2016年12月28日(水)
BARKS
【音楽ギョーカイ片隅コラム】Vo.62 「SMAPの終焉に思うこと」
(記事より抜粋)
SMAPは、ただの国民的アイドルグループではない。日本に根付いたアイドル文化において、最長期間活躍し、貢献した、正真正銘のトップ・アイドルグループだ。歴代のジャニーズ出身のグループの中でもその活動期間の長さと人気度から別格と言えよう。――
SMAPを音楽的側面から観ると、テレビの歌番組がほぼ消滅し、アイドルとして「歌」に置かれる比重が少なくなった分、他の新分野へも才を分配された時代の変化をものともせずに、従来のアイドル同様またはそれ以上にヒットを飛ばしてきた。
ミュージシャンとして、個々に光るものが強くあったかどうかはわからないが、楽曲のクオリティの高さと彼らのグループとしての個性が相まって音楽的魅力となっていたことは明らかだ。
そして、B'zと並んでチケットが取れないと有名だったのがSMAPのコンサート。――
SMAPの活動期間は27年。アイドルグループとバンドは違うがグループ活動という点では共通するので比較すると、世界中の多くのバンドが短命で終わる中、27年間もグループ活動を続けられることは奇跡に近い。
その長い期間中、もう十分すぎるほどファンへ、そして世間への貢献は成されたのではないだろうか。
謝罪会見を見た時も思ったが、胸が苦しくなったし気の毒に感じてしまった。一体、誰に謝る必要があったのだろう?――
アイドルという言葉裏にある色眼鏡を外さざるを得ない才と努力の結晶であったモンスター級グループはまもなく消えてしまうが、彼らの生み出した作品とそこから見える世界はずっと存在し続けるし、個々の活動にも期待を寄せられることは素晴らしいことだ。
これから彼らが歩む新たな道の選択とそこでの活躍を同世代として楽しみにしている。
BARKS
【音楽ギョーカイ片隅コラム】Vo.62 「SMAPの終焉に思うこと」