偏平足

里山の石神・石仏探訪

石仏544鶏鳴山(栃木)神像

2014年10月20日 | 登山

鶏鳴山(けいめいざん) 神像(しんぞう)

【データ】鶏鳴山 961メートル▼国土地理院25000地図・今市(地図に山名無し)▼最寄駅 東武日光線・明神駅▼登山口 栃木県鹿沼市長畑▼石仏 鶏鳴山山頂の北の肩。地図の赤丸印 

【案内】長畑の集落から西沢川沿いの林道は、ゴルフ場の先で一般車侵入禁止になっている。この林道を2キロ弱歩いた先が登山口となる。15年前に登ったときは、杉林伐採の林道が入り組んで、登山道を探すのに苦労したが、それは大分前に終わったらしく、山も林道も自然を取り戻し、登山道には最小限の案内がついていた。

 ここに案内する神像は、山頂に祀られた5基の石祠の一つ納められている。それは屋根が失われ、室部も側面が欠けていて石祠の面影はない。その中に立つ像は、垂髪で古代武官の服である襖(あお)に白袴、宝棒を持つなどから天照大神としたいが、男子風の表情と衣装であり、宝棒が短く剣のようでもあり、斜めに持つなど、これまで見てきた乗鞍岳や恵那山の天照大神と像容がまったく違う。蓮華の台座に立つのも不自然である。したがって神像とした。尊銘をご存知の方のご指摘をまちたい。
                   乗鞍の天照大神

                 恵那山の天照大神

【独り言】鶏鳴山の山頂には5基もの石祠があり、それぞれに神仏が納められた形跡があります。その一つがここに案内した神像。残る4基の一つが阿弥陀如来。もう一つは、これも尊銘のわからない像容ですが、背に羽があるので天狗としておきます。あとは蓮華の台座だけの祠(15年前には頭部と手足のないトルソー状態の石仏が残っていた)と、何もない祠です。これほどの石祠が祀られた鶏鳴山にどのような信仰があったのかはわかりません。祀られた神仏からもその背景すら見えてきません。ただ、鶏鳴山がある日光の山には日光修験道の行場(宿と呼ばれている場所)に、金剛童子を祀った石祠が相当数残されています。行場でない山にも石祠が祀られ、神仏を納めてきたのが日光の山です。それにこの鶏鳴山の山麓は、日光修験の峯入りのスタート地である古峰原に向う道筋でした。そんな影響があるのかも知れません。いすれにしても、日光の山中には石祠に神仏が祀られている山が多いところです。

                    阿弥陀如来

                  天狗 
                      
                15年前の写真

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