TVドラマ「冒険・活劇・ファンタジー」

「ドラマの視点」です!

西遊記 第5話 子供の国

2006-07-02 | 西遊記
旅の途中、孫悟空が「赤ん坊」を拾いました。生まれてからきょうまで親の顔を知らない孫悟空でしたが、献身的な母性愛をみせ、赤ちゃんをあやし始めます。赤ん坊の兄弟はすぐに見つかったものの、赤ん坊の家に母親は不在。どうやらそこは「子供だけが暮らす町」。大人はどこか別のところで生活しているという。

西遊記 第5巻「子供の国」
三蔵法師/深津絵里 孫悟空/香取慎吾 沙悟浄/内村光良 猪八戒/伊藤淳史
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「子供の国」を仕切るのは「親の顔を知らない少年・純純(吉武怜朗)」。大人は汚れた存在だから平和に暮らすには子供だけの国が一番いいのだという。いうことは勇ましいが、なにか秘密があると案じる三蔵一行。

この町にきてすっかり「育児」が板につき、まるで母親のような振る舞いで「親になりきる」悟空でしたが、やはり町のことは気になるようす。どうやら大人たちは「地下牢」に閉じ込められ、牢屋を守る「女医らしき妖怪」(紅蟻夫人/高橋ひとみ)は、「大人は穢れている。外に出ると病気が流行るからここに閉じ込めている」といい、その言葉を信じた大人は、「子供のために……」と身をささげ地下牢でひっそりと暮らすのでした。

純純はもともと「親がいないから病気にかからない」のだと。純純は、妖怪のいうなりに「子供の国」をつくりそこの指導者となることで自らの幸せを得ようとしますが、それはやせ我慢でした。ほんとうはいつか「親の顔」を見て、「お父さん」「お母さん」と叫ぶのが夢でした。

そんな中、ついに純純と女医(妖怪)との密約は破られました。女医のほんとうの目的は、「大人たちを捕まえ、奴隷として売りさばくこと」でした。それを知った純純は止めようしますが、病原菌を飲まされて……。そしてついに、孫悟空と妖怪(女医)との対決。

「対決シーン」が本編の「五分」以上を使って描かれるという手のこみよう。妖怪の手のヒラから「火の玉が飛び出す」という仕掛けで悟空らを苦しめました。悟空・伍浄・八戒の動きは、殺陣のアクションでかたどられ、時代劇ファンもうならせる出来栄えか。

純純のせっぱつまった環境は充分には描かれたとはいえないものの、「自分の弟」の面倒をみてくれた(「育児」してくれた)孫悟空に対し、「お父さん」と呼ぶ、せつない心待ちはなんとか伝わったようにも。子供の内面を描くというこれまでとは違った作風でしたが、シリーズの中にこのような「意欲作」が一本でもあると、俄然ドラマに弾みがつく。(ドラマの視点)


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