偏平足

里山の石神・石仏探訪

石仏811嶺岡浅間(千葉)鬼神

2018年09月07日 | 登山

嶺岡浅間(みねおかせんげん) 鬼神(きじん)

【データ】 嶺岡浅間 335メートル▼最寄駅 JR内房線・安房鴨川駅▼登山口 千葉県鴨川市主基西の白滝不動▼石仏 白滝不動から山頂への中ほど、地図の赤丸印。黒丸は白滝不動▼地図は国土地理院ホームページより▼この案内は拙著『里山の石仏巡礼』(平成18年、山と渓谷社)から転載したものです
【里山石仏巡礼47】  房総は大地の全てが砂岩から成っているため、砂の採取が激しく、山は姿を留めないほどまでに削られ、道はこれを運ぶダンプカーで粉塵が舞い上がる。嶺岡浅間で鬼神探しをしたのは昭和58年、この山の砂採取は終わっていてどこが山頂か分からなくなっていた。急ごしらえの石祠と石燈篭のあるあたりがかつての山頂だったのかもしれない。いずれにしてもその前を林道が突っ切っており、その道は房総の最高峰・愛宕山まで峰通しに続いているのだから、このあたりの山登りで、展望はあまり期待できない。ただ地形が複雑で照葉樹林に覆われた山は見通しがきかず、地図読みを楽しむ人にとって格好のフィールドになる。
 山にある石仏は、峠や山頂以外にある場合は見つけにくい。大きな岩や大木が密集しているところを目安に探しながら登るのだが、見落しも多い。嶺岡浅間の鬼神も見つけにくい尾根の途中にあった。探し当てたという感じだったが、それよりもあまりにも異常な石造物に足が止まってしまった。石造の面が四つ。一つは烏天狗の面だが、残る三つが当てはまる神名は思い浮かばなかった。とりあえず鬼神としたが、いまでもこの名称でよいのか迷っている。同様の面が能楽にある。天狗の首領などに使われる悪尉の癋見形。癋見は口をへの字に結んだ表情をいう。したがってこれらの石面はすべて天狗なのかもしれない。
 山の石仏は、情報を得るのもむずかしい。石造物が向いている方角の山麓に祀った人たちがいるはずだが、祀られたのは遠い昔のことで経緯を知る人はもういない。嶺岡浅間で鬼神は、藁にもすがる思いで石面の側にあった石碑に刻まれた人宛てに、問い合わせの手紙を出した。返事はだいぶ過ぎてから、問い合わせた人の息子さんから届いた。そこには石碑に刻まれた人はすでに「亡くなった」とあった。

【追記】その後の調査で、この鬼神は丹沢大山の石尊大権現ではないか、とした。詳細は偏平足133嶺岡浅間(千葉)へ。


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1 コメント

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Unknown (宮島 順一)
2018-09-08 19:22:31
私もエスパースゴア 一人用を使用しています。写真のテント懐かしかったです。祖父に買ってもらった帆布製の三角テント大事にとってあります。若いころはドーム型のテント(ふきながし)も使っていました。
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