BS・・もとい! VS隊長な日々

ただの保護者だったのにいつの間にやらBS隊長3年を経てとうとうVS隊長。
愚痴や独り言が満載

進級章の重み

2008-05-20 15:45:44 | ボーイスカウト

つい先日、当団始まって以来のベンチャーのプロジェクトアワードを
独りのスカウトに授与した。
進級に無頓着な、というか活動実態に乏しいベンチャー隊だったので
富士はおろか、アワード目指してプロジェクトを実施したこともなかった
らしい。

まあ、昔の話はいいか。

今でこそ、私は「富士を目指さないベンチャー活動はありえない!」と
言っているが、そんなわけだから私自身、富士を輩出したことがない。
(団としてはSS富士をずっと昔に1名だしているらしいが当時の活動の様子
 を窺い知る資料がなにもない・・・残念!)

富士を取得したスカウトの気持ちはもちろんわかりようもないが、
富士を出した隊長がなにを思うのかも残念ながらまだ知らない。

BS隊長のころに菊を数名輩出した。
自分が隊長としてはじめて輩出した菊がいまのうちの議長なのだが、この
ときは本当に万感こみ上げるものがあった。
もちろん取得したスカウトもとても誇らしげで、現在の活動に至る大きな
動機付けにもなっているのだろうと思う。

そして、先日のアワード第一号。
このスカウトは現在の議長と動機だが、なにによらず卒のない議長の影に
回ることが多く、桧舞台に上がる機会が比較的少なかったスカウトである。
それでもBS時代に議長も取れなかった地区の1級スカウト大会で銀をとったり
中学3年の6月に満を持して菊を取得して、とひとつづつ自信を積み上げてきた。

今回のアワードも議長に先んじての取得であり、大きな自信になったことと
思う。 さらに前のエントリーでも書いた、副賞ともいえるようなすばらしい
プレゼントもいただき、本当に嬉しそうに、でもただの嬉しさではなく、
これからの富士に続く道のりに決意を新たにするような、なんとも神妙な
面持ちで授与を受けたことが印象深い。

私にしても「よくぞここまで」の思いが強く、こみ上げるものがあった。

「たかだか」アワードひとつでもこの態である。


昨晩、あるSNS上で「富士も菊も簡単にとれる」という書き込みがあり
その日記の主がいたく憤慨した、という話を耳にしたが、いったいどのような
意図での発言なのだろうか?

確かに菊にしても富士にしても考査ノルマのハードルは少年隊/年長隊、
あるいは特修章時代/SS富士 の時代に比して高いとはいえない。
だが、ひとつひとつの項目にベストを尽くし本気で取り組んだならばとても
「簡単」などといえるものではない。

もちろんデッチアゲの「夏休みの自由研究」レベルのプロジェクトをノーチェック
でアワード認定するのならたしかに「簡単」だろう。
そして、現行の「制度」によればそれをするもしないも「隊長の見識」に
かかっている。 隊長がそれでいいじゃん、というのならたしかに菊も富士も
簡単なのだろう。

だが、そんなことは我々隊指導者の目指すところだろうか?

ただバッチが欲しいのならヤフオクでもe-Bayでものぞけばいい。
菊と言わず、富士といわず、EagleでもQueen's Scoutでも現実的な
値段で入手が可能だ。(ついでに言えば指導者の2ビーズも4ビーズも同様)

趣味としてのコレクションならそれもありだが、スカウトに取得させる、と
考えればなんの意味もないことは誰しもわかるはずだ。


私自身、時として
「富士は取れますよ、別に特別なことは必要ない」
っていう発言をすることがある。
だがこれは富士を軽んじているのでも、取得に至る道が安易であると評して
いるのではない。
文脈をきちんと聞いていればわかるはずだが

「ベンチャー課程の活動を地道にひとつづつきちんとやっていけば『特別』
なことをしなくても必然的に富士にたどり着きますよ。」
という意味である。

そして、言外に
「その当たり前の地道な活動をひとつひとつきちんと続けることが実は
いちばん大変なこと、いちばん大事なこと」である、という意味をこめている。

ご本尊(SAJ)ではベンチャープログラムについて自信を失いグラグラ
しているようだが、ベンチャー課程とは注意深く、丁寧に実施するならばとても
よく出来ていて、その地道な活動は正しく富士章取得に通ずるように出来ている。
だからこそ
「富士章取得を目指さないベンチャー活動はありえない」
のである。

ところがこれをどこでどう曲解するのか、
「富士なんて『簡単』」ということを平気で言い出す指導者が存在する。
それもスカウトにたいして「あまり大変そうに考えるな、まずは気楽に一歩
踏み出せ」と導入で励ます意図での発言ではなく「簡単」=「チョロい」
という文脈で使う指導者がいる。


以前にうちの議長が参加したプロジェクト発表会でもある指導者が終会に
際してスカウトたちに
「プロジェクトなんて簡単だよ。目標を二つか三つならべてちょいちょいって
実施した記録を書いて、写真を何枚か貼り付ければすぐアワードなんて取れるよ。
それを3回やったらすぐに富士章だぁ!」
とやったそうである。

これを聞いたうちの議長は
「硬く考えずに気楽に、まずはやってみよう、という意図だったのだとは
思いますが・・・」 と前置きをしたうえで
『本気で頭にきました。 私はそんな富士を取るつもりなんてありません!
 その場でも「私は本物の富士(不二)スカウトを目指します!」って宣言
してきました。』

と憤慨していた。


指導者が進級章を軽んじてどうするのであろうか?

だれよりもその重みを感じ、その意義を感じ、それをスカウトに伝えていかなくては
ならないはずなのに。
そしてだからこそ、矜持をもってそれを目指すことを支援していくはずなのに。


どこかでおかしな流れが出来ているのだろうか?

最新の画像もっと見る

5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (21WSJ21)
2008-05-21 00:30:03
うちの県連にも,指導者講習会などで参加者に対して
バッジなんか全然興味ないと言ってのける4ビーズさんがいらっしゃいます。
アワード (Iインストラクター)
2008-05-21 01:00:19
アワード取得は、スカウトの活動の励みになるものと思います。
だから、簡単に取れたアワードでは、励みになるわけはありません。

先日、私がいる隊の上班が交代して、VSスカウトが着任しました。
早速、スカウトたちの指導にあたってもらいました。
途中で、一つの班の班長が早退したので、その班がまとまらないから、困っていると言ってきたので、君が班長の代役もやってくれてかまわないから、どんどん班員を指導して欲しいと伝えました。

スカウトからスカウトに指導する事がこの運動の肝であり、後輩スカウトたちにスキルが身につく一番の方法だから、自分で指導の仕方をどんどん考えて、出来るならプログラムも考えてくれてかまわないから。頑張って欲しいと伝えました。

そして、BS隊に奉仕した実績をちゃんと報告書として提出すればアワードだって取れるぞ!と、煽りました。
ちょっとやる気を見せたのか、それまでと、明らかに指導の勢いが違っていました。

どうなるか分かりませんが、彼も煽って行きたいと思います。

進歩制度への某匿 (ibcjap1)
2008-05-21 12:51:38
俺見たよ、そのコメント。
ついでに俺もコメントしたよ…『へぇ~、菊や富士が簡単にとれる団があるのかい?…
でも、そんなにかんたんにとれる章なら、いらねぇや』って。
すぐに相手から抗議のメール来たよ。絡む相手を間違えてる輩でしたが…

『富士や菊は、かんたんにとれる』と書いたその指導者の感覚…

歯をくいしばって頑張っているスカウトや、支援下さる保護者、指導者達の苦労を考えた時…俺は絶対に許せんセリフだと思った。許せる訳がない!!!

そのコメント書いたヤツの団のHP見たけど、確かに甘っちょろいコトやってるわ。

でも…富士など輩出した団ではない。だからこの様な、進歩制度を某匿するセリフが『かんたんに』吐けるのだろう。

こんな情けない指導者が青少年を教育するとは、業界も地に堕ちたもんだと感じた。


その昔、『誰にでもかんたんに写せます!』と言ったコピーのインスタントカメラのCMがあった。
最後のオチはこうだった
《それなりに…》(笑)

大都会の、ある団のお話でした。
Unknown (bskurosan)
2008-05-21 13:11:04
進級章の重さは真剣に取り組んだスカウト、さらにはそうしたスカウトを指導した隊長は例外なくご存知のことと思います。

隊の方針にもよりますが、BSの2級あたりからは(本来は)活動に参加するだけではお呼びでなくなります。 様々な課題を自ら考え準備して実施し、報告しそれをきちんと評価してもらってはじめて取得がなります。

うちのBSでも私が隊長の時代には独自に関門課題を設定し絞りました。

上にコメントいただいたibcjap1さんの団ではうちよりも更にぐんと厳しい関門を設定しいます。

スカウトはそうした関門を自らの力と周囲のサポート、応援を得て突破していきます。

「簡単」になんて出来ません。


VSになればプロジェクトひとつ完修するだけで数ヶ月かかります。 今回のうちのVSスカウトを例にとれば8ヶ月の期間にわたり毎月3回程度のカブ隊の活動に参加している。
その場に行けば済むような「ヤワ」な活動ではもちろん認定しないから活動毎に計画、準備、目標設定を行い、活動後は必ず自己評価を報告としてまとめていく。 その間にも何度かの中間評価で甘さを指摘し、やり直しを何度も指示して、本当にクタクタになってやり遂げた。

その間に勿論学校の課題もある。
このスカウトは実業高校なので実習も毎日放課後にあるし週末もVSやCSの活動前やあとに学校に行くことも多かった。

そうした活動を間近に見て、あるいは更に厳しい課題や指導を与える私たち隊長がこうした発言・・・「簡単だよ」を聞いたらちょっと冷静でいることは難しいと考えます。


第一、取得したスカウト自信がその成果を誇りに思えるものでなければ取得の、もっと言えばこの活動の意味がないではないか、と感じます。


ibcjap1隊長には不本意な「穏当」な表現をお願いしました。
お礼申し上げます。
Unknown (21WSJ21)
2008-05-21 19:37:56
>その昔、『誰にでもかんたんに写せます!』と言っ
>たコピーのインスタントカメラのCMがあった。
>最後のオチはこうだった
>《それなりに…》(笑)

《美しい人はより美しく》
「(一生懸命頑張った)立派なスカウトは,より立派に」