【独り言】 ベトナムの人たちは店にも神仏を祀ります。長方形の箱型の祭壇で、店先の地べたにドーンと祀ります。高級な装飾品を扱うお洒落な店でも、小さな店でも祀ります。「五方五土龍神」他の文字が目立ちます。商売繁盛の神なのでしょうか。祀られているのは布袋や観音が多いように見えますが、仏教や道教やいろいろな宗教が混じった神々がベトナムの宗教だそうですから、素人が神仏を特定するのは無理なようです。この神仏や祭壇を売る店もホーチミンの街には目につきました。もちろん祀っていない店もありました。しかし、高級な装飾品を扱う店には不釣り合いだな……は、信仰心のないゲスな私の独り言でした。
一般の家庭では小型の祭壇を祀っているそうです。これは部屋の上の方に祀り、柳と宝瓶を持つ観音のような女神を祀っているのを見ました。
帰ってから無理なことを少し調べてみました。地べたに祀られた祭壇の「五方五土龍神」ついて、窪徳忠氏は『道教の神々』という本で「床面に接しておくのは、土地龍神が土地の守り神のため」と書いています。また、家庭では玄関から居間・台所まであらゆる場所に神仏を祀る中国風の傾向は「東南アジア在住の華人の場合もまったく同じ」とありました。