「カジノいらない!東京連絡会」は、2020年6月8日、小池百合子・東京都知事に対し、2064筆のカジノ誘致反対署名を提出するとともに、以下のとおり、「IR誘致の是非に関する態度表明を求める申入書」を提出しました。現職の知事として、きっぱりと誘致反対の態度表明をしていただく必要があると思います。
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2020年6月8日
東京都知事 小池百合子 様
カジノいらない!東京連絡会
代表幹事 釜 井 英 法
ほか3名
IR誘致の是非に関する態度表明を求める申入書
(申入の趣旨)
東京都へのIR誘致をしない旨、明確に態度表明することを求めます。
(申入の理由)
1 署名の提出について
当会は、本日、「東京にカジノを誘致しないよう求めます~人の不幸をもとにした経済政策は要りません~」と題する署名2064筆を提出しました。
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、集会その他の署名集め運動がままならない中でも、これだけの署名が集まったことを重く受け止め、東京都へのIR誘致をしない旨、明確に態度表明することを求めます。
2 東京都へのIR誘致に関する検討状況について
東京都は現在、カジノ施設を含むIRの誘致について、「IRにはメリット・デメリットの両面があることから、国の動向を注視しつつ、総合的に検討を進めていく」
としています。
そして、「IRに関する検討を進めるにあたっては、国内におけるギャンブル等依存症への取組等の現状を把握することに加え、海外の大都市にあるIR・カジノ施設、MICE施設の最新状況に関する情報を収集することが重要である」として、多額の費用をかけて、度重なる委託調査を行ってきました。
3 新型コロナウイルス感染症の拡大について
しかし、新型コロナウイルス感染症の拡大により、海外のカジノ施設の多くが営業停止となり、収益は極端に悪化しています。営業再開しても、直ちにV字回復が可能であるとも考えられません。日本進出が有力とみられてきた米ラスベガス・サンズ社も、日本でのカジノ事業の展開を見送ることを発表しました。
新型コロナウイルス感染のパンデミックは、地上の施設内において対面で賭博を行うカジノというビジネスモデルの脆弱さをさらけ出しました。今後も、いや応なく新型コロナウイルスとともに生きていかなければならない状況下、「withコロナ」という新しい日常が求められている中で、密閉・密集・密接という三密の環境で、24時間ギャンブルを続けることとを可能とするカジノ施設による収益によって、IR事業を展開しようとするビジネスモデルに、東京都の未来を賭けるわけにはいきません。
さらに、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、外出自粛が求められている中でも、パチンコ通いがやめられない人々が多数いることも、明らかになりました。カジノ施設を開設したとき、ギャンブル依存症の問題が、さらに深刻化することは、避けられません。
4 カジノ誘致の是非に関する態度表明の必要性について
このような状況を踏まえて、東京都はIR誘致をしないということを、速やかに、態度表明して頂きたいと考えます。
もし仮に、今後も、引き続き、IR誘致に関する検討を進めていく場合には、さらなる調査活動を重ねていくことが必要不可欠となります。しかし、そのような調査活動自体、不要不急の業務として、見送らざるを得ない現状を踏まえれば、これ以上、結論を先送りにすることはできません。
5 結論
以上より、現職の東京都知事として、東京都へのIR誘致をしないことを、明確に態度表明することを求めます。
以 上