偏平足

里山の石神・石仏探訪

石仏517独鈷山(長野)

2014年05月23日 | 登山

独鈷山(とっこやま) 六地蔵(ろくじぞう)

 5170 【データ】独鈷山 1266メートル▼国土地理院25000地図・武石▼最寄駅 JR長野新幹線、しなの鉄道・上田駅▼登山口 長野県上田市前山、西前山集落の虚空蔵堂▼石仏 虚空蔵堂境内。地図の赤丸印。青丸は不動滝、緑丸は塩野神社

【案内】信州の鎌倉と称される塩田平。その盆地を囲む山の一つが独鈷山だ。西前山からの道は、虚空蔵堂の先まで車で入れた。虚空蔵堂には六地蔵がたたずむ。寺の境内には普通に見られる六地蔵だが、山中で会うことは少なく、このブログでも何度か案内したが、いずれも不完全なものだった。
5171 5172 独鈷山の六地蔵も山というより、山の入り口の寺の境内に立つ地蔵である。六地蔵は地獄・餓鬼・畜生・修羅・人・天の六道に苦しむ人々の救済を目的としたもので、個々の名称はさておき、姿はどれも比丘形だが持物に変化がある。虚空蔵堂六地蔵の持物は錫杖・宝珠、香炉、合掌、蓮華、甘露印? 蓮華を持つ地蔵は珍しい。六地蔵で多いのは『仏像図彙』に描かれた持物で、数珠、施無畏・引摂の印、合掌、錫杖・宝珠、柄高炉、幢幡である。同書には「蓮華三昧経」による宝珠・説法印、錫杖、幡、宝珠・甘露印、幢幡、錫杖・引接印の六地蔵も載っている。蓮華を持つ地蔵としては『仏像図鑑』に予天賀地蔵に、「左手に蓮華を持つ」という件がある。
5173 5174 登りだしてすぐ不動滝がある。滝手前に石燈籠の片割れがあるので、この滝は独鈷山の修業地だったのであろう。不動明王が岩の間に隠れるように立つ。高さ
70センチ。右手に剣、左手に羂索をにぎり、辮髪を左肩にたらして立つ基本的な不動明王である。狭い山頂には石祠と5175 木祠がある。木祠に納められた陶製の猪は南山麓の宮沢からの道の立てられた十二支の最後の猪。

 【独り言】独鈷山に登った5月11日は、登山口の西前山に建つ塩野神社の祭礼でした。何でもこの神社の祭礼は六十年に一回〝甲子の年〟と決まっているそうですが、その中間の年にも特別に〝甲子中間祭〟5176 5177 を行い、この日は中間祭だそうです。独鈷山に登っている間中、太鼓や花火の音がしてにぎやかそうでした。山を下りて、神社近くの畑を利用した臨時駐車場に車を入れて立ち寄ってみました。参道の杉並木には露店がならび、境内ではこの日のために呼ばれた芸人を見る大勢の見物人の輪ができていて、祭は最高潮でした。 

 

 

 

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