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私の空

蝶のように毎日旅立てれば…

絵本考

2023-01-10 06:28:56 | 
 子どもをとおして得た知識や思いがけず出会った素晴らしいものは無数にあるが、その内のひとつに「絵本」がある。自分が幼い頃に母親に読んでもらっていた、あるいは読み聞かせカセットに合わせてページをめくっていた記憶はなんとなくあるが、大人になってからわざわざ絵本に手を伸ばす機会は少なかった。美術館での絵本の原画展などに際して「ああ、こんな絵本もあったなあ/あるんだなあ」と思う程度だったように思う。出産お祝いにいただいたものや、近隣の図書館での読み聞かせをきっかけに絵本との再会と復縁を果たすことになったが、絵本とはなんと面白い芸術なのだろう、と改めて気づかされた。
 当たり前のことなのだが、絵本は「文」を書く作家と「絵」を描く作家(時には同一人物)のコラボレーションである。特に乳児向けのものは物語性が極めて薄いため、文だけでも、絵だけでも作品として成立しないものが多い。文は絵を補足するものでなければ、絵も文を補助する挿絵ではなく、双方が融合してこその芸術であることがわかる。実際著名な詩人と著名な画家の思わぬタッグに驚くことは決して少なくない。
 今を時めく若手美術家と詩人のコラボレーションをいつか主導できたら面白いのになあ、なんて妄想もしながら、今日もお座りの練習がてら、絵本の読み聞かせをする。