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銀の匙 のスローリーディング

2019-09-29 12:18:18 | 読書

銀の匙 中勘助

 1915年(大正4年)4月17日から6月2日まで後編全47回が東京朝日新聞で連載された。

本棚の引き出しにしまった小箱の中にある銀の匙をきっかけに、その匙を見つけた幼年期の伯母の愛情に包まれた生活を回想する。

 灘中学校の国語教諭の橋本武が一冊を3年間かけて読み込む授業を行っていたことでも有名。

 どこまでできるか分からないが、灘中学に通っているつもりになって、スローリーディングしてみる。

 

私の書斎のいろいろながらくた物などいれた本箱の抽匣《ひきだし》に昔からひとつの小箱がしまつてある。それはコルク質の木で、板の合せめごとに牡丹の花の模様のついた絵紙をはつてあるが、もとは舶来の粉煙草でもはひつてたものらしい。

 粉煙草が入っていたコルク質の木でできた小箱

粉煙草は馴染みが薄いが、鼻の内側の粘膜に付着させてニコチンを摂取するタバコ。日本人にとっては怪しい感じもしますが、普通の紙巻たばこより遥かに長い歴史があります。読んで字のごとく香りを楽しむタバコです。英語ではSNUFF(スナッフ)と言います。ムーミンに出てくるスナフキンの名前の由来でもあります(スナフキン=嗅ぎタバコを嗜む者)手の甲の親指、人差し指の付け根のくぼみに適量(一つまみほど)のスナッフを載せ、鼻から吸引するのが一般的な摂取法です。この三角形の窪みは医学の世界では「解剖学的嗅ぎ煙草入れ」と呼ばれています。

 

なにもとりたてて美しいのではないけれど、木の色合がくすんで手触りの柔いこと、蓋をするとき ぱん とふつくらした音のすることなどのために今でもお気にいりの物のひとつになつてゐる。なかには子安貝や、椿の実や、小さいときの玩《もてあそ》びであつたこまこました物がいつぱいつめてあるが、そのうちにひとつ珍しい形の銀の小匙のあることをかつて忘れたことはない。

 

子安貝

タカラガイ科に属する大形の巻貝の俗称。殻は卵形で光沢があって厚く堅い。古くから、安産のお守りとされた。殷王朝(紀元前1600年~1046年)の時代には貨幣として使用された。ベトナム、モルディブなどでしか採れません。希少性と豊産を示すような形状などから宝物としても珍重された。

椿の実 

カチカチの固い殻に種が入っている構造になっています。種が成熟してくると、殻が三つに割れて、中の種がむき出しになって地面に落ちます。

 

それはさしわたし五分ぐらゐの皿形の頭にわづかにそりをうつた短い柄がついてるので、分《ぶ》あつにできてるために柄の端を指でもつてみるとちよいと重いといふ感じがする。私はをりをり小箱のなかからそれをとりだし丁寧に曇りを拭つてあかず眺めてることがある。私がふとこの小さな匙をみつけたのは今からみればよほど旧い日のことであつた。

 

さしわたし  あまり使わない言葉だが、直径の意味

5分  1尺=3.03cm   10分=1尺 よって5分は1.5cmくらい

 

さしわたし五分の円形の頭  かなり小さい匙であったようだ

 

 

 


気候行動サミットで演説したグレタさんとは

2019-09-28 00:39:25 | ニュース解説

国連の気候行動サミットで演説したグレタさんとは?

スウェーデンの高校生で環境活動家のグレタ・トゥーンベリさん(16)。

環境問題に関心があり, 毎週、金曜日に学校を休んで温暖化対策を訴え続けたことがソーシャルメディアを通じて若い世代に影響を与え、運動が世界に広がっています。

グレタさんに共感した若者を中心に合わせて数百万人が行進などをして、各国政府に対し温暖化対策をより強化するよう求めました。

国連の気候行動サミットでは、グレタさんは首脳たちに対し「あなたたちを見張っている」としたうえで「生態系は崩壊しつつあり、私たちは絶滅の始まりにいるのに、あなたたちときたら、お金や永遠の経済成長というおとぎ話ばかり。よく言えたものだ」と涙ながらに訴えた。

 賛同:イギリスのヘンリー王子は環境問題や野生動物の保護活動に取り組んできた。サミットで各国のリーダーに対し、科学的事実に基づいた気候変動問題の緊急性を理解して、早急に行動を取るべきだと訴えたグレタに賛同した。

 批判:アメリカのトランプ大統領は、グレタさんについて「明るく素晴らしい未来がある、とてもハッピーな女の子のようだ」とツイートした。

高級ブランド「LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン・グループ」の会長兼最高経営責任者のベルナール・アルノー氏はここ数十年の経済成長により、世界中の多くの人々が貧困から脱却し、健康状態が向上したと指摘。「過去に戻りたくなければ、成長が必要だ」と語った。

 Fox TVで、司会者のローラ・イングラハムはトゥーンベリさんのスピーチの映像を紹介した後、冷め切った表情で「ぞっとしたのは私だけでしょうか」とため息交じりで視聴者に問いかけた。


人に認められるということ

2019-09-25 20:47:56 | 日記

仕事の流儀  

包丁職人 坂下勝美さんについて

20代の頃、50年の経歴で 電動式砥石の販売をはじめるうちに、自分も研ぎ師として活動しはじめたそうです。

はじめは、うまくゆかず、包丁屋がネクタイしめとる、といって蔑まれたり、苦労が多くあったとのこと。

様々な苦労の末、やっと認められる様になったのは、30年以上続けてから。

食いしばった歯は抜け、指はまがり苦労した末、

有名料理人に認められたのがきっかけで、注文が殺到するようになった。

 辛いことがあったり、他に良い話があったらすぐにやめるか、 愚直につづけるのが良いか

難しい問題。 辛くても、続けて最後に成功して良かったが、だれにでもできることではないし、

坂下さんも本当に成功するかどうか、わからなかったと思う。