(Sometimes I'm Happy.)

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オザーク山。

2007年09月29日 | 2006_2010_memo
 若かりし頃、チャーリー・パーカーは、腕試しで参加したジャム・セッションで、2コーラス目のアドリブをトチリ、ドラマーからシンバルを投げつけられた。このことは、クリント・イーストウッドが監督した「バード」(原作はロス・ラッセル著「バードは生きている」)のワン・シーンにも象徴的に扱われていて、天才パーカーが誕生するきっかけになった逸話である。そして、この後パーカーはレスターヤングのレコードとポータブル蓄音機を持ってオザーク山にこもり、レスターヤングの演奏を研究しコピーしまくる猛烈な練習を行なったのである。
 剣豪が他流試合に備えて山にこもり、一人自分を鍛えるのによく似ている。そういえば、あの星飛雄馬も大リーグボール3号を投げ終えてマウンドから去ったあと、バッターとして再起するまでの間も山にこもって滝に打たれていたね。まぁ、それはどーでもいいことなんだけどさ。
 とにかく、パーカーは天才と呼ばれるに至るまでの間、若い駆け出しのサックス奏者として山にこもり努力に努力を重ねる練習をしたわけだ。どんな練習をしたかというと、ただ単にレスター・ヤングのコピーに徹していたわけではなかった。レスター・ヤングのレコードの回転数をあげて、いつものレスターの演奏を倍近い速度にして、それをコピーした。これを毎日繰り返しているうちに、あのパーカー・スタイルと呼ばれる奏法の基礎ができあがったってことなんだよ。
 だから、バードの師匠はやっぱりレスター・ヤングだし、中間派からビ・バップが生まれたと言っていいんじゃないかな。どう思う。

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