストランでビールと食事を取ったのち、19時には就寝。 翌朝3時起床。 じっくり、チェックアウトの12時まで、メールや日本で残してきた仕事を処理した。 16時に北京から到着するDavidを待ったが、便がキャンセルとのことで、単独にてGSからの迎えの車でチェコまでの3時間のドライブ、Vsetinのホテルに入った。

 

翌日13日は朝9時から営業会議。 午前は各営業担当からの2011年の販売実績の報告、午後は2012年の販売計画だったが、加藤は午後一番に、用意したプレゼン資料で、日本の硝子業界の動向、CFの経営状況、GSの売り上げ状況などを説明した。 最後にCFメンバー紹介として下記のアニメーションを楽しんでもらった。 

http://elfyourself.jibjab.com/view/DwkW8x2f0r3hlOK6zwBx

 

14日は朝から、GSの今後の計画、新製品、新しい組織などが紹介された。 また、午後は戦略的にどういう分野に研究開発資源を投入するか?のフリーディスカッションであった。 日本市場の特殊性を説明し、CFとして色々、提案をした。 今回、驚いたことは、欧州経済危機と言われる中で、GSの販売が好調なことであった。 財政危機の影響が、実体経済である硝子産業に未だ、伝わっていない。 しかし、2012年は悪影響を受けるかも分からないと、皆、不安げではあった。


翌日15日、午前はフリーで各技術担当者同士の情報交換があり、午後からいよいよクリスマスパーティーの準備が始まった。 加藤は持参したサッポロ製ノンアルコールビールでのブラインドテストする予定であったが、昼食時に飲んだチェコのノンアルコールビールBirellが、それ以上に優れものであることを見出し、恥ずかしくなって断念した。 さすが、ビール大国チェコ、日本のノンアルコールビールブームの先を行っている。 全く、違和感なく飲めた。

<チェコのノンアルコールビールBirell>

  

今回のGSクリスマスパーティーは、ハローウィン的な仮装パーティー。 写真のように、皆、思い思いの仮装をしていた。 前もって言って貰っておれば、ちょん髷をしたサムライの用意をしていたのにと、残念であった。 

<チェコGS社のクリスマスパーティー> 

 

もっとも、今年も、翌朝は早く起き、ウィーンからの帰国便に乗る必要があり、お年寄りメンバーと一緒に23時に失礼した。 翌朝聞けば、多くは朝までダンス、音楽を楽しんだとのこと。 

 


12月12日  チェコ出張(その1)

2011-12-12 10:26:20 | 硝子溶融技術

セラミックフォーラム㈱の加藤です。

9日(土)は、N社時代の先輩と忘年会。 皆、四捨五入の70歳、夜の宴会は避け、昼間から飲む。 昔からアルコールに強いメンバーであったが、老いてますます、頼もしいかぎり。 夕方まで痛飲、帰宅、夜7時には就寝。 

翌日は、大株主でもあるチェコGlass Service社恒例の営業会議に出席するため、成田⇒ウィーン直行便に乗った。 毎回、この出張では営業会議後のクリスマスパーティーが楽しみの一つ。  昨年も ブログでクリスマスパーティーの様子を報告したが、今年はまたどんな?趣向があるか?楽しみにしている。

今回は、こちらからも何か新しい余興が出せないか?頭を悩ませた。 たまたま、読んだ東洋経済今週号に、現在、日本ではノンアルコールビールがヒットしているという。 読んでみると、なるほどとそのビジネスモデルに感心した。

・徹底的に味を本物のビールに似せる努力

・女性とドライバーを狙う

・酔っ払い運転に対して近年厳しい欧米の市場もターゲットとする

実際飲んでみると、昔とは段違いに本物に近い。 先週の硝子関係の会議でも話題になり、K硝子の常務の方が。《ゴルフの後、ビールを飲むことが多いが、帰りの車を考え、最近、ノンアルコールビールを飲むが、本物に近いので、酔った気分になるので、心配になるほど》と笑っておられた。

<サッポロプレミアム・アルコールフリー>

この記事をヒントに、ノンアルコールビールのサッポロプレミアム、アサヒスーパードライ、サントリープレミアムを土産としてトランクに詰め込んだ。 チェコでは彼ら自慢の地ビール、彼らが軽蔑する米バドワイザーを購入し、5種類でブラインドテストをやろうとのアイディア。 その結果は、次回報告予定。

今回のノンアルコールビールもそうだが、マツダ、ダイハツなどの>30km/リッターのガソリンエンジンの開発とか、日本企業の地道な開発には全く頭が下がる。 結局、駄目だ! 駄目だ!は政治だけか?と思いを新たにした。


泡問題 バブル崩壊  12月5日

2011-12-05 20:15:11 | 硝子溶融技術
セラミックフォーラム㈱の加藤です。

先々週の第7回ガラス技術シンポジウムにおいて、ガラス製品中の泡問題に関し、ポスター発表をした。 ガラスにとって泡は永遠のテーマで品質欠陥の最たるもの。 経済においてもバブル崩壊など泡はマイナスイメージが強い。

先週、たまたま科学雑誌《ニュートン》2012年1月号を購入した。 《ニュートン》は定期的に読んでいないが、時々、書店でパラパラめくりをして気に入った記事があれば購入する程度。 今回の注目は“電力と新エネルギー 日本が直面している大問題”の特集記事。 色々、電気の基礎から取り上げており、ボケ頭には良い刺激だった。

<ニュートン 2011年1月号>


読んでいるなかで、全く関係のない記事で“身近な泡のサイエンス”という非常に面白い小論文を見つけた。 ガスが過飽和に液体に溶け込んでいるだけでは泡にはならない、適切なサイズの泡(気泡核)がないと、泡として成長⇒発生してこないという。 小さすぎては内圧が高くて、大きく成長できないので気泡核として役割は発揮できないという。(周りの液体の表面張力で押し付けられる) 

液体に気体が過飽和状態に溶け込んでいる例えば炭酸水が順調に泡を出すには何か異質の固体があれば良いと単純に考えていたが、実際は固体の表面に付着している気体が引き金になると言う。 10年以上、ガラスの泡問題を仕事としていながら知らなかった。 早速、この気泡核を調べてみたが、奥深い話に驚いた。 

<気泡核>


また、この記事ではサイダーやビールに関する面白い現象を色々、説明してくれていた。 例えば、サイダーをコップに注ぐと、表面で小さな液体がはじき飛ばされる現象を見るが、表面で泡がはじけた時、表面張力で噴流滴(ジェット)が発生するためと言う。

<サイダーのジェット>


また、通常、泡は上昇するものだが、ある種の黒ビールではコップ周辺の泡が下に降りる現象が見られるとのこと。 これは中央部で上昇する泡が表面で割れる時に中央部のビールを端に押しやるため、その流れがコップの壁にぶつかり下降するため、周辺の泡が一緒に降りていくとのこと。

世の中、まだまだ学ぶことは多い。

学会参加の楽しみ  11月28日

2011-11-28 05:45:55 | 硝子溶融技術
セラミックフォーラム㈱の加藤です。

先週11月24日~25日は姫路で開催された第52回ガラスおよびフォトニクス材料討論会兼第7回ガラス技術シンポジウムに参加した。 今回は、弊社からも2件のポスター発表をした。

<学会>


初日、24日は新横浜を朝7時の“のぞみ”で発ち、姫路に10時前に到着。 駅近くのホテルに荷物を預けた後、歩いて会場のイーグル姫路に到着。 兵庫県立大学の学生さんに迎えられ受付登録、会場入りした。

11時からの京大平尾先生の“ガラス最先端光加工とグリーンイノベーション”には圧倒された。 昔、とても実用的にならないだろうと、高をくくっていたヘムト秒レーザー加工を、その後、空間光位相変調器を発明し著しく生産性を改善した。 次々と紹介される新しいデバイス、応用にショックを受けた。

次は、期待のガラス連合会(GIC)のガラス技術シンポジウム。 トップバッターは東工大の矢野准教授による“ガラスの評価解析技術”。 豊富なNEDOの資金で買い集めた高価な分析機器で難しい高温の溶融ガラスの挙動を次々解明しているのは圧巻。 我々がチェコGlass Service社とやっている方法はまるで竹槍のように思えた。 2番手のNSG酒井氏の発表は別の意味で素晴らしかった。 Spring8の様なウルトラ兵器を使うことなく、通常の蛍光X線を用いて、色々、工夫しSpring8の成果に勝るとも劣らぬ成果をあげている。 特に最後に、分析技術者へのメッセージとして“最近の分析装置が電子制御化し、本来の原理、機能を理解しないままブラックボックスとして利用する問題点”を指摘し、“測定技術者は装置の修理、メンテナンスをメーカーに任せるのでなく、自分でやりなさい”と忠言された。 

4番手のコーニングジャパン小野氏の講演にも感銘を受けた。 彼は同社の液晶ガラスの顧客クレーム担当として、顧客の製造工程で破損したガラスの破壊起点と破壊パターンを解析し、顧客の取扱い不注意を指摘する役割。 お客は神様で、無理難題を直ぐに受け入れる日本のサプライヤーとは違う毅然としたビジネススタイルを見習わねばと反省した。

その後、我々が参加したポスター発表。 先ず、1分での口頭発表。 約20名の発表者がズラリと並び、次々、壇上に上がり、1分間のポスター紹介、あわただしく不愉快でもあった。 その後、別室でのポスター。 2時間程度、立ちん坊で終了。 ついで懇親会。 久しぶりの旧知の方との再会や、初めての人との談話と、楽しく過ごすことが出来た。

<十七八>


懇親会終了後、何人かの知人とホテルに戻る途中、ひっそりとした“十七八”
と言うおでん屋さんを見つけた。 なかなか上品な味。 満腹だったが、結構入
った。 ホテルに戻り、インターネットで調べたら、姫路の古くからの名店。
得した気分であった。

来年は北海道大学とのこと。 是非、参加したいものである。  

新しいビジネス 11月14日 

2011-11-14 06:03:46 | 硝子溶融技術
セラミックフォーラム㈱の加藤です。

弊社は10月20日にホームページを大幅に入れ替えました。 早速、新しいwwwを見たイタリアのガラス関連の装置メーカーから代理店として協力してくれないか?とのmailが入った。 CFは、毎年1社ほど、新しいpartnerと代理店契約を結んでいるが、そのキッカケは色々;
・一番多いのは関連の展示会などにおいて、既に付き合いのあるpartnerからの紹介
・こうしたホームページからの飛び込み
・また、日本の顧客から、こうした製品のメーカーを探してほしいとの依頼で、色々、調査し探し当て、その会社と引き続き協力していくケース

いずれも、受け身のケースだが、時には新規分野開発の一環として、こちらから積極的に売り込む場合もあるが、正直、あまり成功していない。 やはり、CFにとって新規分野(コアであるガラス、パワーデバイス以外)は、経験、実績、開発ネットワークがないので、難しいのだろう。

先週、舞い込んだイタリアの会社の仕事は瓶ガラス関係であった。 チョット特殊で面白かったが、日本マーケットの特殊事情で市場開発は非常に困難と判断し、丁寧に断った。

もう一件、最近、迷っているのはスウェーデンの廃棄物処理装置メーカーS社からの代理店ビジネスの提案である。 この会社の社長は、CFのpartner企業のひとつであるG社の元CEO。 最近、S社にヘッドハンティングされ、同社のCEOとして活躍している。 信頼のおける好人物である彼と、再度仕事ができる点には大いに魅力を感じているが、コアビジネス(ガラス、パワーデバイス)とは異なる分野で、どう開発したら良いか?のアイディアが出てこない。

現在、来年から採用を予定しているドイツ人R君にこの仕事を任せようと思っているが、CFの第三の柱に育ってくれれば面白い。

アメリカ出張 その2  10月24日

2011-10-23 18:41:02 | 硝子溶融技術
セラミックフォーラム㈱の加藤です。

10月17日は2つのコースを終了し、ホテル近くの中華料理屋でビールと焼きそばの軽い食事。 店内は若い中国人(オハイオ州立大学の留学生)ばかり。 愛想の良いオーナーに“アメリカ人のお客は来ないの?”と聞いたら、アメリカ人は金がないと笑っていた。

翌日18日は朝8時からGPCの本番。 世話役のGSアメリカのGlennとGS本社の副社長Erikと早めに会場に行った。 既に約40社ほどがTabletop Exhibitを始めていた。 展示していた旧知のハンガリ電鋳煉瓦Motim社Zoltan、英フォーハースZedtec社Steve、独ひずみ計Ilis社Henningなどと旧交を温められた。 こうした思わぬ出会いが醍醐味。 今回、参加者は350名とか。 当然、米国、南米のガラス屋さんが多数を占めているが、極東からは、日本から3名(私を含め)、韓国からはLG、サムソン、KCCなど7名、中国から2名など。 欧州勢は発表者も含め30名くらいで、硝子に関してはやはり、欧州が米国に先行している印象。

オハイオ州立大学の総長の開会挨拶についで、最初のセッションは“Glass Melting”。 プログラムでは第一バッターはコーニングの“Longhorn硝子社における酸素燃焼炉の成功例”だったが、突然のキャンセル。 結局、一番バッターはTNOのBeerkens、何時ものように精力的。 2つのプレゼンを紹介、1件目は米Plaxairと蘭環境省との共同開発、瓶ガラス用酸素燃焼炉300t/日での省エネ、低NOXの実炉での検証。 2件目は上記の実証結果に対するシミュレーションでのチェック。 この中で、検証法としてポート出口での排ガスのレーザー測定は試みているとのこと。
次はErikの溶解炉において通常、炉のアスペクト比(長さ/幅)が1.58前後が標準だが、本当にそれが一番良いのだろうか?との問題提起から、シミュレーションを用いて、むしろ、1,2がbetterとの結論。⇒後で、検証したのか?との質問に、できたら1の方が良いはずとの意見で、1,2では実証できているとのこと。
その後、Hotwork社Kopserから50年にわたる溶解炉の火上げ経験の実績を紹介、ついで、オランダのコンサルティング会社から主に同国内の資料を用いて、2030年には省エネを現状の50%にするという。 

午後のセッションに入る前に、このGPFの責任者として35年にわたり世話をしてきたオハイオ州立大学Charles H. Drummond教授が今年で引退すると言うので、その後任にGMICのBob Lipetzが任命された。

<Charles H. Drummond教授の紹介>


2012年の73回は2012年10月15日~17日、同じオハイオ州立大学で開催されるとのこと。

午後のセッションは煉瓦特集。 RHI、SEFPROが新しい煉瓦材料、形状を報告、また、同じSEFPROの女性技術者が焼成煉瓦の使用によるコスト削減を報告(同じSEFPROの電鋳煉瓦とのコスト比較をしているのは共食いの可能性もあり面白かった)。イタリーの電鋳煉瓦コンサルタントが中国電鋳煉瓦の問題点を報告、ついで、DSFからはスピネル、ムライト系煉瓦の発展を解説、最後はPlanseeからZrO2強化Moの説明があった。

夜は、週泊したUniversity Plaza Hotelで10社ほどが、それぞれ、バーを開き、顧客を歓迎する形式のパーティー。 GSも出展、アルコール、スナック、ちょっとした料理を提供。 こうしたスタイルで幾らくらい払わねばならないか?と聞いたところ2日間で300,000円程度とのこと。 夜11時ころまで、色々な人と会話を満喫した。

<パーティー、GSのブース>




アメリカ出張(その1)  10月20日

2011-10-20 21:54:10 | 硝子溶融技術
セラミックフォーラム㈱の加藤です。

10月17日~19日、米国硝子製造協会(GMIC)よって開催された“Conference on Glass Problem”に参加した。 開催地はオハイオ州立大学(コロンンバス市)、16日午後4時の便で成田を発ち、16時間の長旅で、現地時間16日午後7時に会場近くのホテルにたどり着いた。(時差13時間)
<第72回 Conference on Glass Problem>


今回も、相変わらず、格安チケットだったが、check-inカウンターの女性から13,500円のエコノミーコンフォートを勧められた。 場所は、通常のエコノミー席の一番先頭列。 普段は、この席の前にはスチュアーデスの待機席がある。 このスペースを利用して+13,500円で売りつけるせこいビジネス。 確かに、前がエコノミー席より広いので、快適にできた。 今回の楽しみ読書は村上龍の“愛と幻想のファシズム”。 最初の経由地ミネアポリスまで、本に集中したおかげで、10時間はあっという間。 ミネアポリス空港はさすが、デルタのハブ空港だけあって成田の比でなく大きい。 3時間の待合い時間も本のお陰で快適だった。

ミネアポリス⇒コロンバスは小型機で1時間。 このコロンバスは30年ほど前、化学会社でR&D担当していたいとき来たことがある。 Battellleコロンバスを訪ねるためだったが、考えてみると何時も欧州で、米国は20年ぶり。

空港からホテルへのタクシーもスムースだった。 湯船に浸かり疲れをとり、早速、ホテルのバーでビールを飲んだ。 同じ会議に出席するアメリカ人が話しかけてきて、一緒に痛飲、快適に就寝できた。 もっとも翌朝は早くから目が覚め時差ぼけからは逃れなかった。

翌17日は午前1コース(瓶硝子の技術 by Mr.G.L.Smay/American Glass Research)、午後1コース(バッチと溶解技術の基礎 by Phil Ross/Glass Industry Consulting)の2つのコースを受講した。 

目的は2つ。 1番目は、18日~19日の本番を控え、米イングリッシュに慣れる事。 英語はCFの仕事に必須のものだが、我々の相手は主に欧州の会社。 それぞれ、仏イングリッショ、独イングリッシュ、チェコイングリッシュとnativeでない者同士が、お互い、恐る恐る使っており、分かり易い。 ところが、英米、特に米国人は、我々non-nativeの語学力のなさは無頓着で、訛った発音を機関銃のように発する。 正直、一番難しいのは米イングリッシュ。 
もうひとつの目的は、11月にCFの技術コンサルタントO氏の講演に少しでも役立つべく、最新の技術情報を仕入れるため。 

本コースには世界No.1の硝子用煉瓦メーカーSEFPRO、ワインボトル製造で著名な米Gallo社、ガラスカラー剤メーカーFerro社、EファイバーのJohn Manville社、韓国LGケミカルなどの技術者が約15名参加しており、活発に質問、意見を述べており、日本とは異なった雰囲気を味わえた。 また、新しい発見として、講師の受講者に対する教える熱意が感じられた。 我々が理解しやすいように、色々、簡単な実験をしたり、アニメーションを多用したり、教えるプロと感じ入った。 つたない英語を使って、加藤もどんどん質問が出来たのも、そうした講師のプロ意識のお陰であった。

明日はいよいよ、本番の第72回Conference on Glass Problem。

サントリー美術館  ヴェネチアン・グラス展  10月10日

2011-10-10 15:00:46 | 硝子溶融技術
セラミックフォーラム㈱の加藤です。

先週末、半分仕事でしたが、ゆっくりと美術展を楽しみました。

所属する日本硝子製品工業会も後援しており、また、顧客のひとつである石塚硝子も協賛しているサントリー美術館“ヴェネチアン・グラス展”でした。 開催期間は8月10日~10月10日で、ほぼ最終日に訪問した形。 本美術館の学芸部副部長土田ルリ子氏の本展示会の見どころレクチャーを聞くため、その日を選んだ。 先ず、彼女の話をじっくり聞いた後、解説イヤホーンも借り、丹念に見学した。
《展示会のポスター》


13世紀に始まった初期から成熟期のヴェネチア・グラス⇒16世紀の欧州全域へのヴェネチア技術の流出⇒16~17世紀に日本にも入ってきたガラス⇒現代のヴェネチア技術⇒ヴェネチア・グラスに影響を受けた日本の現代ガラス工芸家と約150点の作品が系統的に展示されていた。

クリスタルガラスと初めて称した初期ヴェネチア・グラスは良く見ると現代のガラスより透明性、品質、技法的にも劣っている。 それでも古典作品としての価値は高いのだろうが、今回、土田氏の解説に影響されたのか?ヴェネチアガラスの流れをくむ日本女性工芸家3名の作品に惹かれた。

植木寛子
あでやかで官能的な曲線を描く靴のオブジェが印象的。 土田氏の解説によると単身ムラノにわたり、工房に潜り込み、自分のデザインを実現するべくガラス職人を説得した果敢な女性。 インターネットで調べたが、写真のような妖艶な美人。
《植木寛子》


江波富士子
ムラノには行ったことがないが、ヴェネチアン・グラスの技法を基に三浦市で工房を開いているとの事。 今回の展示会では、レースガラスの技法を使い、種々の文様の湯呑みコップ100個を展示していた。 また、土田氏のレクチャーではその工房の様子をスライドで示してくれた。
《江波富士子》


三嶋リツ恵
ずっしりとした透明ガラスを造形した色々なオブジェ。 彼女も単身、ムラノに入り、自身の世界を築いた女丈夫。 現在のベニスに滞在とのこと。

たまたま、今週号の東洋経済の特集は“女性はなぜ出世しないのか 悪いのは男?女?”、しかし、今回のヴェネチアン・グラスに関わる女性工芸家を知るにつけ、全く、心配がないことが分かった。
《東洋経済 10月15日号》



本を書く  8月23日

2011-08-23 07:00:59 | 硝子溶融技術
セラミックフォーラム㈱加藤です。

先週は出版するということに関し、考えさせられる週だった。 昔から、本を出版するって事は、スゴイことだ!と、言論人や文豪はスーパーマンと羨望の念があった。 人生なんて、はかないものだが、後世に名を残すということは人間としての欲望の一つかもしれない。 そのなかでも、自分の本を残すことは素晴らしいことだと思っていた。

先々週、たまたま、会社の若い人がインタネットで自費出版の“ガラスびん”と言う本を見つけ、国会図書館で閲覧した。 なかなか、面白いということで、出版社を探し当て、購入を依頼したが、《自費出版なので、出版社として販売は出来ませんが、著者に連絡してあげます。》との返事。 しばらくして、著者のK氏より、mailが入り進呈するとの有難いお言葉。 数日前、郵送で到着した。 

“ガラスびん”


読ませてもらったが、ガラスびんの品質管理が主で、目的だった“溶解⇒成形の製造工程”は、わずかしか触れられておらず、残念だったが、この自費出版の著者2名の“あとがき”に感動した。 お一人(K氏)はユーザーであるビール会社の品質管理技術者で、もう一人はその製造を担当した瓶ガラスメーカーの品質管理技術者。 定年退職後、お互いの現職時代の苦闘を記録に残そうと出版したのが、この自費出版本。 もう一度、読み直してみると文献調査のち密さ、詳細な説明は大いに現役の技術者に参考になると確信した。 

たまたま、その週は株主でもあるテクノインテグレーション㈱出川社長と決算の報告を兼ね、懇親の場を持った。 その席で、彼が最近、著名なザインエレクトロニクス㈱飯塚社長、東工大田辺教授と出版した“最強ベンチャー論”を頂いたが、加藤の“ガラスびん”自費出版の紹介から、本を出す意味に関し、色々、議論した。 彼は54歳で脱サラし、技術経営(MOT)のコンサルティング会社を設立、8年が経過、順調に会社運営をしている。 著書も多数あり、今ではMOT論の権威の一人。 

“最強ベンチャー論”


彼はしきりに、《自費出版は自己満足になりがちである。 やるなら、中小の出版社と交渉し、本格的な出版を目指すべき。 編集者たちとの交流を通じ、自書がより普遍性を持つようになる。 また、多くの読者との交流も始まる。》と持論を展開、《貴方もやったらどうか?》と煽られた。

なお、この“最強ベンチャー論”も早速読んだが、対談形式でもあり非常に読みやすく分かり易かった。 また、飯塚社長のベンチャー社長の心得、日本の大手企業への痛烈な批判など、大いに感銘を受け、早速、弊社の若手に読むように勧めた。

まあ、本を書くなんて畏れ多く、精々、ブログで憂さ晴らしが精いっぱい。

ICTって?  8月11日

2011-08-11 06:59:43 | 硝子溶融技術
セラミックフォーラム㈱加藤です。

先週8月3日、日経ホールで開催された“世界ICTカンファレンス”という物々しいタイトルのセミナーに参加した。 知恵蔵によると《ICT(Information and Communication Technology)は「情報通信技術」の略であり、IT(Information Technology)とほぼ同義の意味を持つが、コンピューター関連の技術をIT、コンピューター技術の活用に着目する場合をICTと、区別して用いる場合もある。国際的にICTが定着していることなどから、日本でも近年ICTがITに代わる言葉として広まりつつある。》とのこと。

《世界ICTコンファレンス 2011》



特に今回主催のNECのビジネスモデルは、情報(information)に加え、スマートグリッドに代表されるエネルギーを重要視した情報システムに期待しているように思えた。 低成長が予測される少子高齢化の成熟社会において、今後、どんな情報システムが考えられるか?聞いているうちに、一つのイメージがわいてきた。 なかなか示唆に富んだセミナーであった。

《スマートグリッドとICT》


時あたかも、一昨日8月9日の日経産業新聞は“パソコン30年”と称した特集記事をデカデカ1面トップに出していた。 なかなか、面白い企画であった。 1970年に米ゼロックス社パロアルト研究所で生まれたPCが、その後のインテル(1968年)、マイクロソフトのビルゲーツ(1975年)、アップルのジョブズ(1976年)に刺激を与え、それぞれ70年代に産声をあげた。
PC時代(1970~90年)⇒インターネット時代(1980~2010年)⇒スマートグリッド時代(2010年~?)と20年ごとに単純化すると、インターネット時代の寵児であるGoogle、Twitter、Facebook、ハードでは2007年発売のiPhone、2010年のiPadと整理できる。 次のスマートグリッド時代では、10年後、どんなシステムとハードが出てくるか?予測は難しい。

《ジョブズとiPad》


ITを自分史的に顧みると、1980年時代はもっぱら、富士通のワープロで通信はなし、便利な報告書用マシーンであった。 1992年に商社に移籍し海外ビジネスを始めた時、初めてPC+インターネットに触れた。 当初、それらが無かった時、輸入品の破損事故の保険業務は破損品の写真を撮り、DHLでメーカー、海外保険会社に通知するやり方をしていたが、軽く1週間はかかっていた。 ところが、デジカメを使いインターネットで送れば即決。 これにはしびれた。

2001年CFを設立したが、“PC+インターネット”がなかったら、設立は無理だったのでないか?とさえ思っている。 技術商社において、海外との通信、情報交換は最重要業務。 インターネットによるスピードアップとコストダウンが大きな支えとなった。

2008年頃からGoogle、クラウドに注目し、思い切って会社のグループウェアをGoogle Appsに変えた。 また、2009年、創業当時から進めていたwwwのSEOを進めるべく、ブログやツイッターを会社として始めた。 また、個人としても2011年初めに、スマートフォンに手を出し、Facebookも始めた。 さらに、今月からiPadにも挑戦している。

考えてみると、CFは省エネ関連のビジネス(パワーデバイス、硝子溶融技術での省エネ)を進めているが、ITはこれらビジネスのサポート役として事務合理化に役立てている脇役でしかない。 ところが、ここにきて、そうしたITが直接、省エネ技術の基幹になってくる可能性が出てきた。 本セミナーの基調講演で、慶応大学の山中教授も《2011年3月の東日本大震災を契機に、IT とエネルギーが融合する社会が出現する可能性が出てきたが、どんなビジネスモデルがあるのか、未だわからない。インターネットが始まった時、アマゾン、Google、Facebookのようなビジネスが想像できなかった。》と話された。